(05)花開きの今宵
これまで長らくまともに異性との出会いがなくお互い淋しく過ごしてきた仲だった五嶽と川崎が同じアパートに住んでいるという超奇跡的偶然な縁から結ばれ、2人は今、五嶽の部屋でお話をしているところ。
川崎「五嶽さんが買ってきてくれたジュースとってもおいしかったよwwおかげで気持ちがスッキリとしちゃったわ~」
五嶽「それはどうもありがとうございますねww私も今日、このアパートでまさか川崎さんという可愛い女の方と出会えるとはもう夢にも思ってなかったくらいでしたからww」
川崎「一口に見知らぬ男女が出会えて知り合いになれるチャンスも、私も知らない方法としてだったらいろんな方法があったのでしょうけども、まさか同じアパートに住んでた人同士という縁で結ばれたという変わった方法での縁結びもあるのですね?ww」
五嶽「あ、そうそう。私、このアパートに戻ってくる前、図書館の中で大学生カップルの姿を見かけてしまい、また慌てて外に飛び出て入ったコンビニでジュースのほかにポケットサイズのお菓子とかおにぎりも買ってきたから、もしよかったら川崎さんにも分けてあげますよwww」
川崎「じゃあ、私はポケット菓子を3個とおにぎり2個もらっちゃおうww」
五嶽「どもねwwありがとうございますねww」
川崎「ところで、五嶽さんのお仕事がお休みの日っていつになるのでしょうか?」
五嶽「私は工場の勤務予定は勤務シフトによって決められてるので、どの日が休みになるのかは必ずしも一定じゃないのです。例えば最大でも3連勤はありますが、一方で2連休って言うのもあるのですよ。ちなみに今日は、私の勤務シフトでは2連休のところに当たってる日の1日目です」
川崎「私も、会社員ではあるのですが、お仕事が休みになるのは必ずしも土日とは限らず、平日でもお休みになることがあるのです」
「五嶽さんって、今日、お仕事が2日続けてお休みになるところの1日目なんですか~?それはとっても嬉しいですよね~?」
五嶽「今日、たまたま2連休の1日目ですが、この2連休が明けてもまた1日仕事したらまた今度は1日だけなのですが休みがあります」
川崎「私は明日はまた仕事なんですけども、今日、せっかくこのアパートでまさかの彼氏になってくれるとは思いもよらなかった五嶽さんと出会えたことだしww今晩の晩ご飯、どっか食べに出かけない?」
五嶽「それ、いいですね~ww私もまたこれまで長らく1人『ぼっち』でこのアパートで暮らし続けてきたわけでそんな『ぼっち』がわざわざ晩ご飯食べに外へ出たりする勇気なんてないものでねww」
「でも、『ぼっち』でも何とかは楽しめる場所はあるもので、私がよく使ってる各駅停車しか止まらない駅前にある居酒屋は店員さんの雰囲気がいい上に夕方を過ぎてからの時間帯でも『ぼっち』でも気軽に入れるほどですよww」
川崎「私も、この街へ越してきて今まで7年間、一度も『晩ご飯食べに』外へ出かけることなんてできるわけなかったですから、今日、初めて五嶽さんがようやく『私の彼氏』になってくれたおかげで2人ともに外へ『晩ご飯食べに出かけて』も怖くなくなったわけですよね~?ww」
「五嶽さん。私、今、まだ仕事に着て行く装いのままなんだけどもちょっと私のお部屋に行って着替えてきてもいいかな~?」
五嶽「あ、そうでしたね~。川崎さんの今の格好はまだ『会社で仕事してる』雰囲気の装いだから『帰ってきてからの気楽な』雰囲気の装いに着替えてきたほうがいいですよww」
川崎「じゃあ、ちょっと着替えてくるから待っててね~www」
川崎は一旦、自分お部屋に戻り、20分もしないうちに装いを改めて再び五嶽の部屋に戻ってきた。
川崎「どう、五嶽さん私のこの装いお似合いでしょうか?」
五嶽「wwすごく似合ってますよ。川崎さんww」
川崎の装いはこれまでの会社帰りだった装いなグレーのスーツ+パンツから黒の薄手の上着+灰緑色のスカートに黒のレギンスを履いた装いに衣替えして五嶽の部屋に帰ってきた。
五嶽「スカートにちょっと長めのスパッツっていうのすごくお似合いですよww」
川崎「本当?wwwじゃあ、五嶽さんと一緒に過ごす時はいつもこんな『スカート+レギンス』ってゆう服装がいいくらいですよね~?www」
