初デッキとバトル
「お、キツツキ的なのみーっけ」
また移動すること数分。また新しいのを見つけた。小鳥タイプのモンスターだ。空中でホバリングしてるからハチドリに近いのかも。
「よーし『スライム1号、2号、3号召喚』」
相手は空中。対して俺と手持ちモンスターは飛べない。
ならばこうするのが得策。
ガシッ
ピッチャー振りかぶって…投げた!続けて投げるっ!また投げるっ!
ビチャっバサバサ…ボトッ
小鳥を飲み込む半透明なスライム。
息も羽ばたきもできず墜落してカードになる小鳥。
「ハミングバード…ハチドリだな。スライムほどじゃないけどモンスターとしては弱めか。臭くないからゴブリンよりは大当たりだな。
そうだ!探索に使えるかも。『ハミングバード3体召喚』」
ピロロッ
ピロッピロッ
ピロロロ〜
「ここから近いモンスターを探して来て」
数分後
ピロロッ
「案内して」
ピッピロッ
「あれは…」
タカ?ワシ?トンビ?どれだか知らんが二、三羽が足元の蛇の塊を採ってるんだろう。これを狙わない手はない。
「ん〜…あ!ハミングバード、このカードを近くまで持って行って」
ハミングバードにカードを持たす。
それを上空まで持っていってもらい…
「『ゴブリンファイターをレベル3で召喚、ゴブリン×2、鋼の聖剣×2、召喚、そして装備』『全モンスター、モンスターを攻撃』」
ヒューーンズババッ
『[サークルイーグル]×3
[アメジスネーク]×2を入手しました』
『条件を満たしました。
モンスターカード
[ポイズンスライム]×3
[キラースコーピオン]×2を獲得しました』
『条件を満たしました。
モンスターカード
[イービルボア]×2
[ロックリザード]×3
[ロックゴーレム]×2を獲得しました』
『条件を満たしました
装備カード
[超銀の二丁拳銃]×2
[アーマーゴーレム]×2
魔法カード
[クロスフレア]×2
[グラビティバインド]×2
[魂の共鳴]×3
[一斉射撃]×2
配置カード
[毒の撒菱]×3
[追撃の石像]×2を獲得しました。』
『デッキ条件を満たす40枚を上回ったため、空きのスロットを閉鎖します。』
ヒラヒラヒラ〜バラバラバラッ
「あらら…あららら…散乱しちゃった…風で飛ばされる前に拾わないと…」
数分後
「ん〜…ゴブリンは…臭いから入れない。ゴブリンファイターは…くっさいけど効果的に強いから入れとかなきゃだし…この魔法カードは…微妙…あと…」
さらに数分後
「よーしこんなもんかな。」
金も携帯も持ってない俺が頼れる唯一の頼みの綱。時間をかけて選別したから当面は死ぬことはない…多分…きっと…十中八九…メイビー…
「余ったカードどうしよ…」
『条件を満たしました。
スキル『次元収納』を使用可能になりました。』
「次元収納ってゲームの主人公がえげつないほどのアイテム量を持ち歩くアレのことだよな?ってことは…『次元収納』」
目の前にブラックホールのような穴が現れた。
ズブズブズブ…
「なるほど、ここにしまえってことね」
ピッ!
ピロッ!
「2号、3号、おかえり。モンスターいた?」
ピッピロッピロロッ!
うん…何言ってるのか全く分からん。
とりあえずついて行ってみようか…
「ウソーーン…」
遠目に見えるのはまず前半分は完全に鳥、後ろ半分は獣のデッカイモンスター、多分グリフォンかヒッポグリフ。
モンスターがいるのはもう気にならない。自分がきになるのは鳥のモンスターが対峙している人の方だ
馬車と西洋の鎧に身を包み、剣を持ったが2人、大怪我をした1人。どういう世界線かは分からないが多分護衛かなんかだ。
「おい!まだくたばっちゃダメだ!」
「くそぉ…なんでこんな魔物がいんだよ…」
「どうしよう…いや助けないと。『バトルスタート』!」
左手に出現する5枚の手札。モンスターと魔法カードは…よし、なんとかする!
「『魔力壁を馬車の周りに展開』」
「今度はなんだ!?」
「これは…魔法の防御壁?おいあそこ!」
護衛…だと思う男性たちは俺に気付いたみたいだ。
「おい青年!危ないぞ!」
いや、けが人を1人抱えたあなた方にいわれたくないです。
「『ポイズンスライム、ロックリザードをレベル3で召喚』『ハミングバード3体をレベル3に』」
元々召喚済みのハミングバード3体も足す。まずは馬車から気をそらすことから。
「『ロックリザード、ハミングバード1号、2号、3号、敵の撹乱』」
各々転がったり、バラバラに飛び回って巨大鳥の集中を削ぐ。
ロックリザードとハミングバード2号、3号がやられたが、十分働いてくれた。
「そろそろ…『ドロー』…戻ってきて!
『サークルイーグルをレベル3で召喚』ポイズンスライムを持って飛んで!」
巨大鳥の口元まで飛んでもらって…
今だ!
