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013_周囲の探索9 洞窟へ


 禁城の南側にある山脈の麓に、洞窟がある。

 ただの横穴ではない。

 なぜ洞窟だと言い切れるかというと、洞窟の入口は優に10メートルほどあった。

 そして奥まで見えない。

 自然にできたものとは考えにくく、何者かによって加工された後が確認できた。



 洞窟の入口付近に10匹ほどのウルフが、洞窟への侵入を防ぐようにして陣取っていた。

 そのウルフたちは、こちらが挑発しても襲い掛かってこなかった。

 近づきすぎると襲い掛かってくることから、どうやら洞窟に入ろうとする者を襲うようで、本当に門番の役目をしているのかもしれない。

 俺たちはその狼を『ダンジョンウルフ』と命名。

 ダンジョンウルフは他のどのフィールドにいるウルフよりも強靭な体つきをしていた。


 早速、戦闘開始。


 ダンジョンではミイとクゥが盾役になることを事前の打ち合わせで決定していた。 

 ミイやクゥは種族特典で夜目がある程度効くからだ。

 ダンジョンウルフはミイの方に4匹、クゥの方に3匹付き、残りが俺とショウに向かって来た。

 ショウがけん制で矢を放つ。

 数匹のウルフが立ち止まり、その間に俺が切り込む。

 2匹に重症を負わせ、残り1匹と対峙する。


 ミイは無理をせずに、攻撃を受け止めるだけの防戦一方。

 クゥは上手く攻撃をかわしながら1匹を弱らせていた。 

 重症を負わせた2体にショウがトドメを刺し、俺は残りの1匹を素早く切り伏せる。

 3匹撃破。


 ショウは既にミイの援護に入っていた。


 俺はクゥが弱らせた1匹を倒し、クゥに加勢する。


「主様、感謝するのじゃ! 妾のほうを選んでくて」


 クゥの言葉を聞いたミイがムッとして攻撃に転じた。

 本気を出したミイは強かった。

 俺とクゥが1匹ずつ処理している間に、ミイは4匹を片付けた。

 ショウが苦笑いをしている。


 気を取り直して洞窟の中へ。

 中は真っ暗なので、各自松明を持つ。

 仙術が使えるようになれば何とかできるのだが、無いものは仕方がない。

 完全に真っ暗かと思ったが、数メートル置きに篝火を灯せる場所があったので、松明の火を移していく。

 そうすると少し明るくなった。

 ほとんど広い一本道。

 洞窟の幅はかなり広く、天井も5メートルほどある。


 少し進むとすぐにダンジョンウルフに遭遇。

 さっきと同じ10匹の集団で襲いかかってきた。

 暗い中、無理をしないように確実に始末していく。

 

 ラットもいた。

 森にいる個体より強そかった。

 凶悪な赤い目をしていて、体格も大きく、爪も鋭くとがっていた。


 ここでなぜかクゥが対抗意識を見せた。

 クゥが単体で突っ込んで蹂躙する。

 ミイと俺が援護に入り、ショウが後ろから矢を射ようとする頃には戦闘が終わっていた。


 進んだのは距離にして百メートル。奥から次々と現れてくるモンスターを退治していった。

 これは遭遇率がダントツで高かった森よりも圧倒的に高い。

 こちらが進むよりも先に相手の方から現れてくれる。

 出てきたモンスターをモグラたたきのように倒していった。


 一本道を数百メートルほど進んだところで、モンスターの毛色がいきなり変わった。


 あれ? 

