傲慢な彼女と、控えめなボク。
「だから何で……言い返さないのよ!?」
叩き付ける机が、激しく震えた。
激昂する彼女に対して、縮こまるしかなくて。
否はすべて自分にある。
悪いのは私だ。
「ごめんなさい……」
額に冷たい。
滲みよる、どうしようもなさ。
決して、彼女に対して裏切りなどはなくって。
ただ、謝り尽くす。
翌朝には機嫌も回復されていたハズだった。
だが、思いもよらなかった結末に。
正直、嘆くしかない。
いたって、冷静な文面が心を抉る。
たった三文字の痛切な文字。
『離婚届』。
新年早々、すべてを失って、やり直したくなったその先。
何処からともなく聴こえてきた、囀ずりはホロッホー。
鳩になど、わかるべくもなかっただろう。
実体験では、ありません。
いや、マジで!