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幼少期 第一話

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 俺の名は「林原 拓斗」

 どこにでもいる社畜の30歳だ!

 いつものように社畜な生活を送り、帰りすがら立ち寄ったファミレス。

 ここで酒を頼んだのがまずかった。

 疲労、心労、そして労働基準法完全無欠な無視の会社制度により

 健康診断にも行けなかった俺は


 ぽっくり死んだ。


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼


「んで、どちら様でしょうか…」


 俺が目を開けるとそれはもう真っ白な空間。


 ただ中央にぼやーっとだが女の顔が見える。


「ん~、私はねぇ。そう女神」


 なるほど、可愛そうな人か。


「ふっふっふー、今、可愛そうな人って思ったでしょ」


んなっ!バカな!!

女神と名乗る人物は俺の心が読めるのか!!


「みんな…最初はそういうんだよね…」


 先ほどまで満面の笑みだった自称女神は悲しそうにいじけ始めた。


 ようやく視点が定まって自称女神の姿がはっきりと見えてきた…


 ふむ、顔はやはり女神と言うだけ整っている。

 どちらかというと幼さが残る顔だちだが金髪に金色の目。


 美少女と言っても過言ではないだろう。


 目線を下にうつしていくと…


 こ、これは!放漫な胸であると言わざるを得ない。


 度し難いぞ。


 しかも!その胸を強調し!さらにはウエストも強調!

 なんだったらちょっと太ももも見える服装ときた!


 度し難いぞ。


「あ、私の恰好はあなたの中の女神象が投影されてるから。」


 あー…なるほどですねぇ…


 おい、なんだその蔑むような眼。

なにがダメなんだ!!ロリ巨乳のどこが!!


 自称女神が言うには本当の女神に姿形なんてものはない。


 概念だけが存在するんだけどそんなもんに語り掛けられても素直に反応できる人間がいるわけもないし、いたとしたら完全にちょっと残念な人の可能性も高いからこうやってイメージ通りの姿になって現れると説明してくれた。


だれがそれで納得するんだよ。


「あ、言いわすれてたわ!ウェルカム ようこそ 転生の間へ!!」


「あの…転生とかいいので帰らせてもらっていいですか…」


「ブッブー、残念でした!君の体はすでに焼却されてしまったんだよー、汚物は消毒だーって」


 どこの世紀末だ。


 女神にしては俗世に精通しすぎてやしませんかね。


「ちょーっとあなたの人生覗かせて貰ったんだけどー…あれじゃぁちょっとね…その…あまりにも可哀そう…だなって…」


 可愛そうな子っていうのやめていただきたい。


 事実なだけに。


「そのー、毎日ぃ会社に行って自宅に帰ってはアニメみてぇ…30年間恋人もいなくて…童貞だし?」


「黙れ三次元」


 かあちゃん、俺、今年で晴れて魔法使いになれたよってやかましいわ!


 三次元の良さなんか全然これっぽっちもわかりませんしー!!わかりたくもありませんしー!!


 分かりたくても分からないだけな人生だったな…俺…


「そこでね、私は考えたの!あなたの魂を転生させてあげようとおもって!」


「いや、結構です」


「え?」


「だって…また人生一からやり直しハードモードでしょ…だったらもういっその事このまま楽にしてもらった方が…」


「転生特典つけちゃうよ!!」


「転生特典…?」


「ほら、よくあるでしょ!アニメとかで。神様とか精霊とか女神とかに『汝に力を与えよう』みたいな!」


転生特典ねぇ…おれは考える…。

ここはごねよう。うまくいけば…


「転生特典ですか…転生特典一個付いたところで人生イージーモードになるとは思えませんし…ここはやはり…楽にしてもらったほうが…」


「よーし、にいちゃん!じゃぁ2点つけちゃおう!2点!特別だよー!!神様には黙っておいてねー!!」


キタコレ。


「2個、なんでも願いをかなえてもらえると」


「えぇ、そうよ!感謝しなさい!」


 ロリ巨乳女神が胸を張る。それだけで魔法使いである俺の心はブレイクしそうだ。


「では一つ目は世界最強の賢者に」


 女神は不思議そうな顔をしている。なんか変な事言ったかな。


「勇者ではなく賢者でいいの?」


 女神曰く大概の転生者の希望は勇者らしい。


 俺は英雄願望はあるけど極力働きたくないでござる。


 ではなんの職業が一番楽が出来そうか考えた。


 そう、万能職の賢者だ。

 攻撃、回復なんでもござれ。戦闘だけが人生ではない。

 治療院でも開いて悠々自適、そして身の安全を守る攻撃魔法。


 これで人生安泰ではないか。


「まぁ、いいわ!じゃぁ最強賢者ね!んでもう一つは?」


 ふふふ、こっちが本命なのだよ!こっちがな!!


 そう、もう一つの願いは…


「もうこれでもかっていうぐらいにモテたい!!!」


「は?」


 俺の人生において初めてではないだろうか。

 目を点にしている人物を見るのは。

 人ってそんなに目をまん丸にすることが出来るのねなんて感心してしまった。


「モテてモテてはー、困ったもんだよセニョールって言いたくなるぐらいモテまくりたい!」


「女神へのお願いが…モテたい…ですッて…」


「おい、いいか自称女神!俺はな!この30年間一度もモテたことが無い!

