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いつかあなたとあの海で心中したい  作者: 兎虎彩夜華
第1章 選択のその先
5/14

4星 部活と生徒会(1)

<今日の学準>4/23

部活どうしようか悩んでます。優奈ちゃんと一緒の部活がいいけど、桃ちゃん先輩とも一緒の部活がいいし、なんかいい方法ないですかね。


<返答>

①こっそり帰る?×

②行きたいと相談してみる?

まあ悩め。


「部活どうしよー」


月は誰に話しかけるでもなく、呟いた。


「だから、一緒に美術部入ろって言ってるやん」

それに不満げな顔で応じる優奈。


「んー。たしかに先輩優しかったし、でも勉強もちゃんとしたいんやって。そりゃあ優奈ちゃんと一緒がいいに決まっとるけど」


2人は残りの3段を華麗にジャンプ。


「わかったけど......チャイム鳴る」


階段を全力疾走で下りながら2人の少女は会話を推し進める...が、少々運動音痴の2人にはきつかったようだ。


「音楽の後に......理科と......か、きつすぎやろ」


「マジでそれな」

一言ずつ言葉を交わし、今度は2段とばしで階段を上る。


理科実験室は2つあるが、どちらも北校舎4階の西側。さっきまでいた第2音楽室は北校舎2階の東の果て。他校ならば、普通に3年生の教室の前を横切って4階に上って行けばいい話なのだが、「他の学年の階の廊下は通ってはいけない」という謎のルールにより、まず1階に降りてから長い廊下を歩き疲れた上に4階まで上らなければいけないという面倒なことになっているのだ。


「この階段はこれから文化部で活躍する私らにとってもきついな」


やっとの思いで着いた理科室には、いかにも『階段なんて楽勝』感溢れる運動系男子が集まっていた。


「お前ら、階段でそんなに疲れとったら、運動部に入部しても1日で辞めるんじゃね?」


「あーありそう。想像できるな」


そうやってからかわれ、「だからどの部活入るか悩んどるんやんか」と小声で呟きそうになりながらも、口に出さず無事通過。

チャイムと同時に椅子にフィットした。


「ちょっと私のタイムスケジュール完璧すぎてすごくない?」


微笑交じりに月は優奈にドヤ顔で振り返るが、予想以上にふてくされた顔が出迎える。


「結構ギリギリやったけど」


「何気にさっきからちょっと冷たくない?」


そもそも怒ったりすること自体が少ない彼女は、怒ったり機嫌が悪い時、表情があまり変わらないことがあり、思考がたまに読みずらい時もある。だが、親友精神でどうにかできる。だからこんな時は直球が安定の近道。


「別にそんなことないけど」

と返す彼女に、月はすかさず質問。


「怒ってる?」


「......まあちょっ」

「きりーつ」


質問に応えようとする優奈の声に、学級長ー 杉光 本輝の声が上書きされる。ガタガタと椅子を引く音が連なり、皆が立ち上がる。そして優奈の口は閉じられた。


「優奈、理科終わったら聞かせて」


「......」


「気を付け 礼 着席」


理科の授業が始まった。いつも最初の15分間は先生の昔話。これがなかなか面白い。先生が話し終わっても大爆笑が5分以上止まない。1年に1度くらいは、授業で50分間ずっと先生の話の時もある。今日はその1年に1度の日で、大爆笑の嵐が起こった。


「面白かったな。共住地域でも猿に引っかかれること、あるんやなぁ」


「うん。私も猿、見たことあるで」


「え、初耳なんやけど。なにそれ面白そうな予感がするー」


「まあ、おもしろかったけど、思い出し笑いでお腹痛いから、今度月の家で話すわ」


「おっけい。もう、怒ってない?」


「あー、その話ね。私は月と一緒に部活したいけど、でも私がわがまま言ったら月が後悔するかも知れんから、月のやりたいようにすればいいと思うよ」


「私は一緒に部活したいけど」


「どっちよ」


「とっちでも」


「やっぱ、優奈ちゃんと一緒に部活しよっかな」


優奈の口元が緩む


「ぜひそうしてくれー」


「やっぱ桃ちゃんと部活しよっかな」


「どっちよ。てゆか桃ちゃんって誰」


「あー。小学部の時からの先輩。カルチャークラブのジャパンホームに入ったら一緒になって、ペアなったりもしたし、仲良くしてたんやって。桃井(ももい) 藤夏(とうか)(もも)ちゃん」


「へー。ちょっとトイレ行ってくる」


優奈はへの字に口を曲げ、月に背を向けた。


「あ、小桜じゃん! 」


「おー。桃ちゃん先輩。先週ぶりー。ちょうど部活どうしよって話しとったところやったんやで」


「おう。お前知っとるか?生徒会役員になればいいことあるんやで」


にいっと笑顔で、「聞きたいだろ?」という顔を向けてくる。


「い、いいことって何?」


「よーしよし。耳をかっぽじって聞きたまえ」


ごくっ。


「融通が効くんだよ。例えば兼部、とかな。他には」


「他には?」


「藤夏、いこー」

後ろから藤夏の知り合いらしき女子がやってくる。


「まあ、自分で調べたまえよ。一緒に部活しようぜ。じゃあねっ」


「ありがと。考えとくわ」


桃井と別れた後、しばしの間トイレの前で優奈を待ち、2人で図書室に立ち寄った。


「すいません。生徒会議事録、ありますか?あ、もういらしてたんですか」


扉を開けた先にいたのは担任の康本優連だった。


「おう、月、優奈」

新しい人が出て来たので、登場人物紹介に追加しときました。桃井藤夏を知りたい方はぜひそちらまで....

今後ともよろしくお願いします。

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