五嶽「wwwそうですよね~。それだけこの着こなしはよく似合ってると思いますよ?ww」
川崎「wwそうなんですか~?私が今着替えてきた『スカート+レギンス』の装い五嶽さんとっても気に入ってくれたのですか~?それはとっても嬉しいわ~ww」
「ところで五嶽さん、今から晩ご飯食べに出かける前にこれだけ決めてきませんか?」
五嶽「は?何でしょうかね~?」
川崎「www」
五嶽「今から決めてほしいことって?一体何ぞやww?」
川崎「そう、これから2人で仲良く過ごしていく時にお互いに親しめる名前で呼び合いたいでしょ?」
五嶽「あ、それですか?2人の間でのお互いの呼び合う名前を決めたいのですね?」
川崎「wwwそうそうwwwwwこれですよwww」
五嶽「川崎さんはどう呼ばれたいのでしょうか?」
川崎「私は下の名前が『葉月』だから五嶽さんからは『ハヅキちゃん』って呼ばれたいですね~www」
五嶽「じゃあ、川崎さんのこと私からは『ハヅキちゃん』って呼ぶことにしますねwww私のほうはどう呼んでほしいのでしょうか?私の下の名前は『拓哉』だけにね?www」
川崎「じゃあ、五嶽さんのこと、私からは『五嶽』と『拓哉』をかけ合わせて『ゴタクちゃん』ってどう?」
五嶽「わあ~、それとってもいいわ~『五嶽拓哉』を略して『ゴタクちゃん』。まるである男性アイドルグループメンバーのある人の呼び方みたいですね?www」
川崎「じゃあ、これから2人の間で呼び合う時の名前、『ゴタクちゃん』と『ハヅキちゃん』ってゆうことにしましょうねwww」
五嶽「そうですよね~www私は『ゴタクちゃん』って呼ばれま~すwww」
「2人の間でお互いに呼び合う名前を決めたら、晩ご飯食べに行きましょうか?」
川崎「そうですよねwwでも、いつも『ゴタクちゃん』が使ってる各駅しか止まらない駅のほうってスーパーとか居酒屋が2~3軒くらいで、私たち2人が楽しくご飯を食べられるようなファミレスとかってないですよね?居酒屋じゃ、親父臭くてね?www」
五嶽「じゃあ、快速も止まるほうの駅のほう行ってみません?そこだったら何かはありそうですからね?wwといっても、私、快速も止まるほうの駅にはあまり行かないから、その辺のお店のことあまり詳しくないけども、まぁ、とりあえず行ってみましょうか?」
川崎「本当?じゃあ、そっちの駅のほうへ行ってみましょう」
2人はアパートの五嶽の部屋を出てからアパートの前の市道を快速も止まるほうの駅へ向かって歩き始めた。市道の横の線路にはちょうど夕方の帰宅時間帯になり短い間隔で各駅停車なり快速なりの通勤電車が、そして「帰りにゆったりと座りたい人」のための全席座席指定の特急はやや長めの運転間隔でひっきりなしに走っている。
五嶽「それにしても、私、生まれて初めて彼女になれた女の人と一緒に歩いてるの?」
川崎「私も『ゴタクちゃん』と一緒。これまで私、この街に越してきてから7年間も1人でこの街を歩いてきたのだから、今日、まさか私の住んでるアパートで、同じアパートに住んでるという縁から『ゴタクちゃん』と出会えただけでも私とっても嬉しかったわ~。それで今、早速出会えたばかりの彼氏な『ゴタクちゃん』と一緒に歩くことができてwwようやく夢が叶ったのですよね~?」
ここで川崎は五嶽に寄り添ってきた。
五嶽「どうしたのでしょうか?『ハヅキちゃん』?私に寄り添ってきちゃって?ww」
川崎「これまで1人でずっと淋しい思いをしてきて、ようやく今日、出会えた『ゴタクちゃん』が何だか温かそうで寄り添っちゃったわww」
五嶽「どう?『ハヅキちゃん』私って温かくて優しいでしょ?私、『ハヅキちゃん』のこと優しくしてあげようwww」
川崎「そうなの~。やった~。それは私とっても嬉しいわ~ww」
五嶽「今日の昼過ぎ、この公園まで歩いてきたのですよね?しかし、この時はまだ私は『ハヅキちゃん』とまさかの出会いを果たす前でしたから1人『ぼっち』でして・・・」
川崎「それで、『ゴタクちゃん』はこの公園でどうしたのでしょうか?」
