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死夢現間  作者: 戌尾 昴
1/33

三種の神器と遥昔な宿命

他の作品とリンクしている部分があります。ですが、それは同じ世界観と言うだけです。主人公は日本を救う事が出来るのか!?

   死夢現間

~三種の神器と遥昔な宿命~

              

この物語は四情狩林それぞれの苦しみと想い最終章の次の日の長い一日の出来事である――

 駒込にある幸葬寺のお墓の前で拝む青いシャツを着た男性がいた。

 その者こそ物語の主人公の遅群 暁【おくむら あきら】一九歳だった。

 遅群は幸葬寺で犬の墓参りをしていた。

(遅群) (エデン…俺は大丈夫だよ…お前のおかげだ)

 遅群はペットの墓参りを終えると幸葬寺から出て家がある深大寺まで歩いて帰って行った。

(遅群)(でも、昨日は驚いたなぁ…まさか実の息子達を父親が殺そうとするとは…世の中は壊れたのかねぇ)

 遅群はそんな事を思っていると後ろから車に轢かれた。

 遅群は近くの花屋の店員が気付き救急車を直ぐ呼んだ。

 数時間後――

 遅群が入院した病院に遅群の友人の墓道 桂【はかみち かつら】が駆け付けて来た。

(墓道)「暁が車に轢かれたって本当か?」

 墓道は、病院の看護婦で遅群と墓道の小・中学校の同級生だった淵浪 天子【ふちなみ あまね】に訊いていた。

(天子)「ええ」

(墓道)「あいつは無事なのか?」

 墓道は淵浪に遅群が無事なのか訊いた。

(天子)「一応無事だけど…今日の早朝に担ぎ込まれて今も昏睡状態が続いているの」

 淵浪は遅群が未だに昏睡状態が続いていると言った。

(刑事)「駒込署の者です。被害者の遅群 暁に事情聴取をしたいのですが……」

 墓道と淵浪が話をしていたら駒込署の警察がやってきた。

(知行)「…あれ、お前…知行か?」

 墓道は警察官を見て小学校の同級生だった知行 蒼【しるたび しげる】だった。

(知行)「…桂か!」

 墓道と知行は拳と拳を合わせた。

(墓道)「蒼、何でいる?」

 墓道は知行にどうしてここに居るのか訊いた。

(知行)「実は暁が車に轢かれた一部始終を見ていて捜査に加わる事になった」

 知行は遅群が車に轢かれた一部始終を見ていた。

(墓道)「それで、車のナンバープレートは見たのか?」

墓道は知行に車体ナンバーを見たか訊いた。

(知行)「…いや、それが俺の視野内で起きたけど現場が数十メートル先で起きたから車のナンバープレートが見えなかった」

 知行は墓道に見ていない事を説明した。

(墓道)「…そうか」

 墓道は暗い顔をしていた。

(天子)「…さっきの事情聴取の件ですがけどそれは不可能なの」

 天子は事情聴取が無理と言った。

(知行)「どうしてですか?」

 知行は無理な理由を訊いた。

(天子)「遅群君は未だに昏睡状態なの」

 天子は無理な理由を説明した。

 その時、墓道達に近寄る大人が居た。

(大人)「知行!」

(知行)「先輩!」

 知行は近寄って来た男性に先輩と言った。

(墓道)「先輩って刑事さんか?」

 墓道は知行に訊いた。

(知行)「ああ、こちらは駒込署で俺の相棒で先輩の勉困 共気【かつこま ともき】警部補だ」

 どうやら男性は知行の先輩刑事だった。

(先輩刑事)「蒼!」

(知行)「はい! 被害者は未だに昏睡状態で事情聴取をするのは不可能です!」

 知行は勉困刑事に事情聴取が不可能だと説明した。

(先輩刑事)「そうか…取り敢えず看護師さん、被害者の病室に案内して下さい」

(天子)「はい」

 天子は勉困刑事と知行、墓道の三人を遅群の病室に案内した。

 遅群の病室――

(墓道)「暁…」

 遅群は未だに昏睡状態の姿だった。

(墓道)(必ず戻ってこいよ!)

