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超常現象研究部の活動記録  作者: 飛鷹 樹
11/14

部の略した呼び方

相変わらずシンプルな文章で書いてます。

読みやすさを重視にしているつもりです。

「部活の愛称みたいな呼び方?」


仙太郎は案を出した本人、玄海へ聞き返した。


「ハイっス。皆さんには失礼だと思っていますが、部活の名前が長いっス。オレ的にはもう少し短く呼びたいんス。そうじゃないと長くて言いづらいんス。」


玄海の案に宇佐は玄海からもらった高級メロンパンを食べながら「良い案だね。」と同意する。

綾はその様子を見ながら宇佐と同じく高級メロンパンを上品に食べている。


「あたしも、この部の名前「超常現象研究部」って長いと思っていた。」


「なら、どうして部の名前をそれにしたんだよ部長。」


仙太郎は宇佐へ聞いた。

宇佐は無い胸を張り、フフンとドヤ顔をして仙太郎へ向く。


「名前がカッコイイから。それと部員みんなで1つの疑問を調べて解決する、って青春っぽくて良いと思ったから。 」


仙太郎は宇佐の返答の意味がわからなかった。

綾と玄海は「楽しそうね。」「最高っスね、それ。」と口々に宇佐の返答への感想を述べている。


(楽しそう?最高?確かに言いようによっては青春っぽいけど意見の出し合いとか面倒くさいだろ?)


まるで自分だけが違う世界へ迷ってしまったような感覚を仙太郎は感じた。


「ってなワケで、何か良い略した呼び方ある?」


宇佐は食べ終えた高級メロンパンの包みをグシャグシャに丸めながら、3人の顔を見回した。


「ごめんなさい。私、こういうの苦手で・・・略した呼び方が考えつかないの。」


綾は困ったように宇佐へ申し訳なさそうに言う。


「アヤちゃん、無理に考えなくても良いよ。ただ「これとかどうかな?」程度の気楽な気持ちで考えれば良いんだから。」


「そうっスよ、アヤさん。部員の中での部活名の呼び方、ニックネームみたいなもんっスから。」


そんな綾に宇佐と玄海は真面目に考えず、気楽にするように語りかける。


「うーん・・・「しょうけん」とかどうかな?超常現象研究部の名前の「象研」部分で略してみたんだけど。」


「悪くはない呼び方っスけど、もうワンパンチ欲しいっスね。」


宇佐と玄海は思いつく限りの略した呼び方を言ってみるが、どれもピンと来ないようで仙太郎と綾も「うーん・・・」と微妙な顔をしている。


「げんけん(現研)!じょうしょう(常象)!えっと・・・えっと・・・。」


考えつかないのか、宇佐は両手を自分のこめかみに当て唸り出した。


「ちょうけん(超研)・・・とか、どう・・・かな?」


綾の案を聞き、その場が急にシンと静まった。

綾は発言した事を悔いているのか「ごめんなさい。」と何故か謝りだした。


「良いよ!それ、しっくり来る!!ちょうけん・・・ちょーけん・・・うん♪」


宇佐は気に入った事を表すように、いつもより明るい口調で綾の略した呼び方を呟いて満足そうに頷いた。


「さすが、アヤさん。センス良いっスね。」


玄海も綾が略した呼び方を良く感じたらしく、尊敬の眼差しで綾を見つめる。

綾は照れ隠しか恥ずかしいのか、食べ終えた高級メロンパンの包みを綺麗に畳み始めた。

仙太郎も異論はないのか「賛成。」と右手を自分の右肩近くで上げ、掌をみんなに見せた。


「では、うちの部「超常現象研究」の略した呼び方は「ちょーけん」に決定しました!これから、それで呼ぶからよろしくぅ!」


宇佐は自分以外の3人へ嬉しそうに言う。

綾と玄海も宇佐程ではないが、嬉しそうにしている。

仙太郎は特に何も思っていないのか、普段と変わらない表情で3人を見ていた。


「コホン、えー・・・それでは素敵な我が部の呼び方が決まったので早速、勧誘も兼ねてのビラ配りをしたいと思います。」


宇佐はわざとらしい咳払いをしてから、少し賢そうな口調で部員3人へ伝えた。


「ビラには、うちの部の正式名と略した呼び方、その両方を必ず書く事!依頼は「ちょーけん」の超絶可愛い完璧美少女・九重 宇佐へ!と書いてね♪キャッ!本当の事を言ってウサ、恥ずかしい~。」


「くねくねするなよ、発情ウサギ。とりあえず部の正式名と略した呼び方、依頼の出し方。内容は超常現象の善処を尽くした解決。注意、ボランティアではない。それぐらいを書き、空いている隙間に何か絵でも描いたら良いと思う。」


宇佐のビラの案の必要な部分と付け加える部分を仙太郎は話し、玄海と綾を見た。

2人とも理解をしてくれたのか頷き、了解の意志を表現している。


「ビラの大きさは各自に任せる。放課後にコピーをして校門近くを中心にしてビラを配ろう。授業中にビラ作成は禁止。授業教科担当の先生から没収され呼び出されたりしたら、この部が悪く言われたり思われたりする可能性がある。」


仙太郎から授業中のビラ作成は禁止と言われ、玄海はしようと考えていたのか青ざめた顔をしている。


「大変だとは思うがビラ作成をよろしく頼む。それでは、また放課後に。解散。」


昼休みがあと10分くらいで終わる事を壁時計を見て確認した仙太郎は早々に全員へ解散の号令をかけた。

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