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世界改変 ~アップデート~  作者: 、、、、、
2 火国騒乱編
46/246

046_他国侵略戦4 方針



 火国の動乱から一週間が経ち、戦後の混乱もかなり沈静化した。

 食料は禁城からそれぞれの都市や町にピストン輸送し、十分に行き渡った。

 怪我人などの治癒も無事に終わった。

 人々は元の平穏な生活に戻りつつあるという報告が上がってきている。

 でも大事なのはこれから。

 そのこれからの事について話し合うため、各国の代表との会議が開催された。


 会議場へ入ると、各地の王たちが跪いていた。

 なんだろう、この空気は。

 どうしたのかと聞けば想定外の回答。


「ラシル様、この者たちはラシル様に忠誠を誓い、属国になりたいとのことです」


 マジか。


「本当か?」


「是非とも配下に加わりたい所存」と木国の王。


「偉大なラシル様、我々をお導きください」と水南のオキサイド。隣には水西のフォリオまで。


「あなた様のお力は中央の皇帝すらも凌ぐものと思います。ぜひとも我らの忠誠をお受け取りください」

と、土国都市の代表2人。


 うーん。

 別に覇道をめざしているわけではないんだけどね。


「別に忠誠を誓わなくても、これから滅ぼそうとか危害を加えようとか、そういうことはしないんだよ?」


「はい」


「今回は特別で、火国のためっていうのがあったから」


「恐縮です」と身震いして答えるレイラン。


「本当にいいの?」と、問うと「もちろんです」、「二言はありません」、「精一杯尽くしたいと思います」

という回答。


 うーん。

 いいのかなぁ。

 一応みんな国の代表とか、都市の代表なのに。

 ちゃんと理由は聞いておいたほうがいい。

 やっぱり条件が違いましたとかだといけないから。


「その、どうして支配下に入りたいと思ったの?」


「恐れながら、私からご説明申し上げます」


 代表で話し始めたのはオキサイドだった。






 会議の3時間前。


 この日の会議に参加するため、各国の代表はラシルの禁城に集まることになっていた。

 転移術で送迎をしてくれる神仙に頼み、開始時間よりも数時間早く到着。

 会議室の一室を借りて、各国で対応と今後の方針を協議する予定だった。

 オキサイドも都市の主だったもの達と議論をして、至った結論を持ってきた。

 

 ラシルとの会議前に集まったは、関係各国と各都市の全員。

 水国からは水南のオキサイドと水西のフォリオとその摂政。

 木国からは中央の国王と木北の領主。

 土国からは火国と同盟を結んでいる2都市の代表。

 火国からも女王レイランとレイリン、それに大臣シュウライ。


「では、会議を始めます。司会はこの私、水南のオキサイドが務めさせていただきます」


「我らはもう決めている。ラシル様の下につくと」

 開始早々発言したのは土国の都市の代表だった。

 全員の目が向けられた。


「土国の2都市、その両方という認識で間違いないですか?」


「間違いない」


「理由をお伺いしても?」


「ラシル様は強者だ。我らに都市に最も近い朱雀帝よりも、桃源郷の皇帝よりも。その証拠に、ラシル様の配下の者を見れば一目瞭然だ」


「具体的にお伺いしても?」


「この禁城まで我々をお送りくださった方は神仙である。皆も知るとおり、仙界において、五大国の王は最高でも道士か真人。四帝は仙人。桃源郷の皇帝はその上の大仙人レベルだと聞く。しかし、ラシル様の部下の方は神仙に到達されておる」


「桃源郷の戦力は不明です。あそこは謎が多い」

 発言したのは水西の摂政だった。


「確かに。しかし、その神仙の方が仰っていた。禁城の住民は全員、最低でも神仙で、さらにそれよりも強くなる。そして幹部はもっと強く、ラシル様に至っては、幹部よりも強いと」


「レイラン殿はもう既にラシル様にお仕えすると決められていると聞く。本当の所はどうなのか」

 発言したのはまた水西の摂政。


「ラシル様の御力は底が知れない。私が大仙人まで進化したのに、まだこの禁城で一番弱いのだ。あまり良い言葉ではないが、我々の国でいうところの雑兵で神仙レベルなのだ。信じられないことに」

 レイランは自信を持って宣言した。


「レイラン殿の言う通り、我ら2都市は土国ではなく、ラシル様に忠誠を誓う」


「木国も同じじゃ」

 

 ここで初めて木国の王が口を開いた。


「我らは戦を好まない。火国には本当に申し訳ないことをしたが、それは我が国の本意ではないのじゃ。この場を借りて、深く謝罪する」


「木国殿。もうそれは良いのです。木南都市もラシル様の御力によって滅ぼされたのですから」


「うむ。それで我が木国じゃが、もちろんラシル様に従う」


「それは、どうしてでしょうか」

 オキサイドが冷静に問う。


「ここのご飯が美味いからじゃ」


「は?」


「じゃから、ここのご飯が……」


「いえ、木国殿、本当にそれが理由なのですか?」


「ラシル様は確かにお強い。安全保障の面でいえば、ラシル様につくのが間違いない。しかしな、強い者の所には必ず争いが起こる。儂は争いが嫌いじゃから、本当は中立が一番良いんじゃ。しかし、ラシル様の所の飯が美味い。これは非常に大事なことなのじゃ」


