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014_周囲の散策10 超進化


 俺たちは怒涛の勢いでレベリングをした。

 朝早くから洞窟に籠り、竜をバッタバッタと倒していく。

 進化のお陰で、地竜の子供であればウルフを相手にするような手軽さで倒すことができるようになった。


 地竜は次々と湧いてくるが、ボーナスステージのように倒していった。

 初日の地点からさらに200メートルほど進むと、成長した地竜がいた。

 ただ完全に成長しきってはおらず、中型地竜と認知した。

 中型地竜は振動術を使ってきたり、天井から岩を降らせてくる魔法を使うなど、小癪な相手だった。

 これまでの俺たちなら倒せなかっただろう。

 しかし、今は大幅にパワーアップされている。


 戦闘開始時は2対1で倒していたが、その内に1対1でも倒せるようになった。

 中型地竜の地点から更に進むと大型がいたので、ここは流石に撤退した。

 仙術を使用できるようにならないと厳しいと判断したためだ。

 

 分岐点までいったん戻り、下の方へと続く左側の道へと進む。

 坂道を少し下って行ったところに広間のようになっている空間があった。

 大量のモンスターいた。

 大半がウルフで、中には地竜も数匹。

 この程度ならもう怖くはない。

 俺たちはバッタバッタと倒していく。


「これはおかしいですね」とショウ。

 会話をする余裕まである。


「うむ、妾もそう思うのじゃ」


「何かの目的を持ってここにモンスターが集められたような、意図的なものを感じます」

 ミイもそう思ったようだ。


「とにかく、今は気にせず戦闘に集中しよう」


「はい!!!」

 三人とも元気がいい。


 一段落するまでモンスターを倒した。

 一息つこうと思ったら、更に数匹の地竜と、今度は火竜も登場。

 もちろん、強くなった俺たちの敵ではなかった。




 その後数日間、俺たちは洞窟で修行をした。

 洞窟進出から4日目にして、遂に全員がレベル100に到達した。


 これで特殊部隊は卒業。

 ショウは名残惜しそうな様子を隠さない。

 ミイはひきつった笑いを押さえている。


「まさか、この後にも訓練用シリーズが?」というミイの問に対し、「さすがにもう無いよ。卒業だ」と俺が言ったので、安心して嬉しがっているのだろう。


 クゥは最初から装備無しだったので、この件については全く気にしていない様子。

 それよりも早く進化して、人型になりたいようだ。

 人化できるようになれば、クゥも武器を装備できるようになる。

 攻撃力が大幅に上昇して戦術の幅も広がる。



 アイテムボックスから転生アイテムである仙桃を取り出す。

 ピンク色の、大振りで美味しそうな、一見ごく普通の桃。

 下の部分は曲線を描くように綺麗に丸まっていて、上の部分は先っぽが少し尖っている。

 それを一人に1つずつ渡していく。


 みんなで仙桃を食べる。

 すると一気に力が漲ってきた。

 俺たちは元々仙術の力の使い方を知っている。

 ゲームの世界ではとっくに仙人種はカンストしていたのだ。

 だから知識として知っているこの力も、既に扱うことができる。

 それも達人の域で。

 これはチートのように思えるが、ゲームの世界ではとても苦労したのだ。長い時間をかけ、様々なことを試し、自分の力で得たものだ。

 失った力を取り戻した、という表現になるだろう。


 武器の交換に移る。

 まずはミイから。

 私はもう少し近接戦闘に切り替えたいと思います。槍もいいですが、やはり刀のほうがしっくりきます。というミイの申告。

 元々、クゥは前衛、ショウは後衛と得意分野が決まっていたので、全体を俯瞰しつつ適切に対処できるミイを中衛に置くという意味合いでスピアにしていたのだ。

 ミイに怪我をさせたくなかったという俺の思いもある。

 もちろんみんなに怪我はさせたくないが、ミイは少し特別なのである。

 そんなことを言うとミイが調子に乗って暴走しそうなので、これは胸の内にしまっておく。

 そろそろ好きなように暴れさせるのもいいかもしれない。


 実のところ、ミイは仙術があまり得意ではない。

 仙力を練るという行為がそんなに得意ではないからだ。

 それはそもそもの種族的な関係もある。

 得意ではないといっても、ミイには人並み以上の才能がある。

 ただ、元々仙人種であるクゥやショウには及ばないという意味だ。


 ミイの状況把握能力は高く、仙術の基本である力の流れを読み取ることに関しても一流だ。

 ただ、ミイやショウはそれを意識せずに自然と行えるが、ミイの場合はある程度、意識しなければ使えない。

 それにミイは流れを読んで力の流れを変えるよりも、力で流れそのものを別のものへと変質させるほうが得意なのだ。

