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死夢現間  作者: 戌尾 昴
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夢想の猛者と超えるべき壁

死夢現間で大会が開催! 其処には猛者達が集った! 遅群は彼らを掻い潜ってあの男と戦えるのか!? 死夢現間の管理者が登場! ここから遅群は複雑な宿命に巻き込まれていく! 

     死夢現間~夢想の猛者と超えるべき壁~


死夢現間の奥底――

そこには一人の女性が檻の前に立っていた。

(女性)「この戦いで彼(遅群)の今の実力が分かるわ さすればあの力を持つ者を託すに価する者だと証明される! そうしなければ……世界は本当の意味で終りを告げてしまう」

檻の中から強烈な咆哮が女性の方まで聴こえて来た。

(女性)「力が更に増している! フェンリルの力さえも凌駕するのも近いわね」

その時、天雲が女性の元に現れた。

(天雲)「また、此処に来られたのですね」

(女性)「…天雲、奴はもうじきフェンリルを超える恐ろしい存在となるでしょう」

(天雲)「…大丈夫ですよ、この檻はフェンリルさえ破れない完璧強固な檻です 即ち、この中に居る者は永久的に外へは出られません どんな力を使ってもこの檻を壊す事は不可能! こちら側に居る貴女が解く以外に方法は在りませんよ …死夢現間の管理者である貴女以外には」

(女性)「…そうね」

(天雲)「本題に戻しますが光武祭の参加者が全員集まりました 準備も万端です …後は貴女様の試合開始の合図を待つだけです」

(女性)「…そう、ならば急ぎましょう」

女性と天雲は地上に急いで向かった。

その頃、地上では三つのグループに分かれていた。

(遅群)「…俺とあいつは別のグループか…運が良い」

その時、中央の舞台に天雲と女性が現れた。

(天雲)「皆の者、これから試合の合図をする。だが、その前に光武祭のルール説明と歴史を説明する」

【光武祭…歴史は古く、旧石器時代から開催されている。当初はある生物(?)の暇つぶしを兼ねた祭りだった。だが、今ではお互いの実力を見極め殺し合い(死ぬ事は無い)になり皆が手加減無しで攻撃して行く祭りに変わって行った。そこで死夢現間の四代目の管理者が光武祭の祭りを殺し合いでは無く多くの者を護れる戦士を見つけ出す祭りへと変えた。それからの光武祭は変わっていない】

【光武祭のルール…1、三つのグループに別れてバトルロイヤル。2、グループで3人残ったら試合終了。3、その後、中心に在る試合会場に移動して9人入り乱れてのバトルロイヤル。4、最後の一人になった時、試合は終了して生き残った最後の一人が優勝となる。5、優勝者には管理者から特殊な力を授かる】

