第五十八話 カグヤ・シティ その13
「あの、ノブヨさんには露出趣味があるんですか?」
ノリオの質問にノブヨは少し怒って答えた。
「馬鹿!何で私が露出趣味なんて話になるんだ!」
「だって、僕の前で簡単に裸になるじゃないですか?」
「言っておくが、男の前で私が裸になるのはお前が初めてだ」
「えっ!?だって、ノブヨさんは何人もの男の人とお付き合いを……」
ノリオは自分の記憶を探った。
ノブヨは学生時代から低重力レスリングの選手であった。
低重力レスリングは跳躍暦になって開発されたスポーツで、低重力の環境でレスリングを行い。低重力下で跳んだり跳ねたりできるので、普通のレスリングよりも試合が派手になる。
ノブヨは学生時代も航宙自衛隊に入隊してからも低重力レスリングの世界選手権やオリンピックで何度も優勝している。
「確か男子の選手とお付き合いをしているというのが何度か報道されませんでしたか?」
「うん、何人かの男子選手と付き合ったことがあるのは事実だ。だが、彼らの前で私は裸になったことはない」
「えっ!?それはどういうことで?」
「具体的に説明しよう」
ノブヨは全裸のままノリオが横になっているベッドに座った。
「男と女が付き合っていればベッドをともにしようとする。それは分かるな?」
「はい」
「私が男役で、お前が私の役だとするぞ。分かるか?」
「ちょっとややこしいけど分かります」
「私は初めてだからどうしたらいいのか分からず。今のお前のように服を着たままベッドに横になっている。男の方が私の服を脱がせようとするんだが……」
「が?」
「『ごめん。君はあまり乗り気じゃなかったんだね』と男の方からやめてしまうんだ。そんなことが毎回続いた」
「えっ!?どういうことです!?」
「私も最初は理由が分からなかったが、何度か同じ事を繰り返している内に分かった。私は緊張のあまり相手をにらみつけているような表情になっているらしい。それが拒否しているように相手には見えていたらしい」
「ああ、分かります。ノブヨさんは美人ですけど、キツメの美人ですからね」
「そして、私は自分で言うのも何だが同世代の自衛官では一番昇進が速かったんだ。私の男の知り合いは低重力レスリングの選手がほとんどだった。そして低重力レスリングの選手には自衛官が多い」
「それって、男友達のほとんどがノブヨさんより階級が下になったから、お付き合いををしにくい感じになったということですか?」
「そうだ」
「階級を言うなら僕は一番下の二等宙士ですよ?」
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