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いつかあなたとあの海で心中したい  作者: 兎虎彩夜華
第1章 選択のその先
11/14

〜お正月特別編〜第1弾 発動 ! 『新春リフォーム』計画



12月31日15時00分00秒......

とある世界のとある都市のとある部屋で、未曾有の大事件が起ころうとしていた。


ガチガチガチガチ......

ブルブルブルブルブルブルブルブル......


「す......すごすぎる」


なんでこんなことが起きているのかというと......



冬休み2日前――


優連の一言から始まった。


「ここ(部室)で、年越しパーティーしようぜ?」








「まじか。メンバーは?」


今一瞬時間止まったね。

自分で止めたんだけど。


「俺と、冬志と、お前と優奈?」


「お見合いかっ」


「じゃあ本輝(もとき)とちっちゃい女の子も?」


「ちっちゃい女の子って誰よ」


ガラッと扉を開けて優奈が部室に入ってきた。


「月が仲良くしてる......そうそう桃ちゃん先輩。桃ちゃん先輩のことですよね?」


「ああ。その子その子」


まじか。“ちっちゃい女の子”で分かるとか、桃ちゃん先輩って本当に背低いんだ......


「てゆか、それって月の家族以外の登場人物全員ってことですよね?それに、学校閉鎖してるんじゃ?」


「まあ、しょうがないじゃん?俺がどうにかするからいいの」


しょうがないのか。まあしょうがないものはしょうがないから、いっか。


「それで、年越しパーティーって、何するん?」


「えっと、コタツでみかん食べて寝る」


「お蕎麦(そば)は?」


「月、多分つっこむところそこじゃない」



今日はなんだか沈黙が多い。

それもそのはず。ぱっと時計の温度表示を見ると、なんと5度だった。



「それで?コタツなんてここにないし、今日を除けば冬休みまで1日しかないけど、メンバーの呼びかけとか物の準備とかどうすんの?」


「コタツは俺がなんとかする」


「纈もよろしく」


「お、おう」


今時古い石油ストーブの前で固まっていた優奈がようやく口を開いた。


「本輝は同じクラスだし、桃ちゃん先輩は月が直接頼みに行けばなんとかなるんじゃない?」


「んじゃあ、年越しパーティー名付けて『新春リフォーム』計画、発動だ!」


あ、ただ部室の模様替え面倒くさいから生徒と友人に押し付けたいだけなやつだったわ。まんまと嵌められたね。


「それで、どんな感じに模様替えしたいんですか?隊長」


「コタツは決まりなんやろ?」


「もちろん。今の机とかパイプ椅子とかだけじゃなくてソファーとか冷蔵庫とか全部ほかの準備室とか倉庫からパクってきたやつやから、この際一新しようと思い、学校に経費をねだりました」


これはきっと......


「駄目でした」


やっぱり。


「じゃあどうするんですか?」


「文部委員会にも聞いたら、それくらいいいよーって。アタッシュケース貰ってきた」


そう言って机の上にどこからともなく取り出したアタッシュケースを1、2、3、4、5箱だと?宝くじ一等分くらい入ってるんじゃね?


「これで色々できるな。俺は今からどんな部屋にするかデザイン案書くから、優奈と月は経費の計算とか頼むわ」


そう言って優連はおもむろにコタツを描き始めた。


いや、何を買うとか言ってくれないと私達何もできないし。


とりあえず電化製品&家具の買取見積もりを頼んで、本輝の協力もこぎつけた後、やっと優連案No.1が出来上がった。


優奈と二人で画面を覗き込む。


声が、出なかった。


「なんですかこのログハウスは。こんな狭い部室に暖炉とかハンモックとかロフトまで、無理に決まってるじゃないですか」


「そうそう。優奈の言う通り。こんな感じにしたいなら場所変えないと。いっそ、先生達がほとんど使ってない第二職員室を乗っ取ったらどうですか?」


「月、それは目つけられるからやめよう」


「あ、うん」


という流れで優連案No.1は即ボツが決定した。




「......って感じで、部室を改装することになったんだけど、このまま部室を改装するか、第二職員室乗っとるかどっちがいいと思う?それかなんか案ある?」


家に帰って、冬休み2日前だと言うのに大量に出された宿題をしながら、例の桃ちゃん先輩と通信していた。


「え?そんなの知らんし。てゆか、ちっちゃいって何?ちっちゃいとは?」


「“可愛らしい女の子”の方が良かった?」


「そうじゃないけども!

