リルカと守り人4
不思議な少年イツキを加え、四人はウルを探して旅立つ
目的は、悪意を振りまくアウルの殲滅だ
力を取り戻したリルカにはできないことはないと言ってもいい
この世で最も力を持った存在、それがリルカだった
だが
「おかしいわ。アウルの位置が掴めない」
リルカならば全ての世界を網羅し、それがたとえ新しく出来た世界だろうと、見つけにくい世界だろうと、全てが把握できた
それにもかかわらずアウルの位置が全くつかめない
様々な世界に散らばっているウルのメンバーたちの場所は手に取るように分かるというのに・・・
リルカは眉をひそめてさらに力を強めてみる
しかしそれでも見つからなかった
「一体どういうことなの?」
「お母様でも見つからないのですか?」
「どうやらそうみたい」
「アウルっていうのはそんなにヤバイ奴なんですか?」
「ええ、悪意を振りまいて全ての世界を悪に染めようとしています。その力も、恐らく私に匹敵するほどでしょう」
少し考えこむように顎に手を当てるイツキ
「何か知っているのですか?」
「いえ、そんな奴にどうやったら勝てるのかなって」
(本当は違うけどね。まさかリルカが発見できないとは、これは僕が少し手伝うべきか? いや、今はまだそのときじゃないか)
「勝てる勝てないではなく、勝たなければ世界に未来はないのです。絶対に勝ちますとも」
「はい」
四人がたどり着いた世界には人が一人もいない異様な世界だった
「ここにウルがいるはずなのですが、気配がしませんね」
ウルの気配を正しく辿れたはずだが、どういうわけか気配が消えてしまった
それに、人がいないのにいた痕跡はそこかしこに会った
ただその痕跡はどれもかなり古いもので、生活感というものは一切ない
「ここの人々はどこへ消えたのでしょう?」
そう思って痕跡を触っていると、突然モニターのようなものがプツンと付いた
「これは、テレビ? いえ違うわ。このモニター、実体がない」
宙に浮かぶモニター
ホログラムのように実体がなく、そこに映像だけが映し出されているようだ
そしてそのモニターから声がし始めた
「これはこれは、他世界からのお客人とは珍しい! これはサンプルとして採取しなければ!」
モニターがそう言うと、地面が盛り上がってたくさんの機械型兵器のようなものが現れた
それらは一斉に四人を囲み、拘束しようと攻撃を仕掛けた来た