「『ポイズンスライム、攻撃!』」
パクッグチュッ
よし、破壊されたな。
「『ポイズンスライムの破壊時効果発動』」
クチバシの周りに毒の塊が飛び散る。苦しみ方から少し効いているのがわかる。
ポイズンスライムの破壊時効果は破壊したモンスターにダメージを与えるもの。
「なんなんだ、あの青年の札からモンスターが次々に出てくるぞ…」
「それよりオレたちも行くぞ」
「お…おう!」
男性たちが駆け寄って来る。正直言って邪魔だが、俺1人に任せるのは危険だと思われるのもしょうがない
「『ドロー』
ハミングバード、ロックリザード。このカードをあの人たちのところに持っていける?」
なんとなくだが頷いてくれたのだけはわかる。
「じゃあ君にはこっちを、君はこのカードを頼むね。」
バタバタッ
ゴロゴロ〜
「な!なんか来るぞ!」
「アイツ味方じゃないのか!?」
「『鋼の聖剣、ヨロイゴーレムを召喚』」
「うわぁあ!」
「…!」
「それ使ってください!」
「剣…よし!」
「これ〜は?…これどうやんだよ!」
ヨロイゴーレムは普段腰くらいの高さの人形だから使いようがない。
「『ヨロイゴーレム、男性に装備』」
バラバラッ ガチャンガチャン
「な…なんだこの格好は!」
「そんなもの後だ!行くぞ」
「もうこうなりゃヤケだ!やってやるよ!」
自分の手札に装備カードはもうないから、自分はモンスターの指示に集中する…必要なさそうだな
「オラ!」ダァン!
「ハァッ!」ザンッ
ドサッ
シュウウウウン…
巨大なモンスターが落ち、死体があるはずの場所にはスライムやほかのカードよりキラキラ光るカードが落ちていた。
『風の狩人グリフォンを入手しました』
「結構レアなカードゲット…あ、みんな戻っていいよ」
『条件を満たしまし』
「ごめん、後にして」
『あとでを選択。なお、未受け取りのカードはステータス画面から確認できます』
「大丈夫ですか?」
「あぁ。オレたちは大丈夫だ。」
「お仲間のところに急ぎましょう。危険な状態ですよね」
「そうだ…アベル!」
近くに行くと横たわった血塗れの男性、西洋風の鎧越しなのに左腕がない。
「おい!アベル!アベルしっかりしろ!」
「この傷は急いで運んで回復魔法の使い手に治療してもらわねぇとヤベェぞ!」
回復魔法?回復…なんかそんなカードあったよな…
あった。ホワイトヒール。
指定したモンスター一体もしくは人間1人を回復する。って書いてあるから応急処置くらいならなるかも。
「すいませんどいてください。『ホワイトヒール、発動』」
ホワンホワンホワン…
温かみのある白い光に包まれて傷がなくなり、腕型に固まった光が失われた左腕に置き換わる。
「やるじゃんホワイトヒール…」
轢かれる前までやっていたカードゲームにも似たようなことを書いたカードは何枚もあったが、ほとんどは攻撃もしくは防御を一回した疲労状態を戻すだけでここまで万能ではない。
「アベル!しっかりしろ!」
「う…んん…」
「アベル?分かるか?」
「あの…デカイモンスターは…」
「もう大丈夫だ。」
「…逃げてくれたか。よかった」
「いや、彼のおかげで倒せた。」
「そうか」
「あの…」
「どうした?」
「馬車の中…誰か乗ってます?」
「そうだった!エリーゼ王女!」
王女?まさかね…
うっわぁスッゲー美人さん…
男性たちがその場に跪く。俺もなんとなく真似してみる。
「グ…グリフォンは…?」
「はっ。この通り全員無事にグリフォンを倒すことができました。」
「そうですか…。そちらのお方は?」
「この青年は我々の命の恩人です。共にグリフォンを…いや彼がいなければ我々は手も足も出なかったでしょう。」
「そうですか。お名前をお伺いしても?」
「神谷啓介です。ケーとでも呼んでいただければ幸いです」
「ケー様ですね。この度はお助けいただきありがとうございます。」
「いえ、自分は近くを通りがかっただけで大したことはしていませんのでお気になさらず。」
「何かお礼をしたいのですが、欲しい物はございますか?」
「お、お礼だなんてもったいないです。自分が勝手に飛び入っただけですので」
「経緯など何でも良いのです。何かお礼をさせて下さい。」
「うーん…では…ここらへんのことを色々教えてほしい…ではダメですか?」
「そんなことでよろしいのですか?」
「あいにく…記憶と現実が一致してなくてですね、自分でも何がなんだか…」
「もしかして記憶がないのか?」
「"記憶は"あるにはあるんです。自分がどんな人間で今までどこで何をしていたかまではっきり覚えてます。ただ、なぜここにいるのか、ここがどこなのかが全く見当がつかなくて…」
「そうですか…カムロ。」
「はっ。」
「このお方をこのまま置いていくわけにはなりません。ひとまず我々の向かう街へお連れしましょう。」
「はっ。我々からも礼をさせていただきたい所存でございますので、大いに賛成でございます。」
とどめさしたの護衛の2人なんだけどな…
自分は押し込まれるように馬車に乗せられ、どっかの町に向かうことになった。