 スケルトンだ。

 今まで生き物だったのに、魔法の痕跡が見えるような相手の出現。

 この世界にも魔法があるという確証を得た気がした。


 4体のスケルトン。

 聖属性が無いので苦戦は免れえない。

 足をはねても、腕をはねても襲いかかってくる。

 厄介なことに、スケルトンにショウの矢は効かない。

 粉々に砕かなくてはならない。

 倒しても時間が立てば復活するだろう。

 戦闘不能までスケルトンの体を破壊し、先へと進む。


 その後もダンジョンウルフ、ダンジョンラットの戦闘。

 キラーバットと名付けた蝙蝠もいた。


「他のエリアのモンスターとは違うような気がします」


「そうね」

 ショウの意見にミイが肯定する。


「妾もそう思っておったのじゃ」

 これで分かっていないのは俺だけになっってしまった。

 しかしここは理解している風を装って流す。


「僕たちを通さないようにしているという感じですね」


「迎撃されているという感じじゃの」


「ただ襲ってきているというわけではないわね」


 そう言われてみればそうかもしれない。

 撤退は簡単でモンスターたちは追ってこない。

 前進するのが難しく、激しい抵抗に合う。

 何らかの意思が働いていて、この洞窟から侵入者を排除しようというものなのか。


 これで500メートルは来ただろうか。

 前方左にさらに下へ行く道と、真っすぐ続く道に別れていた。

 初めての分岐点。

 どうやらこの洞窟はダンジョンと言ってもよさそうだ。

 長いし大きい。

 階層もあるみたい。

 とりあえず下には行かずに真っすぐに進んだ。


 そこから50メートルも進まないうちに、地竜と遭遇。


「竜種ですね」

 ショウがウキウキした気持ちを隠さずに戦闘態勢を取る。


「油断は禁物よ」

 ミイが釘を刺す。


 地竜は他の龍よりも胴回りが太く、恰幅がいい。

 空を飛ぶこともできるが、長時間は無理。

 今目の前にいる地竜はワイバーンと同じように小さな個体で、まだ子供と呼んでもいいかもしれない。

 そんな地竜が3匹。


 地竜はワイバーンよりも攻撃力は低いけれども体力がある。

 HPが多いというやつだ。


 ショウとクゥが1匹ずつに牽制を仕掛けつつ、俺とミイで1匹を確実に退治するという作戦でいく。

 この地竜は土属性の術を使えないようだから、まだ若いのだろう。


 3匹もいるので、数を減らすために初手から全力を出す。

 竜の側面に回り込み、溜めた力で腹を突き刺す。

 鱗を貫通し、剣が刺さった。

 すぐに刺さった剣を抜き交代。

 竜がくぐもったうめき声を上げる。


 仲間の声を聴いた他の2匹の竜が奮起し、暴れ始めた。

 ミイがすぐさま全力で必殺技を繰り出す。

 地竜が前足と尻尾を使って渾身の薙ぎ払いをかけるが、もうすでにミイは退避している。

 退避したミイと交代で俺が竜の首をはねる。

 まずは1匹。


 ショウの応援に向かい、ミイはクゥの方へ。

 ショウの矢が何本か地竜の体に刺さっていた。


「こいつ、暴れまわるので頭が狙えません」


「わかった」


 俺はすぐさま竜の正面に立ち、注意を引きつける。

 竜の払いを飛んで回避し、上から剣を突き刺す。


「今だ!!」


「はい!!!」


 ショウの矢が竜の額に直撃。

 竜が絶命した。

 ミイとクゥの方も終わったみたいだった。


「いい感じだ」

 と、一息つく間も無く前方から地竜が出現。

 今度は5匹だ。


「マジかよ」


「撤退しますか?」


 ミイが進言する。


「いいや、このまま戦う。各人自由戦闘! 怪我はするなよ!」


「はい!!」


 地竜は次々と湧いてきた。

 俺たちはそこから一歩も進むことなく、地竜と戦い続けた。

 もう何匹倒しただろうか。

 1人20匹は倒しているかもしれない。

 多い時には10匹一斉に出てきた。


 ショウの矢が尽き欠け、皆のスタミナも切れかけていたので、撤退を指示。


 地竜は追ってこなかった。

 帰り道に復活していたスケルトンを倒しつつ、俺たちは洞窟の外へと出た。

 洞窟の外は日が暮れていた。

 急いで禁城へと戻る。

 



