K兄ちゃん
新連載始めてみました。
多分低頻度更新ですがたまーに覗いてくれたら嬉しいです。
ブックマーク、評価、感想の方、よろしくお願いします。
「またね!K兄ちゃん、また来週もいるよな?」
「いるよ。さっき言ったアドバイスを参考に君たちのキーモンスターを組み合わせてまたおいで。土日ならいつでも待ってるから」
「うん!」
「気をつけて帰れよ!」
自分は神谷啓介。春から社会に出た新人サラリーマン。仕事もぼちぼち慣れてきて休日の予定が趣味に戻るだけの余裕も出てきた。
ここは都会ではないが、山の中というほど田舎でもない小さなおもちゃ屋。肝心の玩具の品揃えはあまり良くないがカードゲームなら大抵パックやガチャが揃ってて、店内にはカードバトルができる机がある。
「ふぅ…」
「小学生相手に一度も負けようとしない。啓介ちゃんには手加減の文字はないのかい?」
「おばちゃんだって途中から参加してただろ。」
「あたしだって若者とたわむれたいからねぇ。
それにしても、よくもまぁその歳まで続いてるね」
「別にいいでしょ。楽しいんだし」
「褒めてるんだよ。継続は力なりって言うらしいしね。店主としても子供達が楽しそうに遊んでるのが見られて嬉しいけどね」
「啓介ちゃんもついこの間まで小学生だったのに今やその小学生の師匠だもんねぇ」
「そう考えるとおばちゃんも結構な歳じゃないの?俺が小学生の頃ってまだ杖持ってなかったでしょ」
「そうだったかね?あたしも永遠の18歳だと思って今までやってきたけど、なかなか現実は厳しいもんだよ。」
「18だとしたら自分と同い年か一個下じゃん」
「こんな女でよければいるかい?」
「いらないよ。おばちゃんにはあの頑固じじいがいるだろ?」
「まぁね、あの人も亡くなって4年になるかどうかだけど未だに箸と茶碗を2つ用意しちゃうんだもん。あたしにはあの人しかいないんだろうね。」
「なんだかんだでうまくやってたもんね。」
「何ガキンチョが人の夫婦事情に探り入れてんだい。
まぁ寂しくないと言っちゃ嘘になるけどね」
「…。まぁまぁ…おばちゃんが店やってる間は俺も通うからさ、またきたときに元気な姿見せてよ」
「ありがとうね。でもいいのかい?そろそろ帰らなくて」
「なにが?」
「ちょっと前に始まったカードゲームのアニメが始まっちゃう時間じゃないかい」
「あああああああああ!!やばい急がないと!」
カランコロンっ
「じゃあねおばちゃん!また来るっ!」
「まだか…この交差点、大通りに贔屓すぎるんだよな。よし!信号青!」
パパパーーーー!キキーーーっ