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超ボロアパートから結ばれた縁で  作者: 築50年もの大歓迎ボロアパ物件研究所
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(01)私は五嶽拓哉です

とある大都市近郊都市を突き抜けるようにして走る大手私鉄の幹線路線メインラインの線路の目の前にあるアパートに、今回の物語の主人公は住んでいる。彼の名前は五嶽拓哉ごたけたくや、1992年6月生まれで2020年4月では27歳。食品加工工場フードプロセスプラントで働いていて、19歳の時、繁忙期アルバイトでこの食品加工工場で働き始め、以降その職場が気に入ったためにアルバイトからそのままパートへ転換して働き続けるようになり、今年でこの職場での仕事も7年半になる。五嶽は19歳の頃アルバイトとして通っていた時代、実家から直接、職場まで通っていたが、何せ実家からだと通うのに片道だけでも1時間以上、往復で2時間半もの無駄な時間を費やしてしまう上に体力的にもこの1日に2時間半もの無駄な時間はきつく、五嶽はもっと職場に近い地域に住むことを希望。両親や仕事仲間らに相談の上、20歳になる前の2012年のゴールデンウィーク前に今のアパートへ引っ越してきたのである。


五嶽が今暮らしているアパートはもうバルコニーのすぐ先は線路が敷かれている鉄道用地で、この路線は本数も多く1日中電車の音が騒音となって五嶽もいくら電車は便利とはいえその便利な乗り物からの騒音に悩まされている。


まずここで、五嶽についての紹介をしよう。五嶽は先に書いた通りに2012年のゴールデンウィーク前からこの線路沿いのアパートに引っ越してきて、そのアパートの1階部分の1室が五嶽の部屋である。軽度の知的障害を持っていて障害者手帳を所持していて、実家には両親と長女(24)と次男(22)がいる。自称イケメンと思っている上に性格は優しくて親切で温厚だが、時としては当たり散らす面も見られるようだ。趣味はIT関係、音楽鑑賞、料理で特に彼の手作りする料理には素材まできめ細かくこだわっているほど。服装には真夏の時期以外に上着に赤系のものを着るのが好みで特に赤と黒のブロックチェック柄はとりわけお気に入りというほど。下に履くものでは迷彩柄のカーゴパンツや某ブランドの色褪せたブルーのジーパンが特にお気に入りだ。


そんな五嶽に最も悩ましいことがあるのだ。それは人生これまで27年間もの間、まともに彼女に出会える機会チャンスに恵まれたことがなかったということだ。五嶽自身もあらゆる形で「気の合う彼女になってくれる女性の方と出会える」方法を模索していたが、よくネットの広告とかにもう出てくる時は嫌になるほど出てくるマッチングサイトや結婚相談所などへ利用を申し込んでも「現状の収入では入会できない」とか「障害を持っている方のご入会はお断りしている」と門前払いされ、さらには五嶽の住んでいる自治体の障害者団体が主催となって開催されることがある障害者向けのお見合いパーティーも五嶽が申し込む都度、申し込んだタイミングが遅めだったのか男性の参加可能枠が埋まってしまい抽選に落選し、これもあえなく断念。もう、これ以上「彼女と出会える機会」は尽きたと五嶽は考え、諦めたことがあった。


このようにこれまで全くまともに出会いのなかった五嶽は今の職場へ勤めるようになり、「自宅と勤務先の道沿い」がどのようなものなのかがわかってきたところで職場への通勤が近くになった割にはそれほどに楽には感じてこないことはもちろん日常生活でも自分から積極的に外出することもままならなくなってきていることに気が付いた。





ある日の仕事帰りのこと。五嶽はいつも通り17時に定時に仕事が終わり、これから帰宅の途に就くわけであるが、職場の送迎バスに乗るまでの分にはそれほど精神的にもしんどさは感じられてこない。しかし、送迎バスで約15分ほど乗って駅に着き、これから電車に乗り自宅アパートの最寄り駅まで帰るところになると精神的にかなりのしんどさを覚えることがある。五嶽は今に至るまでまともに異性と出会える機会に恵まれずにこの時もまだ、彼女がいないいわゆる「ぼっち」状態で五嶽の目線は常に周囲のカップルの姿のことで敏感で、電車に乗っている時はもちろん、スーパーなどでの買い物をしている時もそのことで精神的に辛い思いをしている。でも、こういった電車の中やスーパーの店内といった場所を何とか切り抜けなければ仕事に通えないし、また日常で食べているものも入手できなくなってしまう。


時には職場の行き帰り、カップルの姿を頻繁に見かけて非常に辛い思いをし帰宅後泣きそうになったことも?五嶽は職場への通勤には比較的利用客が少ない各駅停車を選んで乗っている。時間はかかるけども精神的にも座って目的の駅まで目をつぶり俯いて過ごすことができるからである。そして、住んでいる地域での使っている駅はアパートの所在している位置がちょうど駅と駅の間付近で、職場のほうから見て手前側の駅だと快速も止まるので利用客が多く、精神的にもしんどく感じられてくることから五嶽は敢えてアパートの前を通り越して隣の各駅停車しか止まらない駅まで電車に乗っている。実はこちらの各駅停車しか止まらない駅のほうがアパートまでやや近かったりもするのだ?やはり各駅停車しか止まらないだけに駅の前も快速が止まる駅前ほどには店の数も少なくせいぜい駅の改札前に銀行バンクの無人ATMコーナーや食料品程度を扱うスーパーがある程度でほかは居酒屋や昭和時代の雰囲気が残る雀荘などが2~3軒あるほかは典型的な在来地区の街構えである。(03)の話で登場する市民図書館ライブラリーはこの駅から行ったほうが近い。五嶽が銀行でお金を預けたり下ろしたりする時、窓口まで足を運ばなければならない用事がない限りはこの駅の改札前にある無人ATMコーナーを利用している。


帰宅時、いつも利用している駅で電車を降りた五嶽はまず、アパートに帰り着いてからの食料を調達するために改札を出たら駅前にあるスーパーに入り、この日の夕食になるものや買い置いすれば便利なもの、その他生活必需品を買い込んでいく。五嶽の帰宅時間帯、スーパーの店内ではあちらこちらで値引きシールが貼られて定価よりもお得に買うことができ、五嶽の財布から大量のお金が飛んでいかない格好の機会である。かくいう五嶽もスーパーの値引き商品には目が鋭く値引きシールが貼ってある商品を見かけたら即刻スグに買い物カゴへ投入。もし、五嶽の目の前で値引き品が他の人に取られてしまったら五嶽はガッカリしてしまう。


線路沿いの片側1車線はある一般的な市道を少し行きしの電車の乗っている方向へ戻る形で歩き住んでいるアパートに帰り着く。アパートの1室に帰ってきた五嶽はその日にもよるのだが、まずはアパートのすぐ目の前を走る電車の騒音とともに1日の疲れを癒すために浴室で一風呂し、夕食は仕事で疲れて帰ってきてからまた料理する気力もなく、駅前のスーパーで買いこんできた総菜ものコーナーで売られている弁当やおにぎり3個と総菜ものを1~2皿、さらにはスナック菓子1/2量分を1杯の飲み物とともによく食べている。





五嶽の働いている食品加工工場は住んでいるアパートの所在している地域の最寄り駅からアパートの目の前を通っている鉄道路線を使い各駅停車で6駅、所要時間10分弱、快速利用で2駅、所要時間6~7分間行ったところの駅から送迎バスに乗って15分程度のところにある。



次話で今、五嶽が暮らしているアパートについて書いていきたいかと思う。




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