「確かに。この前食べたビュッフェというのは素晴らしいものでした」


「オキサイド殿、ビュッフェとは料理の固有名称ではなく、形式の事を言います」

 レイリンがしたり顔で訂正に入る。


「そ、そうでしたか」


「とにかくじゃ。ラシル様には我々にない者がある。それは力であり、食であり、つまり文化じゃ。儂の国はラシル様に従う。これはもう決定事項じゃ」


「木北の都市も同じ意見ですか?」


「我々は王に従うまで。何も異論はございません」

 木北の領主が答えた。


「では、水西は?」


「もう分かっているだろう」

 代わりに答えたのは摂政だった。


「形式上聞いているだけです」


「皆さまや水南と同じく、ラシル様に従う所存」


「理由を聞いても?」


「ふん。ラシル様はリアリストであられる。そして、バランスが取れている。極めて洗練された政治思想をお持ちの方だ。我々も武力解決は好まぬ性分。ラシル様もそれは同じ。あれだけの戦力を有していながら、驕ることなく実利を取る。我々よりも優れていると言わざるを得ない。それに安全保障を確立でき、食糧問題もなくなるという。これで旗下に加わらないほうがどうかしてる。これが水西の総意だ」


「それでは、ここにいる各国、各都市はラシル様に従うということで、本会議に臨みましょう」



 なるほど。

 みんな色々考えているようだ。


 でもなぁ。

 まだ世界情勢もわからない状態だし。

 他の拠点の周辺探査もしたいし。

 冒険もしたいし。

 やることはいっぱいなのに。


 属国が増えて内政が……。


 はぁ。。。


 ここはそうだな。


 ショウに丸投げしよう。


「わかった。ただしいくつか条件がある」


「はっ」


 とりあえず食料と防衛と教育だな。


「全ての住民を代わるがわるここで生活させてほしい。レベリングさせて自給自足を容易にさせたい。次にあなたたちの国の自治は認めるけど、お目付け役と防衛担当として何名か派遣する。教育も充実させたい。10歳から15歳の者を教育する。すべての者だ。心配しなくても、ナショナリズムを刷り込むわけではないから安心してくれ」


「はっ。心得ました」

 オキサイドが代表で答えた。

 条件を聞いて、各々ほっとしているようだ。

 もっと吹っ掛けてくるとか思っていたのだろうか。

 そんな独裁者にはなれない。

 俺はそんな器ではない。

 好きにしてもいいよ! と言われても好きにできない性分だ。


「何か質問や異論は?」


「もちろん異論はございません。ただ、一つ質問をお許しください」

 頷き合って、水の国のオキサイドが代表して質問する。


「仙桃は大変貴重かつ高価な物なので、我々ではすべての住民を強化する分というのは用意できません」


「それは大丈夫。進化するためには仙桃が必要だけど、それもこちらで用意する。ただし、その仙桃は俺の仙術が込められていから、敵対行為をすると力を失うようになっている。俺に忠誠を誓うとか、力を得るとかというのは個人の自由の範囲だから、それは強制するつもりはない。各個人に選ばせようと思う」


