プロローグ
こんにちは。初めまして。飛鷹 樹です。
この度は数多くの作品の中から私の作品『超常現象研究部の活動記録』を選んで下さり、ありがとうございます。
この作品は主観的な三人称からの文章となっております。
初めてこのようなサイトへ機械音痴な私が誤字脱字、操作ミスもなく無事に小説を最後まで作成し載せる事が出来るか正直不安がありますが、更新が多少遅くても載せれる限り載せていきたいと思います。
気持ちの良い空だ。
雲1つ無く晴れていて春特有の冷たい空気の中にある日差しの暖かさが、まるで絶好のお出かけ日和であると言うように降り注ぐ。
校舎近くの木々には桃色の桜をあちこちに少しだけ含んだ葉桜がいくつかあり、春である事を視界で伝えている。
だが、そのような季節の移り変わりを感じる時間も潰し、学生達は新しいクラスで勉学に励まねばならない。
そう、誰にでも学生時代というのは平等に与えられ、青春の謳歌の仕方も自由で平等なのだ。
年を老いた男性古文教師の声が読経のように響く午前10時過ぎ。クラスの何人かが授業に飽き、居眠りや友人同士の手紙のやり取りをしている中、彼も退屈そうに授業を聞いていた。
だか、退屈を感じながらも周りのように何かをするわけでもなく頬杖を付きながらも教師が黒板に書いた内容をノートへ書き写している。
教室の廊下側に近い前からも後ろからも3番目の列の真ん中の席に彼、八雲 仙太郎はいた。
自称・取り柄のない普通のどこにでもいる高校2年生。
栗色のような焦げ茶色のやや癖のあるように跳ねた少し無造作に長いスポーツ刈りで普通体型に最低限の筋肉のついた体質、垂れ気味の黄色掛かった目が特徴だ。
黒が基調のブレザーの制服を着崩さずに着ている事から彼の人間性がわかる。
制服の胸の青いネクタイも制服同様、ビシリ!なんて効果音が付きそうなくらい綺麗に締めている。
彼は勉強、スポーツ、全てが可もなく不可もない。
クラスでもあまり目立たず、休み時間はたまに近くの生徒と当たり障りのない雑談をして過ごすが基本1人を好む。
そんな彼は、ただ普通に毎日を一定で過ごす事だけを願っている。
(普通。なんて素晴らしいんだ、普通!)
彼は誰かに伝えるわけでもなく、心の中で呟き必死にニヤケを押さえていた。
結構、妄想をするタイプのようだ。
(朝起き、学校へ行き、そして授業を受けて帰る!何事もトラブルも無く過ごせる素晴らしさよ!)
もし今が授業中でなければ、彼は鼻歌を歌っているのかもしれない。
彼はご機嫌な状態を押さえ込むようにニヤケを我慢しながらノートへ集中した。
「センちゃん、眠くないの?」
斜め左後ろから幼さが残るような可愛らしい女子の小声が聞こえた。
普通の思春期真っ只中の高校生男子ならば女子からの問いに返事をしたりするだろうが、仙太郎はこの声を聞くと顔色をさっきまでのニヤケ顔とは180度変え、まるで誰かに助けを求めるような情けない顔色へとなっていった。
「頼む、授業中は静かにしてくれ。っていうか、学校ではなるべく話しかけないでくれ。」
小声で仙太郎は、自分を呼んだ相手へ振り向き冷たく応えた。
授業中に自分へ授業とは関係ない事を聞いた事への怒りも入っているのだろうか。
不機嫌そうな怒りを含んだ声である。
声の主は「むぅ・・・」と唸りながら唇を尖らせ、机へと頭を擦りつけるように顔を突っ伏した。
オレンジ色の髪を白いリボンで左右に結んであるツインテールがゆらゆらと揺れる。
そして、そのまま机へ顔を突っ伏し大人しくなったかと思うと白のニーハイソックスにより鮮やかさが強調されているように履いているオレンジの運動靴を仙太郎の方へと足で蹴りあげた。
当然、意思を持たない運動靴は小さな弧を空中で描きながら足の力と蹴りあげた人間の技術により狙った方向へと飛んで行く。
彼女が狙った方向、それは先程自分を少し冷たくあしらった仙太郎の座っている椅子に安心して任された仙太郎の尻へ向けてである。
ぽすっ!
間抜けな音を出しながら、器用に狙った場所へ当て満足気に口元でニヤリと小さくイタズラに成功したように笑う彼女と・・・。
「・・・っ!?」
予想だにしなかった地味な攻撃により、状況を瞬時に理解して彼女を軽く睨む彼・八雲仙太郎。
(頼むから、俺に平和という普通をくれよ~!)
彼は尻に当てられた彼女の運動靴を拾わずに、頭痛により苦しむ人間のように上半身を前屈みにしてシャーペンを持ったまま両手で頭を抱えた。