 その力は追い追い戻るであろうから、仙術に関しての心配はしていない。

 早く仙人種をカンストすればそれでいいのだ。


 ミイは身体能力が高い。

 なので武器は刀。

 風属性の加護が掛かっていて、切れ味が上がっている。


 次に防具。一緒に冒険していた時の衣装をアイテムボックスから出して渡す。


「まぁ、懐かしい」

 ミイは嬉しそうに受け取った。


「ラシル様がこれを持ってらっしゃったのですね。私の匂いのついたこの服を毎晩嗅いでいたのですね。本望というものです」

 ミイが何か言っているが、聞こえなかったことにしておく。

 もう防御力も仙術によって向上しているので、この装備も実装可能だ。

 ただし仙術が無ければただの服になってしまう。

 ミイは仙女のようになった。

 とても可愛い。


「ラシル様、ありがとうございます」

 跪いて、ミイが本当にうれしそうに震えている。

 そして立ち上がった。


「感謝の意を表すため、接吻を」と言って近寄ってくる。

 いやいやいやいや。

 待て待て待て待て。


「大丈夫だから」

 俺は少し後ずさり、クゥの方へと行く。

 ミイはニコニコしながらも、残念そうにしている。


 次はクゥの番。

 クゥは妖怪にクラスアップしていた。

 これで妖気も結構練れるようになっているはずだ。

 どういう武器がいいかと聞いたら、まだもう少し殴る蹴るをしたいという。

 クゥは妖怪なので、仙術の扱いに長けている。

 純粋な仙力で比較すれば、俺たちの中で最もあるだろう。


 クゥは戦うことが得意で、それに大好きなのだ。

 最近は拠点の管理ばかりさせていたため、なまっている体や感覚を取り戻しているのだという。

 クゥの得意属性は火。

 そんなわけでクゥには宝貝『火打撃』、横文字名称『ファイアナックル』を与えた。

 拳から火が出るというあれだ。


「クーっクック。これで妾も少しは主様のお役にたてるというもの」

 クゥは6歳くらいの人型に進化していた。

 ランドセルが似合うような感じだった。

 小学校に通い始めの幼女。

 やっぱり狐が言葉をしゃべるのと美幼女が言うのとでは、破壊力というか、印象が違う。

 どっちもクゥなのだが。

 人型になったクゥは俺に抱き着き、頬にキスをしてくれた。

 可愛い奴である。

 とんでもない殺気をまとっている者が約一名いるが、気にしたら大変なことになりそうなのでスルーした。

「私も、私も、私も…」とボソボソ言っている。


 次にショウ。

 ショウはミイほど戦うという行為を好んでいない。

 戦闘をただの手段として割り切って考えている部分と、スポーツとして楽しんでいる部分がある。

 だからミイやクゥのように、戦いが始まったら絶対に勝たなければならないという風には考えていない。

 どこかで闘争というものに必死になれないのだ。

 戦術レベルで負けても、戦略レベルで勝てばいい。

 これを本気で考えている人材なのだ。

 だから彼は近接戦闘など、危ないことはほとんどしない。

 そんなショウには遠距離支援のための武器。

 風属性の宝貝。

 警棒のような形状をしていて、風属性術式のカマイタチや風の矢を出すことができる。

 これで連射も可能になった。


 俺の武器は2本のバスタードソード。

 筋力が上がったので、軽く片手で剣を扱えるようになった。

 剣を2本にして、両手で使う。二刀流だ。

 

 レベルを確認すると、俺とミイが5、クゥとショウが4だった。

 これは仙人種のレベルなので、実質的には105と104。

 仙人種のレベル上限は200。

 仙人種の他にも種族があるので、まだまだ完全カンストへの道のりは長い。


 他のギルドメンバーもレベル40後半に到達しているものがほとんどだった。

 早く強くなろうとレベリングを必死で頑張ってくれているらしい。

 しっかりと結果に表れている。


 一番低い者でレベル32なので、これでみんな初心者訓練用ボディスーツは卒業である。

 その姿を見ることが無くなるのは少し寂しいと思ったが、しかしそれは杞憂に終わることになる。

 この時はまだ知らないが、後で沢山見ることができる機会があるのだった。


 全てのギルメンに洞窟を解禁。

 ただし、中隊以上で望み、交代で戦うことを義務付けた。


 そろそろ仙桃の育成をしなければならない。

 ストックはまだまだあるが、供給をないがしろにできない。

 貧乏性の性格かもしれないが、アイテムに関して言えばこれが正しい考え方だ。

 進化する者がこれからどんどん増えてくる前に、増やせる時に着手するべきだろう。



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