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いじめなのですっ!
「リーレイン・アウテリア、それは、どういう……」
「言葉のまんま、ですわね」
リンは、にこにこと笑った。
「もしや……しょっちゅう、消ゴムがなくなっていたのは……」
「私ですわね。丁度、消ゴムがなくて、困っていたので、つい」
「オレの好きな定食がオレが行った瞬間に売り切れになったのもっ?」
「美味しくいただきましたわ」
「……話してる途中、申し訳ないが、アウテリア嬢。それは、いじめではなく、嫌がらせでは……?」
見かねたのか、王子の隣に、立っていた侯爵子息が、口を挟んできた。
「そ……そんなことないですわ。他にも、いじめましたものっ」
「……それは、」
「王子殿下の恥ずかしい過去を、高値で語りましたわ。それと、殿下が、欲しがっていた、子馬を先に買ったり、殿下より、成績を優秀に修めたり……あとは、」
「いや、それただの嫌がらせです。」
「わ…私が、いじめていたと言えば、いじめなのですっ!」
リンは、顔を真っ赤にしながら言った。
「………アリスではなくて、オレに……」
王子は、ブツブツと呟いていた。
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