五嶽「まさか平日の昼間って言うのに私が座ろうとしてたベンチのすぐ隣のベンチでカップルがイチャついててね・・・これじゃ~気分転換にもなりゃしないわってそこから退散しましたよ」
川崎「私も、『ゴタクちゃん』と出会うつい数時間前までは彼氏もいない1人『ぼっち』状態だったからその気持ち『ゴタクちゃん』と一緒。公園もちょっと怖くては入れませんでしたよ。いくら平日の昼間といえどもカップルの姿がいそうだっただけに・・・」
「ねえ、『ゴタクちゃん』。私とせっかく出会えた彼氏だけにちょっと『ゴタクちゃん』と手をつないでみたいわ。『ゴタクちゃん』の仲の良さを確かめてみるためにね?www」
五嶽「どうぞ、つないでもいいですよwww『ハヅキちゃん』との仲の良さとか手の温かさをちょっと確かめて見たかったのです?あと、ついでに『ハヅキちゃん』私の左側にきてみてください」
川崎「私が『ゴタクちゃん』の左側に・・・?左側って車道の反対側ですよね~?ってことは、もしかして私のこと守ってくれるのでしょうか?」
五嶽「はい。そうですよねwwせっかく出会えた彼女だけに私は『ハヅキちゃん』のこと守ってあげたいですww」
2人が住んでいる同じアパートで偶然の出会いを果たしてからまだ数時間も経っていないところで五嶽が川崎を守るようにして手をつないだ。
川崎「『ゴタクちゃん』の手ってこんなに温かいんだ~?」
五嶽「私の手ってとっても温かいでしょ?ww」
川崎「こんなに温かい手とつなげるの私生まれて初めてだわ~」
五嶽「私も実家にいる時に大きくなってきてから妹とちょっと手をつないで歩いたことがあったけども、こうやってまともな意味での彼女と手をつないでというのは私もまた生まれて初めてかな~?」
川崎「『ゴタクちゃん』の妹って『ゴタクちゃん』とは仲がよさそうですよね?確かさっき、アパートにいた時に2人でお話してた中で『ゴタクちゃん』が妹とメール交換してて妹も楽しんでるって聞いてるのでね?」
五嶽「はい、私の妹はまだまともな仕事をしてないだけに私が昼間にメールしてもきちんと返信されてくるくらい『メル友』的なところが愛らしいですね?私がこの街へ引っ越してきた当時、最初の頃はよく私のアパートに妹が遊びに来たこともありました。でも、ある日突然、妹が私のところへ遊びに来なくなってしまってから私は突然、孤独感に襲われ、それからアパートと勤めてる食品工場の行き来もしんどくなって来たりしたのです・・・川崎さんも私と同じように私と出会えるまでは孤独感に悩まされてたのでしょうか?」
川崎「はい。『ゴタクちゃん』の仰る通り私も、この街に来てから全然出会いもなく今日、ついさっき『ゴタクちゃん』と出会えるまでずっと1人で淋しく『ゴタクちゃん』の言ってる通り孤独感ばかりの毎日で、これでアパートと会社の往復ですからもう毎日が辛かったです・・・今日、本当に良かったです『ゴタクちゃん』とまさかの出会いがアパートで起きたことが、未だに奇跡的な感じです」
五嶽「そうですよね~。私たち2人はまさしく『思わぬ奇跡が呼んでくれた出会い』で結ばれた仲ですからね?ww」
川崎「www」
やがて2人は快速も止まる駅の近くまでやってきて線路と交差している幹線道路を越えさえすればもう駅の前というところ。線路と交差している幹線道路は交通量が多い上に線路とも踏切で交差しているために電車の本数がただでさえ多いラッシュ時間帯ともなればこの踏切の近くで大渋滞が発生することは日常茶飯事のこと。2人が歩いている市道は幹線道路とは信号を渡れば通り抜けることができるが、やはり幹線道路のほうが交通量の多さから青信号の時間は長い。
五嶽「私、本当にたまになのですが、こっちのほうの駅で降りてアパートまで歩いて帰ったことがありますが、それにしてもこの道、交通量が多い上に線路とも踏切で交差してるから特に電車の本数が多い時間帯はこの道大渋滞が起きてしまうのですよね~?」
川崎「私も、こっちのほうの駅は人が多くて精神的にしんどいから『ゴタクちゃん』と同じように一つ先の駅まで各駅乗ってるからあまり使わないけども、それにしても夕方になるとこの道線路を踏切で渡るからすごい渋滞になっちゃうのですね?クルマを運転してる運転手さん、いつもご苦労様です」