「なんと」


「オキサイドさん、君は道士レベルの上限だが、ランクアップしないんですか?」


「はっ。恥ずかしながら、私の都市には次の進化のための仙桃がございません」


「では、これをあげよう」

 アイテムボックスの中から青仙桃を取り出し、オキサイドに渡した。


「ありがとうございます」

 オキサイドはどこか呆然としているようだった。


「その、対価は」


「要らないよ。それを食べると俺の仙術が込められているから、俺に敵対できなくなるけど、大丈夫?」


「し、しかし、高価なものでは」


「それはもう量産できてるから」


「えっ……」


「レベリングに必要な分は惜しみなく使うつもりだよ」


「はっ、しかし我々は道士になっていますので、必要ないかと」


「何か勘違いしているようだけど」


「申し訳ございません」


「俺の構想では、全住民が最低でも神仙になってもらう予定だよ」


「えっ……」」


 どうやら理解ができていないようだった。


 深く考えなくてもいいのだ。

 強くなることを目指してくれれば、そのための場所と機会は用意できるのだから。



 その後、細々としたことを話し合った。


 水国はひとまずオキサイドが統治するようにする。

 土国の2都市は正式に土国を離れる。

 火国はこのままレイランが統治する。

 木国はこのまま木国王が統治する。

 そしてこれらの国と都市は俺の支配下に入る。


 あとは周辺の町や村について、どうするか決めてほしい。

 できれば自主性に任せたい。


「水国はすべて従うことになると思います」


「火国はすべて従う所存です」


「木国も同じく」


「土は我ら2都市だけになるかと」


「わかった。今のところ皆さんにお願いしたいのは、食料の必要量を取りまとめることと、レベリングをする者の選抜です。詳細は後で通達しますので」


「承知しました」と言って全ての関係者が跪いた。


 それを見たミイが得意顔で解散を宣言した。





 そこからの毎日は忙しかった。

 各国の王と領主が精力的に各地を回ってくれ、食糧が十分に行き渡った。

 ここで農業生産力を少し落とす。

 次にどの村と町が支配下になるかという問題だが、全ての村や町がなるという。

 もちろん土国以外。

 同じ国民や王に説得されたという理由と、大量の食糧援助で信頼を得たようだった。


 次に考えるのは子供の教育とレベリングである。


 とりあえず、実験的に少数で試してから全体に広めていきたいと思う。

 子どもは各村や町、都市、首都など、満遍なく招集したい。

 人口比はあるけれど、そこはバランスよく。

 大人も兵士だけではなく、意欲のある人なら誰でも学んで強くなれるような仕組みを作りたい。

 子どもも大人も、男女比は同じにしたい


 しかし、どこに受け入れようか。

 大人には将来教師になってもらう人材も育成しなければいけない。


 通学よりもやっぱり寮生活だろう。

 通学というのも大変だし、急激に力を付けるとトラブルも起こるかもしれない。

 それもちゃんと教えてから帰すようにしよう。

 というわけで、レベリングの最中は、全員寮生活にけってい。


 戦術は物事の理論も大事になってくるので、算術、算数、数学。科学、物理、生物、化学を教える。

 内容は元の世界の教科書のサンプルがあるので、それをコピーする。

 コピーする紙も木の属性と水の属性を持つ者に作成を依頼する。


 問題は言葉と場所だ。

 異世界であるあるの、文字が通じない。

 しかしこの問題はすぐに解決することになった。


 俺は大まかなプランを策定した。

 初等教育課程で戦闘レベル100。

 中等教育課程で仙人種レベル100。

 ここまで育ったものは村か町の警官に配置する。

 高等教育課程で仙人レベル200。

 転移術も使えるようになっているので、各国の各都市の兵士として登用する。

 初等教育課程の先生になれる人材だ。

 大学教育課程で他の種の力を。

 大学院はもう一つ他の種の力を。

 そのまま研究に進みたい人はペッフィーの所に就職させよう。

 もしかしたら研究者志望の者が出るかもしれない。



 さて、問題は沢山ある。

 学校で働く教師、生徒の寮で料理や洗濯などの世話をする者、場所。


 これを幹部会議で話してみたところ、あっさりと解決した。


「それは問題ないかと思います」

「私にも心当たりがあります」

「師匠、行けます」


 といった声が上がった。


 まず場所である。

 これはセシュレーヌが。


「私の城の前の広大な敷地でよろしいかと思います。ここに寮と学校施設を立て、訓練所にも使っても余りあります」


 だそうだ。

 セシュレーヌが許可してくれるなら、最適な場所かもしれない。

 人里から離れているし。


 次に学校で働く人材であるが、ショウが解決策を提示した。

 火国では働き口を失った者がたくさんいます。

 奴隷にされていた者がそれも数万人単位で。

 その者達を登用してみてはいかがでしょう。


 とのこと。


 教師についてはミイだった。


 最初は神仙達に任せればいいでしょう。

 仙人レベル100を超えるとモンスターの召喚もできますし。

 そこで育てた人材をそのまま教師に採用するのもありです。


 なるほど。

 では早速各国に通達を。


 ひとまず自給自足できる大人を育てる。

 寮に住まわせてレベリングをさせよう。


「セシュレーヌ、建物のことは気にしなくていい。どのくらいの人数が演習可能だ?」


「はい、最低でも数万は大丈夫かと」


「ミイ、現在動員できる神仙は何人だ?」


「防御要因を外して、250名ほどです。悪魔族や他の種族も育って参りました。他の拠点の不可視バリアは仙術なしでも維持できています。」


 では全員を教師として動員しよう。

 神仙1人に生徒10人くらい。

 補助で火国の戦士たちを入れよう。

 そうすれば兵士も入れて2500名ほどを動員するか。


「お待ちください」


「なんだ?」


「火の国に最初に受け入れた者たちが驚異的な成長を見せています」


「ほう、どの程度だ?」


 現在の訓練は効率を重視しており、悪魔や精霊を召喚して戦っている。

 練度も高いし、なにより知識も増えた。


「神仙が数名。ほぼ全員が大仙人になっています。この調子でいくともうすぐとなり、レベル上限に達する者の現れるでしょう」


「彼らも講師役にするか。確か、100人ほどだったか」


「はい」


「じゃあ追加で1000人だな。木国や水国、土国にも声をかけてくれ。同時に子供たちの教育も実験的に開始したい」


「畏まりました」




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