表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

750/1023

想像で創造する女神5

「それにしても綺麗な玉ですね。これは何なのでしょうか?」

 とある世界の岩山の上に可愛らしいハンカチをひいてそこにちょこんと座っているプリシラ

 その手には虹色の玉があり、宙に透かしてみている

「何か力が込められてるみたいですけど・・・。考えてもわからないですね。これはしまっておきましょう」

 可愛いポーチにその玉をしまうとぴょこんと立ち上がり、ハンカチをたたんでそれもポーチにしまった

 そして伸びをすると目の前にあるたくさんの男たちを見てはぁとため息をついた

「いい加減力を持った人の責任というのが分かりましたか?」

 男たちはウルの面々で、この世界で暴れていた者たちだ

 だがあっさりプリシラにのされ、反省と称して彼らは正座させられている

「はい、申し訳ござませんでした。もう二度と悪いことは致しません」

 よっぽどの恐怖を感じたのか、そう言った男は髪がすっかり抜け落ち、毒気も抜けていた

 もう悪さをしようとは思えないほどの恐怖を与えられた男たち

 誰一人としてプリシラに逆らおうとはしない

「ではもう自分の世界に帰りなさい。いいですか?世のため人のために力を使うのですよ」

「はい! もうしわけありませんでしたぁああ!!」

 男たちは立ち上がると一斉にプリシラに礼をしてそれぞれ元の世界へと帰って行った

「それで、あなたはなぜ残ったのです?」

 プリシラの前には目を輝かせているウルの男

「あなたの強さに惚れました! どうか俺を舎弟にしてください!」

「いえそう言うのは募集していませんので」

 あっさりと彼の願いを棄却し、プリシラは歩きだした

「何でもしますから!」

「いいです。私自分で何でもできるので」

「盾にだってなりますから!」

「自分の命を粗末にするような方は嫌いです」

「うう」

 埒が明かない

 はっきりと断られたのでなんの脈もない

 しかし男は食い下がらなかった

「お供します!」

「早く帰ってください」

 それでもしつこく付きまとう男に嫌気がさすプリシラ

「また殴りますよ」

「喜んで受けます!」

 もはや変態のそれである

 男の名はオディルス

 自分の世界でカツアゲなどで生計を立てていた小悪党で、能力は気合

 気合が入れば入るほどに強くなる力だ

「俺はあなたみたいな強い人に憧れてたんです! 頼みます! 俺を弟子にしてください!」

「はぁ、全くもう、いいですか? 私は女神としての役割で世界を巡っているのです。当然危険ですし、あなたは元々ウル、悪い人でしょう? 心を入れ替えたのなら元の世界で人々の役に立ちなさい」

「あの世界には俺なんかいなくても強いやつがゴロゴロいます。俺なんかいなくたって回ってるんだ。俺は弱い。だからあの時妹も・・・」

 よくよく聞くと彼は力を手に入れたばかりのころ、妹を暴漢に襲われて亡くしていたようだ

 守れなかった苦しさでやさぐれていた

 力さえあればあの時暴漢から妹を守れた

 その悔しさからプリシラの強さを見てほれ込んだのだった

「分かりました。私の従者となるならまず私の言うことは絶対ですよ?」

「本当か!? あいや、本当ですか!?」

「仕方なしにです! 自分の身は自分で守ってくださいね」

 オディルスを儒者に加え、プリシラはウルの悪事を止めるためまた旅立った

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