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6大大国会議始まりました

 会議場が完成した1週間後、6大大国会議は行われた。

 各国の代表者達が1番近い大国に集まり、そこからブラン達が開けた穴を通ってアルカディアに作られた会議場に入って色々言う。


『今回はパープルスモッグがなくなった事でどの大国でもない会議場を用意したと聞いていたので大した事ないと思いましたが、これはまた立派な会議場ですな』

『ええ。これほど広大な会議場が6大大国の他に存在していただなんて知りませんでした』

『噂では6大大国の代表たちがひそかに関係を結んでいる富豪が関わっていると言う話もあります。そのものが用意したと仮定しても、これほどの大きさと荘厳さを兼ね揃えた会議場はないでしょう』


 俺は今日の仕事を終わらせた後メニュー画面で会議の様子をうかがっていた。

 アルカディア内ならカメラなどを用意する必要もなく様子をうかがう事ができる。

 ちなみにこの場には俺の他にブラン、ノワール、ヴェルト、クレール、ルージュ、クラルテが同じように画面をのぞいている。


 会議に出る国王たちの中にグリーンシェルの王様達やライトさんの姿もある。

 普段俺が話しているような雰囲気は一切なく、王として、国の代表として堂々とした雰囲気と他者を威嚇する様なオーラの様な物が出ている気がした。


 そんな各国の王達が揃う中、最後に現れたのは今回の主役と言ってもいい国の代表、ホーリーランドの国王が現れた。

 前に1度だけアビスブルーで見た顔と同じだ。そしてその両脇には護衛か文官と思われる男性2人が王様の一歩後ろを歩いている。


「護衛はなしって話だが普通に連れてきてるな、護衛」

「当然だよ。何かあった時のための護衛なんだから連れてくるのは仕方ないよ。それに今回初めて来る正体不明の場所に来るから余計に護衛は必須、6大大国が責任を持つって事で納得してもらった様な物だから」

「そう言われると確かに。初めて行く場所になんの警戒もなく行くってのはバカがする事か。それにしても今回は正義君もアメ公も居ないんだな」

「だって1番重要なのは6大大国に混ざる事だろうからね、いきなり圧力をかけるよりも歩み寄る姿勢があるよって所をアピールしたかったんじゃないか?それに片方はまだ子供だから「子供を戦場に立たせたのか」って非難される可能性を避けたかったのかも知れないし、リアム・フォートレスはこういう場所に向いてないと思うしね」


 そう言われてみると確かにチートプレイヤー2人を連れて行くのは難しいかも知れない。年齢というどうしても偏見を持ってしまう点と、性格の問題点か。

 とりあえずホーリーランドの国王が座るとライトさんが厳かに話し始めた。


『ではこれより、6大大国会議を始めます。今回の議題はホーリーランドを6つ目の大国として認めるか、認めないかです』


 ライトさんはそうハッキリと言ってから会議は始まった。

 ついでに言うとこの議題は世界初の議題であり、6大大国と数えられる国が変わると言うのは想定外の話だった。

 なので今回の会議は何もかもが手探りであり、他の国が他国を飲み込んだ、と言う話とは違う内容となると言う。


 他の国、つまり6大大国以外の国で戦争をし、勝って他国を我が国としましたと言う時はぶっちゃけ他の国にその事をはっきりと伝えればそれで完了だ。それでも一応6大大国会議で正式に認められる必要があるらしいが大抵はあっさりと通る。

 だって戦っていた国はもう既に滅んでしまっているからだ。ただその戦争の際にちゃんと宣戦布告はしていたか、戦争とは関係のない民間人を虐殺していないか、などを調べるらしいがぶっちゃけどこまでが関係のない人、関係のない村や町だったのか調べるのは容易ではない。だから基本的にちゃんと宣戦布告をし、戦争のルールに沿って戦争をしたかどうかを調べる。

 何度も言うが敵対していた国はとっくに滅んでいるのでどんな勝ち方をしようがルール違反だから返してね、とはいかない。ただルール違反してたら他国からどんな風にみられるんだろうね?と言う脅し的な意味の方が強い。