(天雲)「――以上だ。後は管理者であり卑弥呼の子孫である卑紅舞ひくま様から試合の合図を――」

(卑紅舞)「えぇ、これから勝負を始めます。健闘を祈ります!」

卑紅舞の試合開始の合図と共に花火が打ち上がった。

戦士達は戦い始めた。

遅群は他の戦士達を一掃していた。

(遅群)「これ位なら修行の意味も無いか」

その時、遅群の目の前に双澤 龍忍が現れた。

(遅群)「双澤さん」

(双澤)「久しぶりだね、それに他のグループには杜村 帝も参加している。我も三人の一人に残らなくてはならない」

(遅群)「それは俺も同じです。俺は――」

(双澤)「言わなくても知っている。例の一部始終を見ていたからな」

(遅群)「…取り敢えず、決勝で勝負です」

(双澤)「ふむ」

そう言って二人は拳を合わせて別れた。

その頃、男性はボクシンググローブ(先端に棘付き)で数百人を倒していた。

(男性)「軽い! これではあいつ(遅群)との決勝まで俺は準備運動さえ出来ない」

男性は更に進んだ。

その頃、遅群は一人の強敵と会っていた。

(遅群)「こいつ…強過ぎるだろ」

遅群が攻撃を仕掛けるが遅群の攻撃を軽くかわして行った。

(遅群)「攻撃をかわす時、必ず足と手の動きだけで読みとる。相手の目を見ないで……この方法は球技系に最も存在する攻略法の一つ」

遅群は何度も攻撃を仕掛けるが相手は全ての攻撃をかわし続ける。遅群は諦めたのか相手に歩きだした。相手は左手を首に掛けて締め始めた。

(遅群)「…バトルロイヤルの敗退条件その一、相手の手首・足首、首を切断して戦闘できなくする事…その二、相手の気を失わせる…今のお前は俺と繋がっている。それが勝敗を分けた」

遅群はにやけると相手の首元を斬ろうとするが相手は右手で日本刀を弾いて吹き飛ばした。

(遅群)「やっぱり、服の下には鎧を着ていたか……だが、言ったよな【俺と繋がっているのが敗北だと】と…」

その時、相手は何かの衝撃が襲い口から吐血した。相手が腹を見るとさっきまで遅群が持っていた日本刀が遅群と相手の腹を突き抜けていた。

(遅群)「こんな事もあろうかとイメージした武器(日本刀)は俺との意思を同調させて俺の手元から離れても俺の思い通りに出来る様にしておいた! 詰り、俺とお前を刀で腹を貫かせた」

その時、日本刀が回転した。

(遅群)「此処では死にはしないが痛みはある。気を失うことだってある。これからが勝負だ。俺とお前、どっちが気を失うかだ!」

日本刀の回転が更に速くなった。遅群と相手は苦しみが耐えていた。遅群は痛みを堪えながら更に回転の速度を速くした。相手はその場に崩れた。

(遅群)「…そもそも、俺の勝ちだった。俺は最初から…回復の眼(緑色の眼)で傷口の痛みを最小限に抑えていた。俺は…まだ、負ける訳にはいかない!」

遅群は傷の回復に集中する為に座った。其処を隠れて見ていた狙撃手が遅群を狙おうとするが狙撃手の背後から双澤が現れて狙撃手の両腕・両足・首を日本刀で切断した。遅群は近くで物音がして臨戦態勢に変えた。遅群の目の前に現れたのは双澤だった。

(遅群)「龍忍か……何しに来た?」

(双澤)「…もうすぐ決着が着くだろう。お前は何人やった?」

(遅群)「俺は今の人で丁度100人です」

(双澤)「儂は6351人だ 以外に少ないな」

(遅群)「それほど、臆病者が増えただけですよ?」

(双澤)「臆病では無く護る物(者)が無いだけだろうな 臆病とは言えん!」

(遅群)「以外に冷静ですね」

二人が談笑して居ると花火が三つ上った。

(双澤)「終了の合図だ」

(卑紅舞)【予選試合は終了…2時間後、中央の闘技場にて決勝戦を始めます。今回、生き残った者は二時間後に伝えます。それまでは自由行動です】

遅群は立ち上がり中心に歩いて向い始めた。

数分後、遅群と双澤が中心に着くと卑紅舞が急に遅群に抱き付いて来た。遅群と双澤は驚いた。

(遅群)「確か…死夢現間の管理者の……卑紅舞さん」

(卑紅舞)(…忘れているわね まぁ、普通よね)

(卑紅舞)「お久しぶりです。双澤さん」

(双澤)「卑紅舞…お前は何時から死夢現間の管理者に?」

(卑紅舞)「15年前よ」

(遅群)「双澤さん、卑紅舞さんの事を知ってるのですか?」

(双澤)「まぁ、儂が生前の時に使っていた《式神》の一体だよ」

(遅群)「……にしては結構元気だな」

(双澤)「そうだな」

(双澤)(…と言うか抱き付き過ぎだろ)

(双澤)「ところで、遅群は卑紅舞と知り合いなのか?」

(遅群)「…記憶にないです」

(卑紅舞)(やっぱり、覚えていないわね でも、その方が私の計画の進行に支障が無くなるわ …そもそも、私の計画を考えたのは貴方の過去が大きく関わっているのだからね)