 墓道は心の中で暁が戻って来るのを願った。

 とある空間――

(遅群)「ここは一体?」

 遅群は目を覚ますと空の色が虹色で地面は暗かった。

(女性)『まさか、貴方がここに来るとは驚いたわ』

 遅群の目の前には女性が一人と男性が二人いた。

(遅群)「…あんたらは?」

 遅群は目の前の三人が誰かを訊いた。

(喜四)『私は遅群 喜四【まつむら よしよ】…貴方のお母さんよ』

(凱玄)『俺は遅群 凱玄【まつむら よしつね】…お前の兄だ』

(白)『僕は遅群 白【まつむら しろ】君の兄だ』

 驚いた事に三人は暁の家族だった。

(暁)「…じゃぁ、ここはあの世なのか?」

 暁は三人に死後の世界と訊いた。

(白)『いや、ここは死後の世界では無く…三つの世界の狭間で通称【死夢現間】と言う場所だ』

 白が暁の問いに答えた。

(暁)「死夢現間?」

 暁は更に頭を悩ませた。

(凱玄)『簡単に言うと…先ずは三角形で言うと一番上が死後の世界で右が夢の世界で左が現実の世界で其の中心点が俺達のいる死夢現間って言う訳だ』

 凱玄は分かる様に説明した。

(暁)「ここから出る方法は無いのか?」

 暁は死夢現間から出る方法は無いのか訊いた。

(喜四)『ある事はあるけど…』

 喜四は言葉を詰まらせた。

(暁)「教えてくれ、母さん!」

 暁は必死に教えて欲しいと頼んだ。

(喜四)『…ここから出るには一度死後の世界に行って、現実の世界への大穴があってそこに入ると現実の世界に行く事が出来るの。でも、その前にある三人を倒すのが条件なの』

(暁)「三人?」

(喜四)『ええ、貴方も聞いた事がある三種の神器の品の名前が付いている人物達を倒さないと死後の世界には入れないの』

 喜四は暁に出る方法を説明した。

(暁)「急いで探さないと!」

 暁は三人に会う為に走って行こうとした。

(凱玄)『暁待て!』

 それを凱玄が止めた。

(暁)「何だよ!?」

(凱玄)『お前が行くのは止めないがこうやって会えたから剣道で一本やらないか?』

 凱玄は暁に剣道で一本やらないかと誘って来た。

(暁)「…そうだな」

 暁を凱玄との勝負を承諾した。

 暁と凱玄の二人は向い合った。

(凱玄)『お前はまだ死夢現間に来たのが初めてだ。この闘いで死夢現間のルールを覚えておけ』

(暁)「…分かった」

 凱玄は何所からともなく剣を出現させた。

(凱玄)『この世界は死夢現間…三つの世界の特徴を受け継いでいる…その一つ目は夢の世界の特徴自分がイメージすれば何処からでも物を出す事が出来る』

 凱玄は死夢現間の特徴も説明し始めた。

(凱玄)『お前もやってみろ!』

(暁)「…分かった」

 暁は凱玄の説明通りイメージをすると手元に剣が出て来た。

(白)『では…始め!』

 白が試合開始の合図を出した。

 先手を取ったのは凱玄だった。

(凱玄)『現実の世界の特徴は痛みが走る事だ!』

 凱玄は人の目では見えない速さで剣を振るった。暁はそれを剣で全て受け止めた。

(凱玄)『面白い!』

 凱玄は笑みを浮かべていた。

 凱玄は人の目では見えない速さの先の攻撃をした。暁はそれも剣で受け止めようとするも一撃の重みが尋常では無く手が震え剣を落とした。

(凱玄)『これで決まりだ!』

 凱玄は暁の腹を斬った。

(暁)「いってぇ~」

 暁は腹を押さえて倒れ込んだ。

(凱玄)『大丈夫だ。軽い方だから』

(暁)「軽い方ってこれは新幹線が突っ込んで来たのと同等以上じゃないぞ!」

(凱玄)『少し休めば痛みも消える…!』

(暁)「…いや、大丈夫だ」

 暁は腹を押さえながら立ち上がった。

(喜四)『…行ってらっしゃい!』

 喜四は暁に行く時の挨拶を言った。

(暁)「ああ」

 暁は三人と別れて三種の神器の名を持つ者達を探す旅に出た。

 一方現実世界では――

 【速報です。交通事故が多発しております。原因は未だに不明となっております……】

 病院の方は交通事故で担ぎ込まれた人達で一杯だった。

(神煌)「墓道君! 済まないが遅群君を遅群家まで送ってくれないか?」

 桂に声を掛けてきたのは暁の交通事故の時の担当医師の神煌 賢治【かんおう けんじ】だった。

(墓道)「…分かりました!」

 墓道は先生の言う通りに暁を遅群家まで運ぶ事にした。

(墓道)「取り敢えず蒼に連絡を……」

 墓道は知行に連絡を取った。

(知行)「蒼! ちょっと頼みがあって暁を遅群家まで運びたい……パトロールカーを用意してくれないか?」

(知行)(……分かった直ぐに行く!)

