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死夢現間  作者: 戌尾 昴
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~夢界に閉じ籠る少年と百獣の眼~

作品はPCの【Microsoft word】に執筆した後にコピーしてこちらに張り付けているので可笑しな天がございましたお伝えください。……まあ、見る頻度は少ないですが(笑) 今回は主人公である遅群の恋人と家族が登場! 前回の事件が悲しき辛い真実を浮き彫りにする!

  死夢現間

~夢界に閉じ籠る少年と百獣の眼~


前回の話から数十日後――

遅群は自宅を失い調布市内を放浪していた。

(遅群)(あれから…数十日が経った…町の修復も活気も戻ってきているし…何時もの調布市に戻ってきている)

遅群は何時もの故郷に戻ってきている事に安堵していた。

(女性)「遅ちゃ~ん」

その時、遅群の背後から遅群を呼ぶ女性の声が聞こえた。

(遅群)「麟…如何した?」

遅群に声を掛けたのは遅群の恋人の三弓 麟【みつゆみ りん】だった。

(麟)「ちょっと、お願いがあって…」

(遅群)「お願い?」

(麟)「うん」

遅群と麟は近くの公園に移動した。

(麟)「実は…弟がこの数十日ずっと眠り続けているの」

(遅群)「弟って才【はじめ】が?」

(麟)「うん」

(遅群)(例の事件から全員解放された筈…恐らく自ら眠り続けているという事か)

(遅群)「仕方ない…協力は惜しまないけど…」

(麟)「有難う」

そうして、遅群と麟は林の弟がいる辰岐摩病院へ向かうと才の病室の前で一人の女性が立っていた。

(麟)「お母さん!」

麟の弟がいる病室の前には麟の母親の三弓 鱗【みつゆみ うろこ】が立っていた

(鱗)「麟…それに暁君お久しぶりね」

(遅群)「はい…お久しぶりです」

(麟)「それでお母さん…弟の様態は?」

(鱗)「今も眠り続けているわ」

(麟)「そう…」

麟はそう言うと遅群の目を見た。

(遅群)「分かっているよ」

遅群はそう言うと麟の弟の病室に入って行った。

(遅群)(…才君…君は…)

遅群は才の入院ベッドの左横に立つと両目を瞑った。

(遅群)(…如何して…現実の世界から逃げる…)

遅群が両目を開けると両方の眼球全体が紫色に変わった。そして暁は左手で才の左手に握った。

(遅群)(…君の心を見せてくれ…)

すると、遅群の精神は才の夢の中に入って行った。

(遅群)「…此処が…才君の心…」

遅群が来た才の夢の中は棘の木々が生い茂っていた。

(遅群)「…まるで心を閉じ込めている…だが!」

遅群は脳内で日本刀をイメージした。すると、目の前に刀が地面に刺された状態で現れた。

(遅群)「…君を救いに来た!」

遅群は日本刀を地面から抜くと棘を伐りかかった。だが、棘は遅群の攻撃を弾いた。

(遅群)「!」

すると、棘は意思があるかの様に遅群に襲い掛かって来た。

(遅群)(…不味い!)

遅群はギリギリで棘の攻撃を避けた。

(遅群)「このままじゃ…分が悪い…一旦、現実に戻るか」

遅群が目を瞑った。すると、現実の世界に戻った。(両目は普通の目に戻っていた)

(遅群)「ふぅ…危なかった」

すると、遅群の左隣に麟がいた。

(遅群)「麟…弟はここ最近(例の事件の前)に何かあったか?」

(麟)「そう言えば…3ヶ月前から暗い表情で家に帰って来ていたわね」

(遅群)「…やっぱり、才君は苛めを受けていた可能性がある!」

(麟)「え! 弟が苛めに!?」

(遅群)「まぁ、詳しい事は分からないけど才君の夢の世界を覘いたら棘の木々が生い茂っていて才君の影すら見えなかった…取り敢えず、俺はもう一度、才君の夢の中に入るから麟は外で母親と一緒に待っていてくれ! …麟の弟は必ず救って戻って来るから」

遅群は笑顔で言った。

(麟)「うん♡ …気をつけてね♡」

麟はそう言うと病室から出た。

(遅群)「あぁ…約束する」

遅群の両方の眼球全体が紫色に変わった。すると、才の左手を握った。

(遅群)「今助けに行く!」

遅群が目を閉じると暁は再び才の夢の世界来た。

(遅群)「君の痛みは理解出来るけど今の君は何も見えてはいない!」

そう言うとイメージした日本刀を背中から抜くと棘を伐りにかかると日本刀は弾かれる事無く伐った。

(遅群)「今回…イメージしたのは俺の一族に代々受け継がれている…宝刀【悪封】だ! …この刀は特殊で文字通り、悪を封じる以外にエネルギー体は全てを封じる事が出来る…恐ろしい刀だ!」