んで、えっと今後の方向性?ああ。

君たちがどう向かうのか見届けさせてくれ」


「は?」


「ラスボスっぽいでしょ」


「うわー。厨二かよ」


「好きなキャラの発言を言っただけ」


いやいや、コピペかよ。


「推しキャラなので」


「話噛み合ってないし」


「んで、ちっちゃい私はどうすればいいの?」


「とりあえず明日完全下校5分前までに部室に集合やってさ」


「了解。おやすみー」


「おう。おやすみ」


通信を切ってめっちゃ宿題頑張ってお風呂入って伝導スーツに着替えて休養装置に横たわった。


「ログイン」


《起動確認......フロム・ザ・ビギニングを起動しました。ログインを確認しました。前回のログアウト地点にワープしますか?》


「もち」


《設定。前回のログアウト地点へ転送します。10、9、8、7、6、5、4、3、2、1......》


ここはっと、自分の家か。


「メッセージを確認」


《メッセージを確認します。

“桃色ピーチ” より10件

“誕生日が11の2乗”より1件

“康本優連” より1件

以上です》


え、本名?

まじか怖っ


「康本優連からのメっセージを確認」


《“康本優連”からのメッセージを確認します。20時30分に着信。

次の場所に招待する:YUREN’S HOME

時間はいつでもいいぞ


以上です》


大体の内容は予測できてたから、着替えてたけどやっぱそんな感じか。


「えっと、そのYUREN’S HOMEにワープできる?」


《可能です》


「じゃあ2分後にワープ。他のメッセージも読み上げて」


《2分後にYUREN’S HOMEに転送します。

桃色ピーチからのメッセージを確認します。23時10分に着信。

23:10 おーいもう寝たー?


23:15 さっきのはハピソルトの叔父さんのセリフだよー語尾は変えたけど


23:16 睡眠妨害してやるーうわああああああああああああやああああああああぬんぬんぬんぬんぬんおやすみ


以上です。


誕生日が11の2乗からのメッセージを確認します。


22:05 YUREN’S HOMEいつ行く?


以上です。


返信しますか?》


「誕生日が11の2乗に返信。今から行くわー」


《返信しました。2分経ちましたので、YUREN’S HOMEへ転送します。

10、9、8、7、6、5、4、3、2、1......


転送完了しました》


ここがYUREN’S HOME?

めっちゃ部室じゃん。


「なんで部室なんよーってか?」


「うっわびくったー」


いきなり後ろから来られたらびっくりするって。


「優奈が今から来るって」


「ここでは“優奈”じゃなくて“誕生日が11の2乗”やから。てゆうか、フルネームでしかも本名で登録するとか危なすぎん?まじで」


「セキュリティには自信あるから大丈夫」


誕生日が11の2乗(優奈 )が転送されます》



誕生日が11の2乗が転送されてきた。


桃色ピーチ(桃ちゃん先輩 )が転送されます》


なんかちっちゃい子が転がってる。


えびせん食べたい(本輝)黒い雷星人(纈冬志 )が転送されます》


え、なんで本輝と纈も来るん?


もうなんかカオスやな。


「初顔合わせの人もいますが、自己紹介とか飛ばして改装案をみんなで考えまーす」


お、おう......




それで、徹夜してみんなで考えた結果、年末年始の計6日間は学校閉鎖で誰もおらんくなるから、その間に誰も使ってない第三職員室を乗っ取ることになった。

良いお年を!

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