 知行はパトロールカーを用意する為に電話を切った。

(墓道)(急いでくれ)

 一方、死夢現間では――

(遅群)「探すと言ってもどうしたら…」

 遅群は三種の神器の名を持っている人物を探す方法を考えた。

(遅群)「…そうだ!」

 遅群はある方法を思い付くと目を閉じてイメージに入った。

(遅群)(俺の現在位置と三種の神器の名を持つ者達の位置を把握できる地図を……)

 そうイメージすると上空から地図が出て来た。

 地図によると三種の神器の名を持つ者達は中心から見てちょうど正三角形になっていて遅群は地図から見て左にいる三種の神器の名を持つ者の近くにいた。

(遅群)「まずは左か…」

 遅群は三種の神器の名を持つ者の一人がいる左側へ向った。

 三種の神器の居る場所に着くとそこは岩だらけで足の踏む場所が極僅かだった。そこを進むと謎の人物が仁王立ちで立っていた。

(剣叢)『お主は何者だ?』

(遅群)「俺は遅群 暁…お前は三種の神器の名を持つ者で良いのか」

(剣叢)『いかにも我が三種の神器の天叢雲剣の最初の所有者にして天叢雲剣を守る天雲 剣叢【あまくも はやしげ】だ!』

(遅群)「俺は現実世界に戻る為に貴方が持っている天叢雲剣を貸してはくれないでしょうか?」

 遅群は天雲に交渉を始めた。

(剣叢)『天叢雲剣を貸すだと……』

 天雲は行き成り遅群に襲いかかって来た。遅群は透かさず剣を出現させて天雲の攻撃を受け止めた。

(剣叢)『天叢雲剣が欲しければ力付くで、俺から奪ってみよ!』

 遅群と天雲はその場が変わる程の激しい闘いが始まった。

 一方、現実の世界――

【速報です。現在国内で倒れた人数はおよそ二万を超えています。この事件と関係があるのか分かりませんが高尾山で妙な雄叫びを聞いたという情報があり詳細は未だ不明です。……】

墓道達は既に遅群家に着いていた。

(墓道)「…ここで良い」

 墓道達は遅群の体を一室に一旦置いた。

(知行)「取り敢えず布団を敷いてその上に暁を寝かせよう!」

(墓道)「ああ」

 墓道達は布団を敷いて暁の体を布団に寝かせた。

(墓道)「…そういえば、暁を轢いた犯人は分かったのか?」

 墓道は知行に暁を轢いた犯人が分かったか訊いた。

(知行)「容疑者は一人だけ浮上している。その名は林寸 櫂櫛【りんすん かいきよ】と言う人物だ」

(墓道)(林寸って何所かで……)

 知行が言った林寸と言う名前に墓道は聞き覚えがあるらしい。

 その時、知行の携帯がなった。

(知行)「もしもし…勉困さん」

 電話の相手は勉困刑事だった。

(知行)「…え! 直ぐに戻ります!」

 知行は電話を切った。

(墓道)「どうした?」

 墓道は何があったのか知行に訊いた。

(知行)「実はさっき暁を轢いた犯人が自首をしたって先輩が言っていたから俺は駒込署に戻るよ」

(墓道)「…やっぱり、容疑者の林寸 櫂櫛だったのか?」

 墓道は知行に自首したのが櫂櫛だったのか訊いた。

(知行)「いや、容疑者の櫂櫛では無く自首したのは哀世 怠惣【あいせ やすのぶ】と言う人物らしい」

 知行は自首した人物を伝えると駒込署に戻った。

(墓道)(…何か嫌な予感がする)

