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異世界旅行者の冒険記  作者: 神祈
始まりの森
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第1話 異世界旅行者

話題の異世界物を読み漁り、こんな作品を作って見たいと思い活動を始めました。拙い文章ですがご一読お願いします。


青い空、吹く風は優しく、小高い丘には様々な動植物が生命の営みを育んでいる。


------ヴンッ------


突然黒く小さい球体が現れた。


それは徐々に大きくなり、大人一人がスッポリと入る程の大きさになった。



--------



「お、着いたか」


辺りを見回すと、誰もいない場所のようだ。大きく背伸びをして全身の血を巡らせる。


「何度やっても異界渡航の感覚は慣れないよな」


もう一度伸びを行い、肩や腰を回し出す。準備運動の如く念入りに体を動かしていく。

ふと辺りを見回すと黒い球体が徐々に小さくなっていき、音もなく消える。


「まずは現状把握からか。オープン」


呟くと、空中に白い枠が現れる。


魔法反応あり。


「お、今回『も』剣と魔法のファンタジーか。学園生活や異能力バトルも面白いけど、俺はこれが好きだな」


自然と顔がニヤけるのがわかる。生前からアニメやゲームは大好きで、自分がその登場人物ならと変な妄想もしたものだ。


言語理解能力適応開始……

……

……

……


様々な文字が物凄い勢いで現れていく。ただ黙ってそれを見つめる


……

……

complete


文字が消えると共に白い枠も消える。


「これでこの世界の言語は完璧。随分と慣れたもんだな、装備は使えるよな」


荷物から二振りの剣を取り出す。刀身が赤と青に染まっており、それぞれが高価な作りとなっている。まずは右手に赤い刀身、左手に青い刀身を持ち、近く岩に向かう。


「魔力を使って、身体能力を上げて……」


自分の中心に意識を向ける。色々な人に教えてもらったがこれが一番自分に合っている。少しづつ、粘土を伸ばすかのように全身に巡らせる。


「赤から行くか、それ!」


水平に赤い刀身で空を切る。ゴウッと斬撃が炎となり岩にぶつかる。

轟音と共に岩が砕け、近くの木々に残火が燃え移る。


「消火、消火」


今度は青い刀身で空を切る。ヒュッと甲高い音が鳴り斬撃から水の礫が飛び出すと木々を薙ぎ倒し炎が鎮火していく


「……相変わらず物凄い威力……さすが龍の一部から創り出されただけはあるな」


辺りは大爆発があったような惨状になっていた。


「取り敢えず武器は大丈夫だし、防具もきっと大丈夫だろう」


荷物から薄い緑色の道着、そして赤黒い小手と足甲を身に付けていく。これを誰かに見られると色々と不都合になる。何と言っても着替えるので今は全裸だからな。二刀を腰に差し、革のマントを羽織る。


「装備品を着て移動出来ないのが難点だよな。此処が俺の生前の世界だったら世界中に拡散されて、回収できなくなるところだ」


呟き辺りを見回し誰もいない事を確認する。


気のせいだろうが、穏やかな風は俺を歓迎してくれるように感じた。



「さて、そろそろ行きますか」



この世界のどこかにある神の力を宿したモノ。

それを回収するのが、俺の役目。


見つける方法は難しくない。ソレを手に入れれば急激に力をつける。例を挙げるなら、今まで下級貴族だったのが僅かな年数で、権力を我が物顔で振るうようになったり、才能がなかった筈の冒険者が、英雄と呼ばれるようになったりと、急激な変化が出るのだ。


そうなれば少なからず噂になる、なので基本は聞き込みを行う。出来れば人の多いところが好ましい。こうして考えると、やってる事は探し物探偵みたいだ。


気楽に構えるのにはもう一つ理由がある。所有者が居ようが、見つかってなかろうが、いつ、どのタイミングで、というのは不明だが、必ず巡り会うという事。いつかは見つかるのだ、それが早いか遅いかだけの違い。ならば少しでも楽しんだ方が良い。


ゲームの主人公の様な見惚れるような容姿も、アニメの主人公の様な特別な力も、俺には無い。レベルもHPも技能(スキル)も可視化されない。あるのかも判らない。様々な世界で会得した戦闘技術だけは豊富に持っている。それらを駆使して今まで生きてこれたのだ。


確実に言える事、俺は役目を果たすだけの力はある。ならば前を向いて、堂々と歩こう。


この世界でも出逢うであろう様々人々、(いず)れは記憶から消えるが、それまでは……


「宜しくお願いします。この世界の人々よ」


記念すべき第一歩だ。気の向くまま、近くの森へ向かって歩き出した。


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