その時、天雲が現れた。

(天雲)「卑紅舞様、こんな所に居られたのですか」

(卑紅舞)「天雲、私の邪魔をする気?」

(天雲)「いえ、貴女の個人的な事には口は挿みませんが……何故に遅群君に抱きついているのですか?」

(卑紅舞)「内緒よ♡」

(遅群)「一応、確認するけど、卑紅舞って何時亡くなったのですか?」

(卑紅舞)「私は1672年前に死んだのよ」

(遅群)「それって、自然死か?」

(卑紅舞)「……それを聴いて如何するの?」

(遅群)「…分からないけど、気になった」

(卑紅舞)「…興味本位で訊くのなら答えません♡」

(遅群)「…卑紅舞さんは双澤 龍忍の《元式神》だった経歴がある それは時代や時の流れに関係無く知る必要がある」

遅群は真剣な目で卑紅舞を見た。

(卑紅舞)「…自然死では無いわ 私は…殺されたのよ 杜村家の者に」

(遅群)「杜村家か…憎いか?」

(卑紅舞)「いいえ、憎まれて当然だから仕方ないわ」

(双澤)「当時、卑弥呼の一族は大きな大罪を起こしていた」

(遅群)「大罪?」

(卑紅舞)「今で言うと【詐欺】よ」

(双澤)「内容は大量生け贄詐欺……色んな村で危険と言う嘘をばら撒いて卑紅舞の一族が打開策として嘘の解決策を言って大量殺人を行っていた」

(卑紅舞)「生け贄が必要だと偽って大きな大量殺人を行って行った。…本当は私達が村を襲って行った」

(双澤)「呪いで村を襲い、その後に卑弥呼の末裔が解決策を伝える そうして、自分達が生け贄を行い続けて村を壊滅させる」

(遅群)「まぁ、上の者に逆らえないのと同じで大きな力を持つ者の言う事を鵜呑みにしてしまうのは良くあることだ。今も昔も…これからも」

(双澤)「その行動の中で唯一反対して居たのが卑紅舞だけだった。だが、一族の者は耳を貸さず、何十件もの村を壊滅させた だが、ある日、村の青年が卑弥呼の一族の言葉を疑い一人で調査をした そこで卑弥呼の一族が悪さを働いている事に気付いた青年は村に戻る途中で杜村家の者に遭遇して依頼した」

(卑紅舞)「…【卑弥呼の一族を滅ぼして欲しい】と言う依頼を杜村家の者は承諾して私達の一族は滅んだわ」

(双澤)「その時、反対派だった卑紅舞も殺された」

卑紅舞は恐怖心からか体が震えていた。遅群はそれを見て優しく抱きしめてあげた。

(遅群)「…俺にも恐怖心はある 理不尽な死は一番にムカつく!」

(卑紅舞)「…私は死ぬ覚悟はあったわ だけど、死を直前にした時に死にたくない気持ちが大きかった」

(双澤)「当然だ 我も封印する時にもっと行く末を見たいと願った」

(遅群)「取り敢えず、俺達はこうしてあっている其れだけは紛れもない事実だ 過去に後悔する事は多々あるが過去の後悔は《経験》としてこの先の選択肢を良い方向に変えられる力を持つ …それも然りだろ?」

遅群は笑顔で言った。

(卑紅舞)「…そうね。光武祭、頑張ってね」

そう言って卑紅舞は天雲と供に去って行った。

(双澤)「…どうやら、卑紅舞殿はお前さんを応援して居る様だな」

(遅群)「…期待には答えますよ 双澤 龍忍! 此処から本当の試合です 全力で掛かる!」

その頃、杜村 帝のグループではもう一人の最強が残っていた。

(杜村)「まさか、偉人が参加するとはね」

その人物は日本刀を持って丁髷だった。

(偉人)「儂が目標半ばで死んだ。だが、儂はこの戦で一番を目指してやる」

偉人はそう言うと一先に会場に入って行った。

(杜村)(…これだと、革命の子が現れても可笑しくは無いが……まだ、今回の光武祭には参加はしていない可能性があるだろう。彼は戦いを望まぬ主義だ。我等一族とは一線を隔す)

