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第四十六話 カグヤ・シティ その1

 日本国航宙自衛隊宇宙護衛艦「しなの」は、新大江戸星系から太陽系に「リング」をくぐり移動した。


 太陽系の地球の月にある十二個の「リング」はくぐらなければ、どこの星系に行くか分からないが、他の星系から「リング」をくくれば太陽系にしか行かない。


 宇宙護衛艦「しなの」は月に到着すると、日本が所有する月面都市であるカグヤ・シティに着陸した。


 カグヤ・シティには航宙自衛隊航宙艦隊司令部がある。


「それでは失礼いたします」


 航宙艦隊司令の執務室から「しなの」の艦長であるノブヨ・小川一等宙佐は退室した。


「失礼いたします」


 同じく「しなの」の乗組員であるノリオ・大原二等宙士も退室した。


「さて、航宙艦隊司令への挨拶は済んだ。ノリオ。街に遊びに行こう」


「あの……小川艦長……」


「ノリオ。ここから先はプライベートだ。『ノブヨ』と呼んでくれ」


「艦長を呼び捨てにするのは抵抗があります。『ノブヨさん』と呼んでもいいですか?」


「仕方がない。妥協しよう」


「それで、小川艦長……じゃない。ノブヨさん。本当に僕と『ノブヨさん』と『サクラコさん』と『ハナちゃん』の四人で街に遊びに行くんですか?」


「ノリオ。まさか私を仲間外れにして、三人で遊びに行くつもりか?」


「いや、そう意味じゃないですよ!美女、美少女、美幼女の三人と僕が遊びに行くという状況が現実だと信じられないので、まるで……」


「君が好きなハーレム物のラノベ・漫画・アニメみたいか?」


「な、なんで!?それを知っているんですか!?」


「君の持っている。携帯端末で購入した電子書籍、動画の履歴を見ればすぐ分かる」


「そ、それってプライバシーの侵害じゃ!?」


「安心しろ。『ラッキーパーソン』である君のプライバシーについてはトップシークレットになっている。君の直接の上司である私しか知らない」


「いや、それならノブヨさんに僕のプライバシーは筒抜けじゃ!」


「細かいことは気にするな。外でサクラコとハナちゃんが待っているぞ。早く行こう」


 ノリオたちは司令部から出た。


 外にはサクラコと見知らぬ幼女がいた。


 幼女は黒髪をツインテールにしていて顔立ちはサクラコに似ていた。


「サクラコさん。その子は誰なの?ハナちゃんはどこ?」


 ノリオの質問に見知らぬ幼女が答えた。


「ノリオお兄ちゃん。あたしです。あたし!」


 幼女の声はハナの物だった。


「ハナちゃん。その姿はどうしたの?」


「変装キットを使ったんです。プライベートで外出する時はいつも変装しています。素顔のままだとファンに囲まれちゃいますから」


 変装キットは有名人などのために販売されている物で、顔の回りに立体映像を展開しており、別人に変装することができる。


 肉眼で見ると変装した顔しか見えないが、犯罪に悪用されるのを防止するため防犯カメラには素顔が映るようになっている。


「なるほどね。でも、何でサクラコさんに似た感じなの?」


「これなら『サクラコお姉ちゃんの妹』に見えて自然でしょ?」


「そうだね」


「ところで、ノリオお兄ちゃん。あたしはカグヤ・シティで行きたい所があるの」

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