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白黒 童子姉妹の冒険2

 鬼ヶ島の姫だったからか、あっさりと王宮へ通されて王様にお目通り出来た

 ここの王様、実は小さいころに何度か会ってるんだけど、苦手なんだよね

 王様の前に来て挨拶をしようと見上げる

 そのとたん私は少し後悔した

「よく来たね、クロハ姫にハクラ姫。それで、今日は息子との婚礼を受けに来てくれたのかな?」

 若い、凄く若い、お兄さんと言ってもいいくらいに。それが竜人の王、ゴトラ・バルハート王

 そしてその横に座ってるのが王妃のカルセさんで、さらにその横に立っているのが双子の王子、デュレロ君とディレロ君

 二人ともおとなしくて優しくて、ゴトラ王に似たかなり整った顔立ち

「やぁハクラちゃん」

「やぁクロハちゃん」

 二人の王子が同時に私とお姉ちゃんの名前を呼んだ

 私の名前を呼んだのがお兄さんのデュレロ君で、お姉ちゃんの名前を呼んだのが弟のディレロ君

「久しぶりです。ゴトラ王」

「うん、息災そうだね。お父上が亡くなってからは会えなかったけど、魔王の問題も片付いたみたいだし、またちょくちょく会いに行こうかな? もちろん息子たちと一緒に」

 ディレロ君がお姉ちゃんを見て顔を赤くしてる

「はい、いつでもお待ちしています。それより今日はお聞きしたいことがあって参りました」

 お姉ちゃんは要点をまとめて簡潔にこれまでの経緯を説明。ゴトラ王は嬉しそうにその話を聞いてる

「ほほー、なんとなんと、童子に進化・・・。さらに美しくなったと思ったけど、そういうことだったのか」

 王がじっと私達を見つめていると、王妃がにこやかに王の脇腹をつねっていた

「イテテ、こらこらカルセ、これは口説いてるんじゃなくてね。童子という種族をよく見ようと思って」

「見すぎですよ。失礼です」

 カルセさん、相変わらず怖い。普段がおっとりしてて優しいだけに、怒るとすごく怖いんだもん

 子供のころに王子たちとお姉ちゃん、私の四人でイタズラしたら、母様と一緒になって怒ってたのがまだトラウマとして心に残ってる

 あの時あまりの恐怖におもらししたのは今となってはいい思い出・・・。いややっぱり消したいです

「戯れはこのくらいにして。そうか絶桜鬼か、久しぶりに聞く名だね」

「やはり、知っているのですか?」

「知ってるさ。なにせご先祖の初恋の人らしいからね」

「え!?」

 衝撃の発言です

 あ、でも、王が竜人と鬼人のハーフじゃないってことは、初恋に終わったってことかな?

「ご先祖は昔武者修行と称して将来の妻を探す旅に出てたそうなんだよ。それが今から約数万年くらい前かな?で、鬼ヶ島に着いたそうなんだけど、そこで丁度武術の大会が開かれてた。確かその時の大会が今では世界的に有名になった鬼ヶ島異種族混合武術大会の始まりだね。その大会でご先祖は決勝戦まで上り詰めたんだけど、最後にあたった相手が絶桜鬼さんだった。彼女は気高く美しく、そして強かった。竜人族最強だったご先祖でも敵わないくらいに。しかもその時の絶桜鬼さんはまだ普通の鬼人だったらしいよ」

 竜人は鬼人より一般的に強いって言われてる

 こと武術に至っては竜人の右に出る者はいないとも

 そんな竜人に勝ったって。しかも童子にすらなっていなかった鬼人の状態で

「とまぁその時にほれたそうなんだけど、実は絶桜鬼さんにはすでに伴侶がいたみたいでね。初恋もすぐに終わっちゃったって恥ずかしそうに言ってたよ。まぁそのあとも会ってお互いに高めあってたらしいけどね。あ、たしか女媧さんっていう女仙の人も一緒に修行してたって言ってたね。それから絶桜鬼さんとご先祖は親友となった。僕が知っているのはそのくらいかな?」

「あの、異世界に渡った絶桜鬼さんは、その前にどうやって強くなっていったのか分かりませんか?」

「うーん、もしかしたら書斎に資料が残ってるかもね。ご先祖は自分の修行を事細かに分析して必ず記録に残してたから、絶桜鬼さんの記録もあるかも。よかったら調べてみるといいよ。息子たちも連れて行くといい」

「ありがとうございます!」

 顔を合わせる度に双子の王子を結婚相手に進めてくるから苦手だったけど、やっぱり優しい


 王子たちのことも別に嫌いじゃないんだけど・・・。でも、今は恋に興味がない?んだと思う

「行こうハクラちゃん」

 デュレロ君が私の手を引いて書斎に案内してくれた

 あ、ディレロ君はお姉ちゃんに手を引かれてる。しかも顔が真っ赤

「僕とハクラちゃんはこっち。ディレロとクロハちゃんはあっちを」

 二手に分かれて資料を探し始めた

 ここ、私の興味がある本がいっぱい。あとで貸してもらえないか聞いてみよう

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