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プロローグ

 ゲーム名“魔物の楽園(アルカディア)”と言う賛否両論のゲームが存在した。

 ゲームジャンルで言うと箱庭ゲームと言う物であり、ゲーム内のモンスターを育成し、進化させるだけのありふれたゲームだ。

 それだけならどこにでもある様な内容だが玄人向けと言われ、中途半端に遊ぼうと思うと絶対に続かないゲームである。


 その理由はモンスターの育成条件、進化条件が厳し過ぎた事が原因だ。

 例えばゴブリン。ゲームでもマンガでもメジャーなモンスターだが上位種族を誕生させるにはまずゴブリンを100体育てないといけない。その中から最もステータスの高いゴブリンがゴブリンキングとなり、その後ゴブリンソルジャー、ゴブリンナイト、マジックゴブリンなどなどがようやく派生して生まれる訳である。

 あくまでもこれは一例だがそう言った弱い種族は一定数以上の同種族を育てないとダメとか、育成環境のために海や川を繋げないとダメとか、火山を作らないとダメだとか色々と細かいのが原因でこのゲームを投げ出す理由となった。


 そんな1部から細かすぎてクソゲーと言われる中で暇人な俺はとりあえずプレイし続けた。

 オンライン状態にも出来るが俺はオンラインにしないで遊び続け、いつの間にか火山や海、箱庭にしては広過ぎない?これもう大陸のレベルだよね??っと言う感じでプレイし続ける。

 その結果俺は全モンスターを育成する事に成功し、図鑑を全て埋めると言う偉業を成し遂げた!!


 その瞬間だけは俺も思わず拳を上にあげて後ろに倒れた。

 何せ図鑑をコンプするのに手探りで行なっていたため、3年間も時間を費やしたのだから。

 本当はもっと早くに音を上げて攻略サイトを見たのだが……だ~れもコンプさせるつもりなどなかったらしく、手探りで育てる事が出来たモンスターたちの時点でサイトの方は凍結していた。

 何カ月も前に更新されていないサイトを見て、あ~これからも手探りか~っと落ち込みながらプレイしたのを俺は忘れない。


 だがその分満足感があったのも事実だ。

 ゲーム状の設定として寿命システムが存在し、群れを築かないと進化出来ないモンスターが後1体の所で寿命で数匹死んでしまったり、途中で病気になったモンスターの治療を探し回ったり、バットステータス状態にしないと進化出来ないモンスターに対して罪悪感を覚えたり、苦労して育てた上位種が寿命で死んで悲しんだりと色々あった……

 だが全図鑑を埋めて見事偉業をやり遂げたので全員でスクショを取った。

 中心に俺、そして周りには最上位種となった事で寿命が他の魔物より非常に長くなった初期からのメンバーに囲まれて、最後にみんなに愛されながら最後の1種として進化できた可愛い子をみんなで祝福した。


 これから先はのんびりと育成しながら適度にプレイしておこうと思いながら俺はこの日、眠った。


 ――


『突然で悪いが君達に世界を救ってもらいたい』


 ………………寝ていたとは言え変な夢を見る物だ。

 夢の中だからか、そう話しかけている相手が男性なのか、女性なのかすら分からない。

 しかも俺自身の他にもう5名ほどいる様だが、体形で何となく大人か子供かぐらいまでは分かるが……こちらも全く分からない。

 まぁ夢なんだから適当なのは仕方がないだろう。


 大人と思われる誰かが話しかけてきた誰かに指を突き付けたり色々動いているが……何と言っているのか分からないので俺はどう反応すればいいのか……

 唯一声が聞こえる存在は俺達に向かって言う。


『突然で状況が分かっていない者、状況を理解して憤慨する者、理解しても穏やかな者と色々いるが申し訳ないがこれは決定事項だ。君達はこれから異世界で世界を救ってもらう』


 またそれか……俺にまだ子供っぽい夢を見るとは思ってなかった。

 寝る前にライダーの動画を見たのが原因か?それとも俺の中にまだ英雄願望の様な物があったとか?

 正直俺に英雄願望なんてないと思ってなかったんだけどな~


『そして当然だが君達に力を与える。その力をどのように使うかは君達次第だが……世界を救うために使って欲しい』


 何て言ってその存在から光の球の様な物が飛び出し、俺の胸の中に納まった。

 これが力?使い方も力を得た感じも全くないのだが?

 そう思いながら力を渡した存在に視線を向けると、存在は言う。


『突如力を手に入れたと言っても使いこなすのは容易ではないだろう。なので君達の力は君達が得意とするゲームをそのまま力として発現するようにした』


 ………………つまりゲームキャラ転生?

 え、でも俺が遊んでるゲームってフルダイブ型VRとか言うオーバーテクノロジーのゲームなんて存在しないんですけど。普通に画面見ながらコントローラーで操作してるんですけど?

 それに何のゲームなのか教えてくれてない……


『君達の力が被らない様にジャンルごとに分けさせてもらった。アクション、RPG、シミュレーション、アドベンチャー、シューティングの5種に分かれる。みなで協力するもよし、1人で救うもよし。その世界の最善を考えて救って欲しい』


 救え救えって具体的な方法はないの?

 悪い魔王とか、世界征服を目指す悪の組織とか、そう言う連中を倒すみたいな具体的な目的。


『そして君達が死んでも元の世界で復活する様にしてあるので恐れず進んで欲しい。その代わり異世界での記憶に関しては忘れてもらうが』


 あ、死んでもベッドの上って事ね。

 あれ?死んだら当然ベッドの上に居るもんじゃないの?


『さぁ行け!!異世界を救う旅へ!!』


 言いたい事だけ言って説明なし!?なんだこのグダグダな夢は!!夢でも、もうちょっとまともな夢があるでしょ!!

 より詳しく説明しろー!!

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