第六十五話 スキナヨニー その1
「なるほどね。ノブヨ。でも、こうしてノリオに直接会わせてくれただけでも俺としては充分だ」
「会わせないと、それはそれで問題になりますので」
スキナヨニーはノリオと向き合った。
「ところで、ノリオ。俺のこの姿どう思う?」
「どう、思うとは、どういうことでしょうか?スキナヨニー准将」
「俺のセーラー服姿可愛くない?」
「可愛いか、可愛くないかで言えば、可愛いでしょうね」
「なんだか反応鈍いな。ひょっとして俺のこと警戒してる?」
「失礼ながら警戒しております」
「ノリオ。敬語を使わなくてもいいよ。半ばプライベートみたいなものなんだからさ」
「そういうわけにはまいりません」
「けっこう頑固だね。まあ、いいや。繰り返しになるけど、俺のこの姿可愛くない?」
スキナヨニーはスカートを少したくしあげた。
彼の太ももが強調された。
ノリオの視線は太ももに釘付けになった。
白く健康的な太ももにはムダ毛が一切なく、男の太ももとは思えない脚線美をしている。
「やっぱり、ノリオは『男の娘』に興味あるんだ?」
「ぼ、僕が興味があるのはマンガやラノベの『男の娘』で現実の女装男子に興味はない……」
「ふーん、本当に?」
スキナヨニーはセーラー服の襟をはだけた。
鎖骨があらわになった。
ノリオの視線はまたしても釘付けになった。
「さらにサービスだよ」
襟を大きくはだけた。
ノリオからはスキナヨニーの裸の胸が見えた。
平らで明らかに男の胸だが、乳首があらわになった。
ノリオは顔を赤くして思わず視線をそらした。
「スキナヨニー准将。胸をあらわにするなんてはしたないですよ。ブラジャーぐらいつけてください」
「ふーん、男の俺にブラジャーつけて欲しいなんて、ノリオは僕に女装を完璧にして欲しいんだ?」
「そういう。意味じゃありません。裸の胸を僕に見せるのがはしたないと言っているんです」
「俺は『男』だよ。裸の胸を誰に見せようと問題ないじゃないか?」
「そうですけど、そのなんと言うか……」
「ノリオ。自分の気持ちに正直になりなよ。俺の女装した姿に魅力を感じているんだろ?」
「……は、はい!」
ノリオは悩んだ末に答えた。
「ノリオ。悩む必要はないよ。西暦時代とは違って、現在では男性と女性両方を恋愛や性欲の対象にしても、法律的にも道徳的にも罪じゃないんだ」
「は、はい。ありがとうございます」
「それじゃあ、ノリオ。俺と付き合ってくれる?」
それにノリオが答える前に第三者の声が割り込だ。
「ノリオ二等宙士!私の方を見ろ!」
ノリオが小川艦長に目を向けると、彼女は上半身裸になっていた。
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