九重 宇佐
皆さん、こんにちは。飛鷹 樹です。
今回は『超常現象研究部』のメンバーの1人を出しました。
どのようなキャラか私なりに表現したつもりです。
九重 宇佐は可愛い少女だ。
いや、可愛らしい少女という表現が合うのかもしれない。
現代の女子高生にしては小柄な高学年の小学生並の身長、痩せてもいない太ってもいない標準体型。
制服は着崩さずに着用しているが、スカートは短くしており太ももには白いニーハイソックスが履かれている。そして足には黄色い紐で左右が縛られているオレンジ色の運動靴。
蜜柑のようなオレンジ色の綺麗な髪は左右を白いリボンで可愛いく縛り上げられ彼女の肩に付き、世間で有名なツインテールという髪型になっている。
まだ幼さが残るような顔の中に一際目を引く、まるで団栗のように丸くキラキラと彼女の視界に入る物全てに向けられている、オレンジ色の髪より濃い茶色に近いオレンジ色の瞳。
前髪は眉の上で整えられ、必然的に見える眉は弄られておらず髪と同じ蜜柑のようなオレンジ色をしている。
九重宇佐は純粋に1つ1つの出来事に感動し、時には本音を晒し周囲の人間を良くも悪くも唖然とさせてしまう活発的で人懐っこい性格である。
その性格と外見により大半のクラスメイト達は彼女をマスコットのように扱い、彼女自身もそのポジションが気に入っているのかクラスの中心に近い人物へとなっている。
「ねぇ、センちゃん。さっきは何で冷たかったの?」
自分の席で座り本を読み休み時間を過ごしている八雲仙太郎に対し、机を挟み立ち見下ろすようにして九重宇佐は問う。
黒を基調にした男子とほぼ同じブレザーデザインの女子用の制服の胸元の赤いリボンが仙太郎の視界へ入るが彼は何も見えていないかのように本を読み続けた。
「センちゃんがずっとそうするなら、こっちにも考えがあるもんね。・・・センちゃんってぇ、幼稚園の時に劇で女の子n・・・」
「ちょっ!やめろよ!! 会話をするから、人の過去を暴露するな、ウサ!」
周りに聞かれないくらいの声量で仙太郎は、本へ向けていた視界を驚いた顔と共に小さく宇佐へ向けた。
そんな仙太郎を見て宇佐は「えへへ~♪」と満足そうな笑みでイタズラが成功したかのように笑った。
仙太郎は読んでいた本へ栞を挟み、次の授業の用意として重ねてある教科書とノートの隣へ置くと、宇佐をめんどくさそうに頬杖を付きながら見つめた。
「・・・授業中の私語は控えるだろ、普通。」
「おぉ!センちゃん、真面目だねぇ。」
「真面目じゃなく、それが普通なんだよ。」
「だって、授業中は眠くない?古文の授業なら尚更だよ?」
「お前は古文の先生を中心に授業という勤務をしている先生方へ謝ってこい。」
仙太郎の言葉1つ1つに対し、宇佐は嬉しそうに表情をまるで百面相のようにコロコロ変える。
そんな宇佐を仙太郎はめんどくさそうに見つめ続けていた。
次の授業を告げる呼鈴がスピーカーから流れたのを聞き、宇佐は残念そうな顔を仙太郎へ向けた。
「じゃあね、センちゃん。お話ししてくれて、サンキューね。」
仙太郎へ手を軽く左右に振り、宇佐は小走りで自分の席へ戻り始めた。
気だるそうに仙太郎は手を振り返しながら宇佐を見送ると、授業を受ける姿勢を教卓へ向けた。
仙太郎の斜め左後ろでは慌てながら教科書とノートと筆記用具を自分の机の上へ叩きつけるように引っ張り出す宇佐の姿があった。
「次の授業の用意ぐらいしてろよ。」
仙太郎は宇佐の方を見ずに、誰にも聞こえない声で静かに呟いた。