「疲れたー」

 水で体を拭き、まずはご飯だ。

 今日のご飯はラビットの丸焼き。

 それにアイテムボックスからパンとスープ。


 ラビットは配下の者が作っておいて取っておいたものをアイテムボックスに入れていたものだ。

 焼きたてで保温もばっちりである。

 地竜とずっと戦いっぱなしだったため、昼食を取る暇がなかった。

 俺たちは貪るようにご飯を食べた。


「洞窟ってすごいですね。あの地竜たちどこから湧いてくるのでしょう」

 ショウの表情は疲れ切っていた。


「もしかしたら竜の巣があるのかもしれないわね」

 さすがのミイも疲れている様子。


「妾も疲れたのじゃ。あれは恐らく召喚竜じゃのう。妾はそう見たわ」


 召喚竜とは、自然発生や竜同士の生殖行為によって誕生した個体ではなく、龍種が何らかの目的をもって召喚したものだ。

 これがゲームの時の知識。

 竜族の召喚はその上位存在である龍種の力を持っている者にしかできない。

 ただ、この世界でも召喚ができるのかは不明だ。



 食事の後、ニボシから今日の監視状況の報告を受けた。

 目村に目立った変化はなかったそうだ。

 近くに行けばもっと詳細をつかめるのにとニボシは悔しそうに報告した。

 まだ強くなるまで焦らないようにと労った。


 その後、俺たちはレベルの泉へと向かった。

 俺たちは驚愕した。

 全員レベルが60に到達していたのだ。


「うっわ!」


「けっこういってるかなーと思ってましたよ、師匠!!」

 ショウはとても嬉しそうだ


「これでこの装備ともさよならですね。何とも寂しいことです」

 そう言うミイは全然残念そうではない。


「主様、妾も早く進化したいのじゃ!」


「わかったわかった」


 進化の葉を取り出してみんなに配る。

 進化の種の次の段階のアイテムだ。


「ご飯食べたばっかりだけど、食べれるな?」


「もちろんです!!」


「もちろんじゃ!!」


 さっきまで疲れ切っていたショウとクゥの元気の良さを目の当たりにして、ミイは笑っている。


 みんなで進化の葉を食べた。

 元の力がまた少し戻ってきたようだ。

 再度レベルの泉を確認する。

 俺とミイがレベル63。クゥとショウが62になっていた。


「装備も新調しないとな」


 装備という言葉に輝かせたショウ。

 アイテムボックスから装備を引っ張り出してみんなに見せる。


 初級者訓練用ボディスーツ、中級者訓練用プロテクトスーツ、そして最後は『上級者訓練用ムーバルスーツ』だ。

 テロ対策の特殊部隊が着用するようなスーツ。

 見た目は特殊部隊用の戦闘服。

 警察官の進化系といった感じでカッコいい。

 体にフィットするように作られているので、分厚いサーフィンスーツのようでもある。

 黒いブーツ。

 もちろん、フルフェイスのシャープなヘルメットもある。

 全身黒ずくめ。

 動きやすさを最大限に重視しつつ、防御力もそれなりという一品。


 ショウは「うぁー」と言って目をいっそう輝かせた。


「素晴らしいです!! とってもカッコいいです!!」


 ミイが少しだけ嫌そうな顔をして、ショウは飛び跳ねて喜んでいる。


「カッケー!!」


 次は武器。

 俺はバスタードソードを装備。盾はあっても邪魔なのでなし。

 ミィには大きめのスピア。

 ショウには銀製の弓。そしてちょっと長めのサバイバルナイフ。接近されたときの護身用だ。

 これで攻撃力も大幅に向上するから、明日からまた少し戦いやすくなるだろう。

 身体能力も向上したことだし。


 ガンガンレベル上げをしよう。



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