光の君と影の僕
気がつけば果てしない暗闇の中に僕はいた
「ここは・・・?」
「やっと目が覚めたかい?」
暗闇の中から自分と同じ容姿をした少年がこちらへ歩いてきた。
「君は?」
「俺かい?俺は君さ」
少年はニヤリと笑い、そう言った。
「・・・?」
「理解できないのも無理はないか」
そう言うと少年は手を前に差し出すと一本の白い剣を取り出した。
「っ!?」
「こいつが何か分かるか?」
「・・・剣?」
「違う、俺は名前を聞いているんだ・・・まぁいい、剣の名は光剣・半陽」
(半陽・・・?)
「こいつは不完全でな、お前の持っている剣を合成することで完全な剣になれるのさ」
「僕の・・・剣?」
「何知らんぷりしてるんだよ、その右手にある剣のことさ」
(えっ!?)
右手を見ると確かにもう1人の自分が持っているものとは色違い、黒で持ち手の根本にくぼみのある剣があった。
「暗剣・半月、そいつの名だ」
(半月・・・?)
「さてと、それじゃ始めるか」
「始めるって何を?」
「俺らが1人になる為の儀式だよっ!」
そう言うと自分に似た少年はこちらへ斬りかかってきた
「くっ!」
斬撃を半月で受け止めた。
「流石は俺の半身、だがっ!」
自分に似た少年は受け止めた剣を払い、姿勢を低くすると回転蹴りをした。
「なっ!?」
回転蹴りは膝裏に当たり、転んだ。
「これで終わりだ!」
そう言い剣を構え、振り上げた瞬間、大きな地震のような揺れが発生した。
「な、何だ!?」
(この人の反応、これは技じゃない、なら何だ?地震・・・?)
「チッ!まさか現実の器に何かあったのか」
「現実の・・・器?」
(一体何のことなんだろ?)
「どうやら、今回はここか、じゃあなヤミ」
そう言うと、自分に似た少年は暗闇の中に消えた。
(ヤミ・・・?)
「それっていったい」