 さて、そんな前代未聞の会議内容に関してだが、初日は特に会議らしい会議は行わないと聞いた。

 初日はホーリーランドの演説を聞くだけ、らしい。

 どのような大義でパープルスモックを滅ぼしたのか、その事を聞くだけらしい。あと勝った事で吸血鬼達が飼っていた奴隷達の今後や土地は今後どうするのか、そういった事を質問して終わりにするので今回は軽めだと言う。

 そして改めて明日みんなで会議と言う名の相談会だそうだ。

 日数は議題があまりにも大きく、重要なため1カ月かけて会議を行う予定だ。


「普通に長すぎじゃね?そこまで時間いるの?」

「それぐらい重要って事。6大大国はこの大陸の象徴でもあるから」

「アビスブルーは海上国家だけど?」

「元はこの土地の巨人族達が移住してきたのでこの大陸の者として認められているのですよ」


 そうクレールが言った。

 移住して元々はこの大陸の住人だからと言うのは真っ当な理由だろう。アビスブルーとしてもどの国ともつながりが薄いと言う状況はあまりよろしくないと思う。

 観光都市として名を上げているとは言え、どこにも所属していないのは不便だろう。


 そんな俺と神様たちに見られているとはつゆ知らず、ホーリーランドの国王は演説を始めた。

 まずは戦争を起こした理由。これに関しては吸血鬼と言う魔物が国を作り、しかも食人種ばかりを国に集めているのは脅威に感じたと言う内容。

 そして戦争で倒した物はほとんど吸血鬼であり、その奴隷として()()()()()()奴隷達に関してはほとんど捕縛すると言う形で保護したと言う内容。

 最終的に魔物を倒せたのは人間が今まで努力してきた象徴であると語った。


「……大袈裟」


 ホーリーランドの国王が演説している時にヴェルトがそう呟いた。

 まぁ俺も話を大きく盛り過ぎている気がするが、演説と言う物はこういう物ではないだろうか?

 演説をすると言う事はどれだけ自分の話が魅力的なのか伝える場所でもあると俺は考えている。だから話を少々大袈裟に語るのは仕方ないと思う。

 そして最後にこう言って締めくくった。


『私は最終的に魔物の居ない世界を作り上げる!人の世は、我々人類が作り上げるのだ!!』


 その発言に対して喝采を浴びると言う事はなかったが、様々な国にメリットを提示出来た様に感じる。

 実際様々な国がこそこそと話し合っているのだ。


『もし仮にだが、我が国に来て魔物を掃討してくれるのであれば安泰になる』

『魔物が減れば商人達もさらに出入りがしやすくなる事でしょう。そうすれば各国の連携もより密に行なえる』

『我が国に居るあの魔物を倒してくれるやもしれんな』


 どうやら好意的に受け取っている王様達の方が多い。

 まぁ魔物と言う危険な生物が蔓延っているよりも居ない安全な方がいいと言うのは当然かもしれない。

 けれど当然その話をうのみにせず警戒している国王も結構いるし、特に6大大国の代表はホーリーランドの国王の発言を毛嫌いしている。

 彼らは自分達が崇めている神を魔物だと知っているからな。もし神々も殺す気なのならどうしてやろうか、何て表情をしている気がする。


 特にひどい表情をしているのはカーディナルフレイムの代表者である巫女さん達。男性ばっかりの代表者の中から唯一女性だけで姿を現した。

 でも確か国王いたよね?国王が居るのに巫女が出るって事は巫女さんの方が政治的に上って事か?


「ところでルージュ。なんで巫女さん達がいるの?」

「彼女達はかなり優秀なの私の相手をしている事から戦闘能力も申し分ないし、政治的な地位もそれなりにある。それにこれは6大大国全部に言える事だけど神に仕えている者が偉い、みたいなジンクスもあるから」


 宗教国家ならそれでいいのかな?

 確かに見方によってはそっちの方が偉いような……


『それでは本日の会議を終了とします』


 ライトさんがそう言うとみんな帰っていった。

 そして残ったのが5組、ライトさん達にグリーンシェルの王様達、アビスブルーの巨人であるタイタスとエル、カーディナルフレイムの巫女さん達、最後にライトフェアリーのオベイロンとティターニアが残った。

 彼ら以外の国王たちが全員アルカディアから居なくなった後に俺は軽く迎えに行った。

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― 新着の感想 ―
[一言] 会議の始まりましたって関係のない傍観者がグダグダ話してるだけやん(笑)
2022/02/16 19:17 退会済み
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