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魔王ちゃんの日常

 今日は吾輩の日常を紹介しようと思うのだ

 知っておいて損はないぞ、なんせ吾輩の日常なんだからな!

 まずは起きてすぐに顔を洗い歯を磨く、吾輩の歯は全て尖っているので少し磨きにくいが時間をかけて丁寧に磨く。虫歯は怖いからな

 次に朝食だ。料理人が作った怪鳥ポーチドエッグ、針豚のカリカリベーコン、固めのトーストを少し焦げ目がつくくらい焼いたものにバターを乗せる

 そのトーストの上にレタスとポーチドエッグを乗せて調味料をかけて食べる

 口に中に卵に黄身が広がってとろけてうまい

 朝食を食べ終えると寝間着をメイドたちに着替えさせてもらう

 最初は恥ずかしかったが今では慣れたものなのだ

 なぜかメイドたちは可愛い服を着せたがるが、吾輩の威厳にかかわることなので服はリドリリに選んでもらっている

 彼女の選んでくれる服は可愛らしさもありながら威厳があるのだ

 え?可愛い服は嫌なんじゃないかって?

 そんなわけないではないか、吾輩だって女の子なのだぞ?

 可愛い服だって着てみたいのだ

 でも威厳は今のまだ混乱している魔国には必要なのだ

 落ち着いたらたくさんおしゃれをする。これは吾輩の目標でもあるのだ!

 着替えが終わるとさっそく業務開始なのだ

 部下たちから上がって来た山のような報告に目を通して承認したり却下したり提案したり。魔王は案外と大変なのである

 朝の激務が終わればお昼休憩

 この時が一番好きなのだよ吾輩は

 頭から煙をあげながら机に突っ伏しているとリドリリがやって来た

「キーラ様、お食事の用意が出来ましたよ」

「む、わかった。今行く」

 顔をあげずに答えた

 このまま寝てしまいそうになるが我慢して起き上がると、吾輩にとっては少し高い椅子から飛び降りてリドリリの後に続いた

 あの椅子にしても背の低い吾輩に対する当てつけかと思うことがある

 そうだ、午後は椅子を買いに街に行くかな

 そう、今日の午後は自由時間なのだ。いや、決して職務をさぼるわけではないぞ

 街の視察も吾輩の大事な役目なのだ!

 お昼ごはんに出たのは吾輩の大好物、カレーである

 異世界人が伝えた食べ物で、吾輩はこれが大好きなのだ

 この料理、普通は辛いのだが、吾輩辛いものは苦手なので甘口とやらにしてもらっている

 このスパイスの効いた風味とトロッとしたルー、白米と呼ばれる穀物にそれをかけるとベストマッチするのだ

 パンをつけて食べてもうまいので何と素晴らしい食べ物なのだろうか

 このカレーを伝えてくれた異世界人に会うことがあれば、土地と地位を与えてやっても良いと真面目に考えてしまうほどだ

 ものの数分で食べ終えるとおかわりを要求

 すぐに追加のカレーが運ばれてきたのでそれもぺろりと平らげてしまった

 うまかった。満足した

 おなかをポンポンと叩きながら食休み

 しばらくすると外着に着替えたリドリリがやって来た

 街の視察はリドリリが必ず付き添うことになっている

 護衛の意味合いもあるが、一番は吾輩が逃げ出さないか見張るためだろう

 まったく、そんな心配せずとも外の世界を見たらいつか戻ってくるというに

 前科があるからか、リドリリは全く信頼してくれてないのだ

 あれは吾輩がまだ小さく、非情な父上が統治していた頃だ

 人間に興味のあった吾輩はこっそりと城を抜け出して外の世界に行った

 初めて見る街の外は何もかも新鮮で、吾輩はうきうきしていた

 その結果、なんだか怖い人間たちに捕まってしまったのだ

 その人間たちは「魔族の娘だぜ、こりゃぁ高く売れるな!」と笑いながら言っていた

 なぜ高く売れるのか今でもわからないが、とにかくあのときは恐ろしくて震えていた

 そんな時吾輩を助けてくれたのは人間の・・・

 おっと、街についたな

 まぁ、そんなこんなで助けられた吾輩は人間を見直した

 人間は全て悪いやつだと父上に聞かされていた認識は間違いだったのだ

 だから吾輩は、人間と、多種族と、精霊たちと仲良くなりたい

 世界中が手を取り合えるようにしたいのだ

 さぁ、視察だ

 椅子と服を買ってもらうのだ! 楽しみである

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