第二話 始まりの街
「それじゃ、街ヘ行こうか。」
「ええ。」
街はそこそこ大きそうな感じで、街道を歩いていけばすぐに着くだろう。
やっぱマップは便利だな。
他の便利スキルは宿屋で確認するか。
「自然が多いのね。」
「これぞ異世界って感じだよね。」
「さっきからそればっか。ちょっとテンション上がり過ぎじゃない?」
「夢にまで見た異世界だからね。それにメロだってそうだろ?
なんてったって、俺が自分の趣味を押し付けまくったんだからな。」
「まあ、否定はしないけどね。
でも、異世界ってことは魔物とか出て来ないの?」
「ああ、それならマップで確認してあるから安心して。」
このマップ機能なんだが、
自分とパーティーメンバーは青、
友好的な人や魔物は緑、
要注意人物は黄、
要警戒人物は赤、
犯罪者や、敵対して来るであろう・敵対している魔物は黒、
無関心は白で、
マップ上に表示されている。
また、それをタップすれば、【解析】と【同調】でリンクさせたお陰で、相手の名前や種族、素性など、個人情報が筒抜けなのだ。
それなので、付近の森に隠れている盗賊や、離れた所を歩いているゴブリンなどに一切出くわさずに、街の門まで着いた。
門の前は少々人が並んでいたため、後ろについた。
「ねえ、ここまで来たはいいけど、お金なんて持ってないよ。どうしよう。
街に入るにも、生活するのにもお金って必要だよね?」
「安心して、多分ポケットに銀貨が10枚入ってるはずだから。」
「え?……あ、ホントだ。」
「次は俺達だから用意しといてね。話を合わせるだけでいいから。」
そんなことを話していたらもう俺達の番だ。
後ろには誰も並んでいないようだし、空いてるときに来れたようだな。
「次の奴。この街へはどんな用で来たんだ?」
「田舎から出て来て旅をしてまして、冒険者ギルドで身分証を作ろうと思いましてね。
あ、こっちは俺の幼馴染です。」
「つまり今は身分証が無いんだな。じゃあ、仮の身分証を発行するぞ。付いて来い。そっちの嬢ちゃんもな。」
「分かりました。」
「こっちだ。」
連れて来られたのは詰め所みたいな所だ。
「そこに腰掛けてくれ。んじゃ、これに触れてくれ。おっと、1人ずつな。」
これが種族とかステータスとか見れるやつだとキツイな。
『解析』
判別のオーブ
触れた者が犯罪者なら赤くなり、それ以外なら青くなる。
「はい。触れましたよ。」
「じゃあ、そっちの嬢ちゃん。」
「…はい。これでいいですか?」
「おっし、いいぞ。じゃあ、仮身分証な。1人銀貨1枚。期限は5日間で、それを過ぎると犯罪者扱いになっちまうから気を付けろ。それまでにちゃんとしたやつを作れよ。
それをここに持ってくれば半分返してやるから。」
「それじゃこれで。」
「はい。」
「じゃあ、改めて、ドンネルへようこそ。俺はここで門番をやってるハディだ。よろしくな。」
「俺はローク。よろしくな。」
「私はメロです。よろしくお願いします。」
「おう。俺は生まれも育ちもここだからな。何かあったら聞いてくれ。」
「じゃあ、早速。おすすめの宿屋と店を教えてくれ。」
「それなら、大通り沿いにある冒険者ギルドの傍の「小鳥の囀り亭」に行け。他よりちぃとたけーが、旨い飯と清潔さが売りだ。
店だが、何を買うのかにもよるが、冒険者用品なんかはギルドで聞いた方がはえーな。
まあ、武器屋なら俺がおっさんに紹介してやるよ。あの人は腕利きのドワーフなんだが、頑固者でな?気に入った奴にしか作らねーんだが、まあ、おめえなら大丈夫だろ。
あと、この時間は中途半端だから少ないが、昼なんかは、俺は露店で済ませることも多いな。特に、ギルドの近くで出してるホーンラビットの串焼きが絶品だ。」
「なるほどな。ありがと。参考にしてみるよ。
礼に、今度会った時には酒でも奢るよ。」
そうやって詰め所を去ると、
「お酒って私達まだ未成年だよ。」
「ここでは成人は人間は15歳だし、酒についても明確な法律は無い。小さい子には飲ませないくらいだ。しかも、種族で成人年齢も歳のとり方も違うから、見た目でも判断できない。
それに、ドワーフや竜人なんかは子供の頃から酒を呑むからな。
極めつけに、水道事情もある。海外でも生水は避けるだろ?あれと同じなんだよ。」
「……やっぱり日本とは全然違うんだね。」
「まあ、そんなもんさ。これから覚えていけばいいよ。」
「ありがと。」
ちなみに門番はムキムキのおっさんだ。
女騎士も良いが、こういうフレンドリーな門番も悪くないな。
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