ドラゴンの糞の利用方法。前編
すみません。
思っていたよりも長くなったので前後編にします。
『え~これより、ドラゴン種の糞を利用した肥料の作り方をお教えします』
現在レオと王子君のデートを休んで何故かドラゴン系の糞から肥料を作る方法を教える事になっていた。
場所はグリーンシェルの大学院みたいな所でレオだけではなく女王様とか研究員、あとこの大学院に居る生徒さん達もこの教室に集まっていた。
前回俺が王子君に言ったプレゼントの正体はカーディナルフレイムで飼育しているフレイムサウルスの糞。
これも肥料になるので持ってきたら興味を持つんじゃないだろうか?と言ってみると持ってきた。
しかし問題は持ってきた後。
『これは一体どのように肥料にするのですか?それから確かドラゴンの糞だけを使った最高級の肥料があると聞きましたが』
と言う事で肥料製作を見せて作り方も教える事になったのだ。
元々はレオと王子君の関係がもっと良くなる様にと思っていたんだけどな。
でもまぁ王子君もドラゴン種の糞から肥料を作る方法は何故か知らなかったようなので教えておく。
俺はマイクの様な物を使いながら話し始める。
『必要な材料は基本的にありません。ドラゴン種の糞を手に入れたらそれぞれの属性に適した方法で放置していればいいだけです。今回のフレイムサウルスの場合は糞の温度を温度60℃に保つよう放置していれば大丈夫です』
「それだけですか?」
『基本的にはそれだけです。ここから糞の種類による変化、効果などをご説明します』
はやるレオを落ち着かせてまずはドラゴンの糞の種類について話す。
『まず初めに目の前にある火属性のドラゴンの糞から。こちらの特徴は肉食動物の糞の様に結構臭い事です。さらに積み重ねる事で熱が溜まる事でさらに発酵が進みやすいので一定以上熱が上がらないように管理する必要があります。効果は大地の活性化、つまり地面をより元気します。これにより連作被害を抑える事ができるので使用するとかなり便利です』
あくまでも連作被害を抑えるだけなので効果は地味だが、結構重要な効果でもある。
連作被害を抑えるって長い目で見ると結構重要なんだよね。
最初の頃それに気付かず放っておいて苦労したな……
『続いて土のドラゴン系、つまりヴェルトの糞は草食動物の様な食べた物、草が混じっている事が多くあります。こちらに関しては純粋に植物の育成を手助けする事ができます。植物をより大きく成長させる事ができますが、同時に雑草なども育ってしまいますのでご注意ください』
ほんと無差別に元気になるんだよな。
何も考えずに与えると大増殖して雑草処理がマジで大変だった……
最終的に草を食う子供達に食べてもらって事なきを得たけど。
『次に水系。糞の形状はどちらかと言うと鳥の糞みたいに液体っぽいです。そのため保存がちょっと難しいのでさっさと使うのが良いです。使った効果は他の素材との調和を助けてくれます。ある意味一番重要な素材ですね、これがないと他の素材が丁度良く混じらないので絶対に必須です』
絶対に必須って同じ事言ってね?
それだけ重要である事を伝える事ができればそれでいいけど。
それに回収するのも面倒なんだよね~。
水系のドラゴンはみんな海に住んでるから回収するのも大変なんだよ。海の上で漂ってるの拾い集めなきゃならないから。
『次に風系は豆みたいに小さなものであり、効果は植物に病気がかかりにくくする効果があります。管理方法は風通しの良い所に置いておくことだけなので保管は簡単です。ただし病気のかかりにくさは使用したドラゴンのランクによって上下しますのでご注意ください。それからあくまでも予防ですので、あまり過信し過ぎないようにお願いします』
どの素材でもそうだがランクが高ければ高いほど効果は大きくなる。
ブラン達SSSランクなら病気などにかからなくなる。
その代わり採取が非常に大変だし、素材が強過ぎて他の素材ではうまく調合できないなんて事もある。
一番楽なのは同じランク同士の素材で調合する事だ。
『次に光系。元々希少な光系のドラゴンの糞の形状などはほぼ人と同じですが、何故か光っています。その理由まではまだ解明できておりませんが光っているので分かりやすいと思います。そして効果はその植物自身の成長を加速させる事です。今までは与える事で成長を促したり病気にかかりにくくなっていましたが、今回の場合は元々その植物が持っている生命力などを強化する効果があります。保存方法は非常に難しく、常に光に当てていないといけません。光に当てないとすぐに効果を失い、色も消えてただの糞になってしまうのでお気を付けください』
ほんとこの事最初知らなくて苦労したな……
肥料として調合した後は別な素材、アイテム扱いになるので効果が消える事はないがそのまま放置しておくとなるとそれに適した環境下で保存しないといけないので物によっては保管するだけで設備が必要になるのでスゲーめんどくさい。
『最後に闇系ですね。こっちは光系よりもさらに希少ですがまぁ一応話しておきます。糞の形状は人とあまり変わりなく、何かめっちゃ黒いです。こちらも理由は分かっておりませんが、夜中には絶対見付ける事ができないくらい真っ黒です。効果は植物にストレスを与える事です。植物にあえてストレスを与える事で成長を促進させたり、病気に強くなったりします。完全に光系とは真逆の効果ですね。光系は純粋に成長、闇はストレスを与えての成長となります。ちなみにですが光と闇を混ぜただけでも結構いい肥料になります。保存方法は日光が一切入らない場所に保存しておくことです。日光に当てると灰になって効果を失ってしまうのでご注意ください』
保存方法に関してはモヤシなんかと同じだな。
光の届かない場所で保存。これだけ。
いや~最初運ぶときにそんなこと知らなくて持ち出したら途中で灰になったから驚いたわ。
効果も失ってただの灰だし、希少アイテムから一気に盆用アイテムに変わった時は泣いたよ。
『と言っても今回は火系のドラゴンの糞だけを使った肥料の作り方を実演します。まず初めに糞を程よくほぐし、ここに普段使っている肥料を糞の3倍混ぜ、一つまみ程度の鉄粉を入れます。鉄粉は植物への成長ではなく温度の維持のためです。火系のドラゴンの糞で作った肥料は一定の温度、60℃を維持する事で効果を高める事ができます。これにより連作被害を抑える事ができます。火系のドラゴンの糞の使用はこんな感じです。あとは……質問のある方はどうぞ』
あとは少し質問に答えればいいか。




