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光の少女と影の騎士

「目覚めた?」


目を覚ますと僕はベッドの上に居た、周りには本棚や薬棚が1台ずつと下へ繋がるであろう階段と僕より少し年上であろう少女が1人ベッドの横に座っている。


「ここは?」


「ここは私達のギルドだよ!君、名前は?」


「名前・・・」


(名前は・・・あれ?思い出せない。)


「ごめん、分からない」


「そっか、あっ!ちょっと待っててね!マスター呼んでくるから!」


そう言い少女は階段を降りていった。


(ギルドって何のことだろう?それにあれは夢・・・だったのかな?)


「おう、目覚めたか」


階段から1人の背の小さな男の老人と先ほどの少女より頭一つ大きい青年が階段を上ってきた。


「ど、どうも・・・」


挨拶をすると青年はこちらへ寄ってきた。


「アイから聞いたよ、記憶がないんだってな」


「えっと・・・その・・・」


(こう言う時ってなにを言えばいいんだろ?変に悲しそうな顔をすると傷つけてしまいそうだ)


「き、気にしてませんよ」


「自己紹介がまだだったな、俺の名前はタクマ・シュタイン、タクマでいい、そんでもってさっきお前を看病してたのがアイ・マキリス、そこのジジイがここのギルドマスターのホムラ・エンツィオさんだ」


自己紹介が終わるとホムラと呼ばれる老人は頭を下げた。


「それにしても不思議じゃのう」


「不思議って?」


「えーっとね!君は変な場所で見つけたんだ!」


「あの・・・僕は、どうやって発見されたのでしょうか」


「昨日の夕方ぐらいだったか、俺とアイは依頼である戦争の跡地を探索してたんだ、そしたら君がその跡地の中にあった洞窟で眠ってたんだよ」


(僕は・・・眠ってたのか、ならあれは本当に夢?)


「そうだ、君はこれも握ってたね」


そう言いタクマは暗剣・半月を取り出した。


「っ!?夢じゃ・・・ない!?」


「見覚えはあるようだな」


「タクマ!そんなに問い詰めるようにしちゃダメだよ!」


(暗剣・半月、なんでこんな所に・・・ならあれは夢じゃ無くて本当に!)


「すまないのぉ、こいつは不器用な男なんじゃ、許してやってくれ」


「ジジイ!俺はそんなんじゃ」


「よく言うわい、好きな女にも告れない奴が」


ギルドマスターは小声でそう言った


「っ!?」


「それにしてもこの子をどうするかじゃの」


「ねぇ!この子うちで引き取ろうよ!そっちの方がある意味安全でしょ!」


「そうじゃのう...そうするかの」


「えっ!?迷惑になりませんか?」


「別に構わんよ、こいつら含めてこのギルドは問題児が多いからの」


「やったぁ!それじゃあさ!この子の名前決めよ!」


「何でお前はそうノリノリなんだよ、言っとくけど俺はまだ賛成したわけじゃないぞ」


「そうだね〜・・・シンジくんとかどう?」


「聞けよ!」


「何でシンジなんです?アイさん」


「私のことはアイお姉ちゃんでいいよ♪」


「は、はぁ」


少年は少し動揺し、返事をした。


「それで、何でシンジなのかって言うとね!これから私たちは家族でしょ?私たちは君のことを良く知らない、でも信じることはできる、でしょ?だから信じるからシンジってとったの、どうかな?」


「アイがすごい真面目なこと言ってる」


「こんなアイ見たことないわい」


「で、どうかな?」


(こんな初対面で記憶も何もない僕のことを信じる・・・か)


「うん!その名前好き!」


シンジは笑顔でそう答えた。


「あっ!やっと笑ってくれた!」


「えっ?」


(ずっと僕は笑っていなかったのかな?)


「よし!それじゃ行こっか!」


「行くって何処に?」


「みんなに紹介するの!」


そう言いアイはシンジの手を掴み階段の方へ向かった。


「えっ!?ちょっ!」


そしてなされるがままシンジは下絵降りていった。


「それでどうだった?」


上の階に残っていたタクマはアイが下に降りるのを確認するとそう言った。


「強い闇の力を感じた・・・じゃが、それと同時に光も見える、何とも不思議な少年じゃな」


「そうか、確かに不思議な少年だったな」


「笑顔」


「え?」


「特にあの笑顔にはまばゆき光があった、まるで光の象徴のような力があった」


「光・・・か、なら彼をどうするんだ?」


「そうじゃのう、アイの言うとおりまずあの子を信じようと思っておる」


「それは分かってる、俺が聞いてるのはこれからシンジをどうするんだ?って事だよ」


「まずはあの養成学校に入れる、あそこは設備も万全じゃし安全じゃろう」


「そうだな、でもあそこの学校入学式って来週じゃなかったか?」


「筆記はアイに任せる、実技の訓練はお前に任せたぞタクマ」


「俺もかよ」


「当たり前じゃ、だってお主らが連れて来たんじゃからの♪」


マスターは微笑みながらそう言った。


「さてと、ワシらも戻るとするかの」


「そうだな」

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