杜村は少し会場の周りを歩くと杜村が予測していた人物が屋台で食事を摂っていた。

(杜村)「お前は此処に居たのか」

(侍)「まさか、こんな場所で会えるとは……ほれ、クジラとシャチの肉合わせだ…食うか?」

(杜村)「食わないよ」

(侍)「…所で他の場所を見ていたが無茶をする輩が居ったぞ …確か、名は遅群 暁だったかな」

(杜村)「…そうか、我は急ぐからな」

そう言って侍とは別れた。

その頃、遅群の今回のライバルである男性は在る人物と話していた。

(男性)「悪魔が参加するとは驚いた」

男性の目の前に居たのはサタンだった。

(サタン)「我は在る者に頼まれて在る人物の強さを確認しに来た」

(男性)「在る男ですか…」

(サタン)「その男の名は遅群 暁……面白い男だと聞いてな 我は確かめに来ただけだ」

サタンは会場に向った。男性はサタンから遅群の名が出て来て男性は拳を強く握り歯軋りした。

その頃、現実の世界のある組織では――

(男性(獅血))「大変だ! 例の組織が動いたって情報が入った」

(女性(鏡魔))「監視カメラで情報収集したら国会議事堂に向っているわ!」

(男性(徳魔))「【特殊制裁班】出動だ!」

その頃、特殊討伐班では――

(墓道)「今、情報が入った。あの“グループ”が国会議事堂に向っている。仕事に向う」

(皆)『了解!』

その頃、ある組織では――

(男性(鬼孫))「緊急事態発生だ! 直ぐに国会議事堂に向う!」

(男性(林寸))「…分かった!」

その頃、死夢現間の決勝会場では試合が始めろうとしていた。

(実況者(女性)【今回の光武祭の決勝進出戦士は…玉グループから杜村 帝・織田 信長・曲瓊坂 八玉が決勝進出の戦士達だ。 そして、鏡グループから鮫塊さめかい 統太とうた・悪魔のサタン・咫鏡 八が決勝出場決定! 最後に剣グループからは双澤 龍忍・ 天雲 剣叢・そして今回の優勝候補にして現実で一度、杜村 帝を負かした男…遅群 暁が決勝進出だ】

出場戦士達が会場に入って来ると観客は歓声を上げた。

(遅群)「優勝は兎も角、鮫塊には勝つ!」

遅群の目は真面目な目に変わった。

(双澤)「杜村との戦も何百年ぶりになるかのう」

双澤は笑みを浮かべていた。

(鮫塊)「遅群…俺の方が正しいと言わせてやる!」

鮫塊は拳を強く握った。

(杜村)「龍忍との久々の戦いだ! 楽しみだ!」

杜村は日本刀を鞘から抜き右手に強く握った。

(織田)「…この勝負は我の天下統一の悲願の一つ」

織田は日本刀を持ち構えていた。

(サタン)「…彼(徳魔)の予測は恐縮だが強くは感じられん! …だが、《地獄神》になるお前(徳魔)よりも遥かに弱い!」

サタンは深く考え事をしていた。

(天雲)「我等、三種の神器が残るのは当然だが、遅群と鮫塊が残るとは驚いた」

(咫鏡)「…あの二人は誰かに感化されて出場を決めた」

(曲瓊坂)「あまり、勝負は好きじゃないのに光武祭では何時も我は決勝に出場してしまう。乗り気しないなぁ」

その時、試合の開始の合図が鳴ると一瞬で爆風が起きた。爆風が収まったフィールドを見ると天雲と曲瓊坂は剣がぶつかりあっていた。杜村と双澤も日本刀をぶつけていた。遅群と鮫塊は日本刀とグローブがぶつかっていた。織田とサタンと曲瓊坂の三人は即敗退となった。

