ルニアの異放1
ルニアがサニアと再会してから数週間が経っていた
ルニアは今様々な世界に散っているウルをとにかく潰している
大幹部と呼ばれる者は少ないが、幹部やその下につく構成員は驚くほど多かった
それらをつぶしてつぶして、時には助け、大量のウルを排除していく
「はぁ、どれだけ多いのよ」
天使たちは今はいない
全員神界にて修行中だ
「疲れた。すっごく疲れた! ケーキ食べたい!」
思い立ったが吉日とばかりにその世界にあるお菓子屋へと入る
「ああいい匂い、焼き立て?」
「あ!ルニア様! この前は助けていただきありがとうございます! どうぞこれ、一番人気のケーキです!」
少し前にウルに襲われていたところを助けた少女
どうやらお菓子屋の娘だったようで、ルニアに非常に感謝している
そのためお菓子を大盤振る舞いにルニアにふるまった
「おいしいいいい!」
あまりの美味しさに思わず絶叫するルニア
もともと彼女は甘いものが大好きで、サニアとはよく自分達で作って食べていた
特にサニアの作るケーキはそんじょそこらのケーキ職人もかなわないほどによくできている
ルニアはいつもそんな姉の料理やお菓子を食べていたため、舌が肥えてはいるのだが、ここのお菓子はそれに勝るとも劣らない出来栄えだった
「ほんとうですか!? よかったぁ、まさか女神様に褒めてもらえるなんて。あ、ここにルニア様のサインを飾らせていただいてもよろしいでしょうか?」
「いいけど、なんで?」
「女神様のお墨付きをもらった店として大繁盛予定なので!」
詳細たくましい少女だった
とにもかくにもルニアは平和だ
そして
「さて、巨悪がどんどん動いてる。異放、私に力を貸して」
異放の力は日に日に力を増していく
それはツキの思いがこもっているからだ
その思いはしっかりとルニアの中に根付いている




