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ジュラにアルカディアを見てもらう 中編

 歓迎として用意したのはいつものバーベキューだ。こういっちゃ悪いけど楽なんだよね、食材の仕込みをしてあとはその場で焼くだけだからすんごく楽なんだよ。魚介系も混ぜているし、野菜ももちろん入っている。人気はないけど。

 とりあえずみんなでワイワイ外で食べるとすればこれかな~っと思っている。

 まだ幼い子もいるし、部屋の中でお上品な料理を食べるよりもいいかな?って感じだ。


 予想通り幼い子供達には結構人気がある。大人組は普通に食事を楽しんでいる感じ。

 良い肉使ってる感じがするな~っと言う感じで子供達の様子をうかがいながら食べているが、今日はいつもとちょっとだけ趣向を変えている。

 ガブリエル達が押して持ってきてくれたのは移動させる事の出来るアイス用の冷蔵庫、アイス専門店とかでアイスを売っているあのタイプだ。冷蔵庫の中にいくつか丸い部分があり、その中にアイスが入っている奴。


 今回は女性が多いという事で冷たいデザート系を多めに作っておいた。

 他にもヨーグルトや、既に切ってあるフルーツ、様々なアイスなどが入っている。


「そろそろお肉とかも食べたでしょうし、デザートはいかがですか?」


 カーディナルフレイムでは野菜や果物は非常に高価だ。ホワイトフェザーやグリーンシェルではそんなに高くない野菜でも、カーディナルフレイムだと最低2倍の値段が付けられる。

 その理由は生産の難しさと輸送の難しさだ。

 一応カーディナルフレイムでも野菜などの生産は行っているが、首都に届けるまでが非常に長く、険しい道のりとなっているのでそれぐらいじゃないと元が取れない。さらに冒険者を雇っているとその人件費や依頼料などがさらに増すのでどうしても値段が高くなってしまうのである。

 それにより外国から入るフルーツの類はさらに高級品扱いになる。

 氷がし、つまりアイスなんてもってのほか。熱くて氷どころか水もすぐに蒸発してしまうような所で氷がどれだけ貴重な物か想像に難しくない。

 なのでやっぱりアイス、氷菓子が入っていることに気が付いた大人の女性人たちは驚く。


「これって、まさか……」

「色々味があるので好きなの選んでください。最近できたのはレアチーズ味です」


 とりあえず最近できた新しい奴を押しながら皆さんに食べてもらう。

 表情から察するに味は問題なさそうだ。基本的に新しい味は俺の舌が基本になってるから正直不安なところがあるんだよね。

 一応有名なチェーン店の味を再現しているつもりだが……うまくいっているとは思っていない。だってそういうのが本当に素人にできるとは思えないし、今まで料理は不味くなければいいやと大量生産しやすいチャーハンとかをメインで作ってたぐらいだぞ。

 繊細な菓子とかうまく作る自信はない。


「やっぱ菓子のほうが受け良いな」

「だってアイスですからね。熱い国出身で氷が貴重な国にこれは暴力的な魅力ですよ」


 若葉が新作のレアチーズ味を食べながら言う。


「ちなみに味どうよ?最終調整とかはガブリエルに任せてみたけど」

「少しチーズの味が強いかもしれませんね。あともうちょっとこのカリカリした奴が欲しいです」

「やっぱもうちょっと土台のカリカリほしいよな」


 チーズケーキ味の改良点を話し合いながらついでに聞く。


「ところでよくアオイがゲーム能力者だって分かったな。俺まったく分からなかったぞ」

「それもゲーム能力のおかげですよ。私は索敵みたいなのが得意なゲームなので」

「便利だよな~若葉のゲーム能力。アドベンチャー万能すぎるだろ」

「ドラクゥルさんには負けますよ。絶対ノワールさん達には勝てる気がしませんし」

「その代わり俺自身への恩恵は少なめだけどな。トレーニング室で体鍛えてもあまり効果なかったし」

「ルージュさんと試合した時の話ですよね?あの攻撃をずっと耐えられただけ十分効果があったように思いますけど」


 なんて軽く話をしてから本題に入る。


「で、いつの間にアオイと仲良くなってたの?」

「この間のマグマスラッグ退治のときです。あの時他の人達に比べて明らかにパワーがありすぎていたので気になって聞いてみたんです。そうしたら意外とあっさり教えてくれました」