(天雲)「曲瓊坂、お前、戦う気ねぇだろ!?」

(曲瓊坂)「ばれた?」

その時、二人を吹き飛ばす攻撃が放たれた。攻撃を行ったのは双澤だった。

(双澤)「龍豪剣…光凍爆撃!」

双澤は剣を地面に刺すと地面が急激に陥没するとフィールドが爆発した。

(杜村)「相変わらず馬鹿げている!」

杜村は態勢を変えて双澤の胸元に向けて日本刀を構えた。

(遅群)「邪魔!」

その時、杜村の背後から遅群が現れて日本刀の領で杜村を吹き飛ばした。

(鮫塊)「邪魔すんなぁ!」

双澤の背後から鮫塊が現れて双澤の顔に鋼鉄グローブを当てて吹き飛ばした。

杜村・双澤・天雲・曲瓊坂…戦闘不能にて決勝敗退。残り遅群・鮫塊の二名。

遅群は地上フィールドに降りた。

(遅群)「…全く、御先祖はドンだけの力を持っているのだが……」

遅群が上空を見上げると鮫塊が鋼鉄グローブを構えて遅群に放とうとしていた。だが、遅群は一瞬で鮫塊の背後(能力を使わず)に移動して鮫塊をフィールドに叩き落した。

(遅群)「…こんな物でやられる奴じゃ無いよな?」

鮫塊は地上から強烈な跳躍力で遅群に右ストレートを放った。遅群は日本刀でガードした。

(鮫塊)「俺のやる事は全てが正義で全てが正しい! お父様はそう言っていった!」

(遅群)「何もかもお父さんが解決してくれたお陰だろうが!?」

(鮫塊)「そうだ! 俺のお父さんは偉い! だから、俺は罪には問えない!」

(遅群)「……それで、彼女を殺しても良いと言う訳じゃない! お前にとって彼女は何だった!?」

(鮫塊)「物さ!」

(遅群)「物だと?」

(鮫塊)「そうだ! 所詮、女性なんて繁殖に必要な道具さ!」

その言葉に遅群は頭の沸点が切れて強烈な覇気と共に目を獣帝に変えた。

(遅群)「…女性だって生きてるんだ!」

遅群は一瞬で鮫塊の背後に周り日本刀の刃で鮫塊の右腕を一瞬で斬り切断させた。

(遅群)「…女性は繁殖に必要な道具じゃねぇ!」

遅群は更に左脚を斬り切断させた。

(遅群)「…痛いか?」

鮫塊は強烈な痛みで戦闘が出来ない状態だった。

(遅群)「…お前には大きな罪がある。……それは世界中の女性を敵に回した事だ。…そして、俺の怒りも堪忍袋レベルを既に超えた。覚悟は出来ているだろうな?」

遅群は日本刀を上から振り下ろした。鮫塊は左腕でガードしようとするが獣帝の力はガードが効かずに鮫塊の体を一刀両断させた。

(実況者(女性))【勝者…遅群 暁ぁぁぁ!】

光武祭の決勝は終了した。

(実況者(女性))「さて、これから卑紅舞様から良いプレゼントが遅群さんに授与されます」

台座の上には遅群が居てそこに卑紅舞様が上って来た。

(卑紅舞)「遅群 暁…この度の光武祭の優勝を称えよう。お主が光武祭で認められた新たな戦士。私からのささやかなプレゼントだ。受け取るが良い」

卑紅舞は遅群の頬にキスをした。

(卑紅舞)「これでお主には通常時でも《総霊視》が出来よう」

(遅群)「…ありがたき、御配慮」

(卑紅舞)「他にも色々とあるけど自分で確かめるが良い」

(遅群)「はい」

それをサタンは鮫塊を物の様に持って上空で見ていた。

(サタン)「成程な、確かに強い覇気を見た。だが、奴なら光武祭で一秒も経たずに今大会の決勝進出戦士は全員KOだった。だが、奴が死んだ先でもあいつの力が正しく働いていれば世界は平和であろう。だが、安全とは言えんが……」