お察しの通り童貞だよ!魔法使いだよ!30年間におけるバレンタインデーのチョコレート取得率は0%だ!

いいか!母親にすら貰えないんだぞ!!義理チョコすら貰えない!女子からはあいつ根暗でいつも一人でいるなんて影口を言われても直接話すことなんてほぼ皆無だ!俺は喋りたいのに!そんな俺がモテる事を望んで…なに…が…わるいんだ…」


 自分で言っていて最後の方悲しくなって泣いてしまった。


 他にも中学の卒業式の時、隣を歩いていた友達のボタンは女子の溜まりが出来全部なくなったのに俺だけ全部残ってるとか、男女混合チームを作る際になぜか男だけのチームが出来たりだとか、あああああああ…思い出しただけで気分が沈む…


「あ、いや、ごめんなさい。なんか突飛なお願いだったからびっくりしちゃっただけ。もちろんいいわよ!モテたいものね!」


 そんな雨に濡れた子羊を見るような眼で俺を見ないでくれ…


 モテたいんだ…モテてみたいんだよ…


 そんな悲しみの輪廻を断ち切るように


「一つだけ制約があるわ。それは『見方勢力側には危害を加えれない』というものよ」


 世界最強の賢者というのは世界のパワーバランスを崩すどころ壊滅させるレベルのチートであり、なんかの拍子にに生き物全てを根絶やしにしその世界を終わらせてしまう可能性があるので制約によって阻止するという防衛策だよとの事だった。


 魔王や勇者というのは明確に味方陣営、敵陣営が存在するのでその様な心配をする必要はないらしい。


「要するに人類に生まれれば人類は攻撃できず、魔物であれば魔物に攻撃できなくなるよっていう事よ」


「それはもう強盗に入られたら殺されてくださいって言ってるようなものでは…」


「防衛策はとれるでしょ?戸締りをちゃんとするとか。罠を張り巡らせるとか。」


 お留守番のお子様か!


 結構なハードモードになりそうな気がしないでもないが、賢者とモテモテが手に入るのであればそれぐらいの苦労も致し方ない。


「あと転生後の話を事前にしておくわね。あなたが転生する世界の話」


 さっきまでのヘラヘラした様子ではなく突如真面目な顔になり

 たわわな胸もプルンと震え緊張が走る。


 俺は情欲を持て余す。


「まずは0歳からスタートよ。どんな両親の元に生まれるかは生まれてからのお楽しみ。レベルなんて概念は基本存在しないから注意してね。街並みは…そうね、中世ヨーロッパのような感じかしら。機械文明が発達していない代わりに魔法文明が発達してるわ。ここまでで質問は?」


「今の記憶って持ち越せたりしますか?」


「基本は持ち越しね。でも希望で消すことも出来るけど…どうする?」


 もちろん持ち越しでお願いをした。


 折角モテモテになっても前世の記憶が無ければそれが普通だと思ってしまう。


 それでは意味がない。俺はモテた事を実感したいのだ。



「あとさっきも例えに出たけど魔物が存在する世界よ。都合よく最初の町の周りには弱い魔物しかいないなんて思わない方がいいわ。」


 RPGお決まりのアレですね。

 

 実際そうなんだろう。


 ゲームはレベル上げという概念があるから初期の村の近くには弱い魔物を配置する。

 じゃないとスタートした時点で詰みで終わり。

クソゲーと呼ばれるゲームが一夜にして完成することだろう。

 しかし、リアルな話になれば町を一歩出た瞬間に瞬殺されるなんてことも…。


「まぁ、あとは好きに生きて!ファイトだよ!」


 突然の投げっぱなしー!!!


「なんとかなるなんとかなるよ!」


 ポジティブの塊かな?


「なせばなるなさねばならぬなにぬのね」


 うるおぼえかよ。


「じゃぁ、はい。これ」


 笑顔で麻袋を渡される。


 形状的にまさか…


「ヒノキの棒とかいらないから」


 図星だったのが女神が後ずさる。

 やめろ。もうボケなくていいんだ…。

 気を取り直したのか女神が笑顔に戻る。


「そこに穴が開いてるでしょ?そこに飛び込めば転生スタートだから。ささっ、穴の前へ」


 両手を広げ嬉しそうに言うが…

そこの見えない穴の前に立つというのは恐怖心しか生まれない。


 当然、俺としては躊躇するわけなんだがこの馬鹿女神、まるでバンジージャンプのそばにいる係員のように


『ほらほら、みんな飛んでるから大丈夫だよ。さぁ飛べよ。』


とでも言いたげな笑顔で背中を押してくる。



ついに目前にはそこの見えない大穴。


「大丈夫だよ!落ちても死なないから!あ、もう死んでるんだった!てへっ」


「いやいや、ここrってうおおおおおおおあああああああああああああ」


押しやがった。


こうして俺は奈落の底へ一直線。


最後に見たのはロリ巨乳女神が手を振っている所だった。


三次元許すまじ。



ここから本編がスタートとなります。

遅筆でございますので気楽に読んでいただけますと幸いでございます!

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