「本当にあっさり教えてくれたみたいだな」

「それで後はこちら側についてくれないかと私なりに交渉して、今回の50人の仲間と一緒に国を出る手伝いをしてほしいという内容が出たんです」

「女性には結構厳しい感じだもんな。カーディナルフレイムの環境」

「だからジュラさんはかなり慕われているらしいですよ。女性達の味方だって」


 確かに街の顔といっていいぐらい女性達に慕われているからな。

 今目の前にある光景でもジュラが中心になっているし、全員ここに住むのもいいかな~みたいな相談をしている。

 俺は別に全員引き入れても構わないんだけどね。土地はまだまだあるし、家に関しては家族向けならレベル4か5ぐらいで十分だと思う。

 寮みたいにするとなると……数日はかかるかな。今は製作系のサイクロプス達や新しく生まれたグレムリンなどがいるので吸血鬼たちがパープルスモックに引っ越してくる時よりも時間はかからない。

 やっぱ家族が多いほど便利な機能が増えていくんだよね。


「そうなるとやっぱりパイプは繋いでおいた方がいいよな。定期的に果物卸すだけでかなりの好印象になりそうだ」

「フルーツを卸していいんですか?この世界では高級品だから自重しておく、みたいな事言ってませんでしたっけ?」

「そりゃね。グリーンシェルはこれから果樹園を広げていく事で国家事業を広げていく訳だから出来るだけ邪魔したくないって言うのもあるけど、流石にカーディナルフレイムまでは届かないと思うぞ。その前に腐っちまう」


 単純な距離と運送手段の問題が非常に大きい。

 この世界には車の様な便利な郵送手段はなく、冷蔵庫の様な保冷設備もない。一応魔法とかで袋の中に入れた物を一定の温度を保つという魔法の袋は存在するのだが、メチャクチャお高い。安い物でも小さな水筒1本分程度の水しか入らない袋で金貨1枚近くの値段がする。

 それを果物が傷まない様にするものを作るとしたら相当高くなるだろう。メロンとかの硬い皮に守られている物ならともかく、イチゴとか桃とか柔らかい物だったら絶対にアウトだ。

 だから輸送費や輸送手段という点でグリーンシェルからカーディナルフレイムまで果物が送り届けらる事はないだろう。

 だから俺が果物を渡しても問題ないという事だ。


「そうかも知れませんけど……普通に高級品なのにカーディナルフレイムじゃ超高級品扱いですよね。迷惑になりませんか?」

「お客に出すんじゃなくて自分達で食べる程度なら問題ないんじゃないか?流石に毎日食う様な物でもないだろ。リンゴとかミカンみたいな感じじゃない限り」

「超高級品をそんなお手軽に食べれるとは思えませんけどね」


 何て言いつつアイスを食べ終えた俺達。

 やっぱ場所によって高い安いは変わるね。当たり前だけど。

 食後のデザートを食べ終えると女の子達はまた探索を始めた。俺達は彼女達が変な所に行かないように見張っている。

 今回は海を見た事がないから海を見たいと。

 その道中でもジュラとアオイと話す。


「どうです?ここの第一印象は」

「素敵な所ですね。吸血鬼が目の前にいるのには驚きましたが、食事も素晴らしく、フルーツまで食べられるとは思いませんでした」

「流石ジャパンクオリティ!品質が半端ない!!」

「どうもです。でもここに住むとなると無理に移住する必要はなさそうな気がするんですよね」


 俺がそう呟くと2人は不思議そうに首を傾げるので説明する。


「俺がこのアルカディアに入るために空けた穴、実は入った場所にしか開ける事が出来ないんですよ。だからその特性を利用して子供達は職場に向かっています。ですからここで預かる子供達はここで暮らしながらジュラの店で働く事も可能ですよ?」

「ですがドラクゥルさんが帰ってしまうと出入りできないのでは?」

「その辺りは俺が育てた魔物達と一緒に出入りすれば大丈夫ですよ。俺以外の人間に出入りする許可は出せませんが、魔物達には出来るのでその子達と仲良くなったら、ですかね」


 俺がそう説明すると2人は少し考えだした。

 移住と言うのはかなりのリスクがある事だし、何より移住させたい女の子達はまだ幼い。俺個人の見解としては高校卒業したぐらいの年がいいのではないかと思う。それでも心配なら大学を卒業したぐらいの年かな?

 俺がそう考えているとジュラは言う。


「私としては……その方が安心出来ます。カーディナルフレイムはあまり治安がいいとは言えませんから、こちらの方が安心して住めると思います。あとやはり幼いとまだ仕事を選ぶ事は出来ませんし」

「でもやっぱり外の世界は体験させておいた方がいいんじゃありませんか?将来的にはどこかに移住させられるようにはしておきたいですよ。ジュラさんだってこれから見に行く海とか初めてなんでしょ?」

「そうだけど……やはりある程度成長していないってだけで信用を得られない事はあるもの。幼いだけで下に見られたり、理不尽な事を言われたり、足元を見られたりするから、もう少し成長してからが好ましいわ」


 そうジュラとアオイが話し始めたので俺は答えが出るまで待つ事にした。

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