そう言ってサタンは死夢現間から去り地獄の世界に戻った。

会場では歓声が響いていた。

(双澤)「…まぁ、子孫が優勝したのなら嬉しい事だ」

(杜村)「儂も好敵手の子孫が優勝なら良いだろう」

(織田)「儂より強い者が居るとは驚いた。だが、それを己の為では無く他の人に振るう事こそが武士の務めなり!」

織田はそう言って先に死後の世界に戻って行った。

(卑紅舞)「私はこれから大事な任がある。遅群…また、死夢現間に来る事があれば挨拶に来るがよい」

(卑紅舞)(その時、全てを語ろう。私が…いえ、昔の君が願った願いを――)

卑紅舞は去って行った。

(遅群)「さてと、俺も帰るか……」

遅群も現実の世界に戻って行った。

死夢現間の最深部――

そこにはヤトエルが居た。

(ヤトエル)「此処に宇宙を創造した獣が――」

その時、ヤトエルの左腕を卑紅舞によって一瞬で斬られた。

(卑紅舞)「あらぁ、異天使さんが“創造獣”に何か御用かしら?」

(ヤトエル)「卑紅舞か…異天使の推進状を断って死夢現間の管理者になった お前は何故、異天使の推薦状を断った!?」

(卑紅舞)「…私には願いが在るから、彼の願いの為なら世界を殺す事も厭わないわ! 今の彼が望んで居なくても…私には答える義務があるから」

(ヤトエル)「…お前は何を考えている!?」

卑紅舞はヤトエルに真実を語った。

(ヤトエル)「! 本気で言っているのか!?」

(卑紅舞)「えぇ、私は本気よ」

ヤトエルは灰色の羽根を卑紅舞に放った。

(卑紅舞)「異天使の力は対象者(消す相手)を世界から完全に消滅させる。だけど――」

その時、灰色の羽根が一瞬で全て消えた。

(ヤトエル)「何が起きった!?」

(卑紅舞)「対象者では無い者に当たっても消えるのが灰色の羽根の弱点」

ヤトエルが卑紅魔の周りを見ると透明な糸が張り付いていた。

(ヤトエル)「糸?」

(卑紅舞)「そう、私が式神としての能力は健在でね、私の力は糸で相手の行動に制限を付ける事…私の前から逃げられた者は誰一人として存在しないわ」

卑紅舞はヤトエルに糸を絡ませて拘束させた。

(卑紅舞)「…嬉しいと思いなさい。貴方はこれから、創造獣の餌になるのよ」

そう言うと卑紅舞は檻を一時的に外してヤトエルを檻の中に入れて檻を閉めた。するとヤトエルの元に創造獣が近付きヤトエルを容赦無く喰い殺した。

(卑紅舞)「…死夢現間では確かに死ぬ事は無い。だけど、喰う事に関して例外となる。……これで創造獣は異天使の力を手に入れたわ。もう少しで過去の彼の願いが成就させられる。そうすれば私の目的は一つ達成出来る」

卑紅舞は笑いながら死夢現間の最深部を後にした。

現実の世界――

遅群が目を覚ますと麟が目の前で武装した二人に人質となっていった。


これにて光武祭は終了! 次回、現実の世界で大変な事態となっていった。遂に特殊組織が集う時が来た!


死夢現間~夢想の猛者と超えるべき壁~ 完


死夢現間~特殊な殺し合いと特殊な巡り合わせ~ 続く――


遅群は大会に優勝して死夢現間の管理者の卑紅魔ひくまから恩恵を受け取った! 現実の世界では大きな事件が起きていた! そして、死夢現間の奥深くでは卑紅魔が異天使のヤトエルを謎の獣に与えて高笑いする! 卑紅魔とは何者で何を考えているのか!? 次回は現実の世界!

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