 そう言っているうちに棘を伐りながら前へ進んだ。

 数分後――

(遅群)「やっと、見つけたよ」

遅群の目の前には体育座りで暗い表情の才がいた。

(才)「貴方は…暁お兄さん」

才は目の前に立っている遅群に気付いた。

(遅群)「久しぶり! …早速だけどこの夢の世界から出よう」

遅群は才に手を差し伸べた。

(遅群)「嫌だ! 帰りたくない!」

才は遅群が差し伸べた手を拒否した。

(遅群)「…才君は学校で苛めを受けているからか?」

(才)「如何して!?」

才は遅群が夢の世界に籠っている理由を知っていた事に驚いた。

(遅群)「…やっぱりか 君はこの夢の世界は棘の木々で生い茂っていた。棘は痛みがする。それが君の痛みで痛みをするには何かの条件がある。才君は10歳だ。そこで君が痛みをする理由が学校にあると確信した」

(才)「そうだよ! 俺は何時も学校でも登下校中でも苛めをして来る…現実は嫌だ! この世界は凄く落ち着く」

(遅群)「お前なぁ それだと逃げているのと一緒だぞ! 逃げるのは好きなのか?」

(才)「逃げるのは……嫌に決まってる!」

(遅群)「だったら、苛めっ子達から逃げずに闘え! 君の信念が強ければ苛めっ子達も何時かは苛めを止めるから…もしも、苛めが続いても逃げずに闘い続ければ良い…それにお前の家族も心配してる!」

そう言うと遅群は穏やかな表情をしながら才に手を差し伸べた。

(才)「……」

才は何も言わずに遅群が手を差し伸べた手を掴んだ。

そして、遅群と才の二人は現実に戻る。

(才)「……」

遅群は穏やかな笑顔をすると病室から出た。そして、外では麟と麟の母親が待っていた。

(遅群)「才君は目を覚ましました」

遅群は才が目を覚ました事を伝えると麟と麟の母親は涙を流しながら喜ぶと直ぐに病室に入って行った。

(遅群)「さてと、もう一仕事するか」

遅群は病室を覘くとそのまま病院を後にした。

数時間後――

遅群は才が通っている小学校に来た。

(遅群)「此処に来るのは4年振りか」

そう言うと遅群は小学校の裏門から入って行くと来客用の入口に入った。

(遅群)「お久しぶりです」

遅群が声を掛けたのは警備員だった。

(警備員)「おぉ! 遅群君か! いやぁ、卒業してから一度も来なかったな」

(遅群)「いやぁ、色々と忙しくて」

 遅群は才の小学の卒業生だった。

(遅群)「今日は久しぶりに小学校の中を見回りたくて」

(警備員)「良いですよ」

警備員は軽く承諾してくれた。

(遅群)「有難う御座います」

遅群は靴からスリッパに履き替えると直ぐに小学四年生の教室に向った。

(遅群)「此処か…さてと、誰が才に苛めをしているのかなぁ」

遅群は両目を瞑ると両目を開けると両目の眼球全体が灰色に変わった。すると、教室の中が見えない壁の前に立った。すると、壁が透けて中の様子が見えた。

(遅群)「彼らか…」

遅群は教室の中にいる男子生徒6名が才を苛めていた者と確認した。すると、暁は両目を元に戻すと母校の中を見回っていた。

数時間後――

遅群は辰岐摩病院の屋上にいた。

(遅群)「…苛めが起きていたのはある意味だが町の活気が戻って来ている証拠かな」

遅群は少し微笑んでいた。

(麟)「遅ちゃん…」

遅群の後ろから麟が声をかけた。

(遅群)「麟…如何した?」

(麟)「さっき…家に戻る途中で墓道君が教えてくれたの…遅ちゃんの家が無い事を…」

(遅群)(あの馬鹿!)

(麟)「…でも、詳しい事は教えてくれなかった。…それで一つ言いたい事があるの…」

(遅群)「何?」

(麟)「あのね…家に来たら…」

(遅群)(…そうだなぁ、麟の家族は三人家族で麟の父親は俺達が9歳の時に亡くなっていて男手が無いのは色々と不便だろうしなぁ…)

(遅群)「…良いぞ」

遅群は麟の誘いに乗って三弓家の家に居候する事になった。

遅群と麟は病院の屋上で抱き合った。


死夢現間~夢の世界に閉じ籠る少年と百獣の眼~ 完


死夢現間~死の運命と想いの強さ~ 続く――


遅群は恋人の弟の夢を覚まして心を強く持たせた! そして、遅群は恋人の三弓家に居候となる! ここから事件は大きく動き出す! 真実は何所に在って人の心は何を求めて何を見失うのか!? それは誰にも分からない! 次回は死後の世界へ!

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