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第九十一話 ノリオの個室 その4

「ふーん、そうなんだ。最初からバレちゃていたんだ」


 ベッドの下からサクラコの声がした。


 サクラコはベッドの下から出てくると、ノリコの隣に座った。


「ところで、私がいるのが分かっているのなら、ノブヨおば様にそのことを何で言わなかったの?ノリコおば様」


「サクラコ様がベッドの下に隠れていてもノリオ様に危険があるわけではないですから」


「私が『抜け駆け』しようとしているとは思わなかったの?」


「抜け駆けとは?何に対してですか?」


「ふーん、ノリコおば様はアンドロイドだから、そういうのは分からないんだ」


「ところで、サクラコ様、アンドロイドの私のことを『ノリコおば様』と呼んでくださるのですか?」


「同然よ。ノブヨおば様が実の妹のようにあつかっているのだもの。ノリコおば様が私の親戚だから、ノリコおば様も私の親戚ということでいいかな?」


「はい、サクラコ様、よろしくお願いいたします」


「では、ノリコおば様、親戚としてのお願いが一つあるのだけど?」


「はい、私ができることでしたら何でも」


「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわ。ハグしてもいい?」


「ハグとは?サクラコ様が私を抱きしめるということですか?」


「うん、そう」


「はい、どうぞ。ご遠慮はいりません。サクラコ様」


 ノリコは両腕を大きく横にひろげた。


 自然とノリコの豊かな胸が強調された。


「では、お言葉に甘えて」


 サクラコはその胸に向かって飛び込んだ。


 胸に顔をうずめた。


「うわっ!柔らかくて!人肌くらいに温かいわ!失礼だけど、ノリコおば様はアンドロイドだから固くて冷たいのかと思っていたわ!」


「私を製造した技術者はそういうところにはこだわっていました」


「次は両手で胸を揉んでもいかな?」


「はい、どうぞ」


「うわっ!揉み心地最高!」


 数分間揉んだ後、サクラコは両腕を広げた。


「さあ!次はノリコおば様が私の胸を好きにしていいわよ!」


「いえ、アンドロイドの私がそんなことをするのは……」


「もうっ!私たちは親戚なのよ!スキンシップよ!スキンシップ!」


「はい、それでは」


 ノリコはサクラコの胸に顔をうずめた。


「どうかしら?ノリコおば様、私の胸の感想は?」


「私の胸よりサイズが少し小さいですね」


「もうっ!私の胸は大きさはノリコおば様とノブヨおば様には負けるけど若いから弾力では負けないわよ!」


 サクラコはずっと黙って見ていたノリオに目を向けた。


「ノリオくん、私の胸の弾力試してみる?」


 ノリオは首を横に振った。

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