表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超常現象研究部の活動記録  作者: 飛鷹 樹
14/14

教育的指導

仙太郎と宇佐のやり取りがまた書きたくなった結果、いつもより騒がしくなってしまいました。

勢い良く部室の扉をガラッと開け、両腕に抱えるようにしてコピーしてきたビラを持った宇佐と綾が戻ってきた。


「ただいま~。コピってきたよー。」


「えっと、100枚くらいで良いかな?」


バニーガールの衣装が気に入っているのか、仙太郎が部室へ来た時から変わらない格好の宇佐。

そして、そんな宇佐の隣では先ほど制服を脱がされかけていたことがよほど嫌だったのか制服をいつも以上に綺麗に着こなしている綾。


「2人ともご苦労様。助かったよ。」


「お客様、来てくれたのね。ウサ、嬉しい♪ウサ、新作のお洋服買って欲しいなぁ~。」


2人へ礼を言う仙太郎の膝へ宇佐は向き合うように座ると、仙太郎の首へ頭を擦り寄せながら甘えるように言った。


「バカやってないで、さっさと膝から降りろ発情ウサギ。」


宇佐からの冗談へ冷たく返事をしながら、仙太郎は宇佐のとある部分への違和感を感じた。

しぶしぶ自分の膝から降りる宇佐の全身を爪先から頭まで改めて見てみる。


(やはり違う。パッと見では気付かないが、よくよく見たら形がおかし過ぎる。)


仙太郎と玄海は宇佐の違和感の正体に何となく気付いた。

考えて行動に移せない仙太郎より口と手が両方出るタイプらしい玄海が先に「ウサさん」と宇佐へ声をかけた。


「どったの、ゲンちゃん?」


宇佐は自分を呼んだ玄海の方を振り向きコテンと小首を不思議そうに可愛らしく傾げた。


「ウサさん、言いにくいんスけど・・・胸の形が少し変っス。何か胸に入れて詰めていませんか?」


玄海の指摘と仙太郎の指摘は同じだったらしく、仙太郎も「同意見」と言わんばかりに宇佐の胸を見つめた。

宇佐は2人へ体を向き直すと「ふっふっふ」と含み笑いをしながら、バニーガールの衣装の胸元の隙間に自ら手を入れてゴソゴソと何かを取り出し始めた。


そして「ジャジャーン!」と高らかに掲げられた宇佐の両手には、宇佐の小さめな掌にスッポリと収まるくらいの小さな肉まんが握られていた。

小さな2つの肉まんが抜けたバニーガールの衣装の胸元は所々に荒い小さなシワがあるが、すぐに宇佐が人差し指と中指の2本で直すといくつかの微妙なシワが残っただけでずり落ちそうな様子はない。


「何と!パッドの代わりに私はスーパーで買った小型の肉まんで自分の胸を大きく見せていたのだ!」


「食べ物で遊ぶな!アホウサギ!!」


ドヤ顔で言い肉まんを両手で持ったままの宇佐へ、仙太郎は誰もが1度は幼少期に大人から言われた言葉を言った。

軽い叱咤の言葉と共に両方の頬を仙太郎の両手により、左右へそれぞれ引っ張られながら「いひゃい!いひゃいっへば!」と間の抜けた悲鳴で叫ぶ宇佐を助ける者はいなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