 墓道は嫌な予感が働いていた。

 一方、死夢現間では――

 遅群は未だに防戦一方だった。

(剣叢)『どうしたぁ!? 天叢雲剣が欲しくは無いのか!?』

 天雲の顔は狂鬼の笑みを浮かべながら攻撃を仕掛けて来た。

(遅群)(…やるしかないのか)

 遅群は一度目を閉じると巨大なオーラが出現した。

(剣叢)『何だ、ありゃあ』

 遅群が目を開けるとトラの目に変わり天雲の攻撃を剣で受け止めず全ての攻撃をかわし続けた。

(剣叢)『どう言う事だ!? 我の攻撃は音速を超えていると言うのに…』

 遅群の表情が変わると防戦一方から一転して攻撃に変わった。

(剣叢)『重すぎる!』

 天雲は遅群の攻撃を受け止めるも攻撃が非常に重すぎて受け止めた時に地面が揺れる程だった。

(遅群)「…」

 遅群は目を瞬きすると鷹の目に変わると天雲に突っ込むと思いきや後ろに回り込んでいた。

(剣叢)『何時の間に!』

 何とか天雲は遅群の攻撃を受け止めたが後ろに吹っ飛んだ。

(剣叢)『くっ!』

 天雲が遅群を見ると目が両方変わっていた。

 遅群の右目はトラの目で左目が鷹の目に変わっていた。

 遅群は天雲の後ろに移動した。

(剣叢)『同じ手はくわん!』

 天雲は攻撃を受ける前に上空に跳んだ。

(遅群)「…」

(剣叢)『これなら…!』

 遅群は既に天雲の背後に回り込んでいた。

(剣叢)『馬鹿な!』

 天雲が下を見るとそこには遅群が立っていた。

(剣叢)『どう言う事だ!?』

 遅群は透かさず天雲に強烈な一撃を与えた。

 天雲は地面に減り込んだ。

(遅群)「…」

 遅群は地面に着地をして天雲を片手で抜いた。

(剣叢)『お前…何をした?』

 天雲は遅群に何をしたのか訊いた。

(遅群)「俺の両目が違ったのは二つの力だけではなく一回だけ俺の幻影を創る事が出来る。お前は俺が後ろにいたと誤認して上に跳んだが俺は既に上に跳んでいて減り込んだのは俺がお前よりも高く跳び戻って来る反動で一撃の重さがここまで膨れ上がっただけだ」

 遅群は勝った理由を教えた。

(剣叢)『お前は《特殊な一族》の末裔って訳か…仕方あるまい…ほれ受けとれ』

 天雲は天叢雲剣を暁に渡した。

(剣叢)『次は如何する気だ?』

(遅群)「一応は右側に行こうと」

 遅群は地図を広げて行く所を指差して天雲に伝えた。

(剣叢)『あいつか』

(遅群)「知っているのですか?」

(剣叢)『まぁな…我は奴の事がすかん!』

 天雲は次に行く三種の神器の名を持つ者の事が毛嫌いしている様子だ。

(遅群)「次行く場所の三種の神器の名を持つ者の名前か神器の名前を教えてくれ!」

(剣叢)『行けば分かるさ』

 遅群の質問に天雲は答えなかった。

 遅群は先に進んだ。

 一方、現実の世界では――

 【続報です。倒れた人々は国内で三万を超えそうです。高尾山での雄叫びの件について進展です。雄叫び正体は謎の生物でした。謎の生物は高尾山から出て倒れていない人々を襲い始めました。特徴は…刃物状の突起物が片腕に二個ずつ付いており、両足には刃物状の突起物が一個ずつ付いており。両腕・両足には鋭い爪になっており、全身は鱗で出て来ており、頭には鱗はありませんが若し見つけた場合は戦わずに逃げて下さい】

 倒れた人々は時間と共に増え続ける一方で謎の生物が倒れていない人々を襲い始めた。

 遅群家では――

(墓道)「…可笑しい」

 墓道は何か疑問を感じた。

(墓道)「人々は倒れて続けている…倒れていない人々を襲う謎の生物…もしかすると」

 墓道は何かに気付き何所かに電話をした。

 一方、死夢現間では――

 遅群は既に三種の神器の名を持つ者がいる場所に着いていた。

(遅群)「ここが次の三種の神器の名を持つ者が居る場所か…」

 遅群が目にした物は……宙に浮いている人々のプロフィールで埋め尽されていて目の前が見えない状態だった。

 遅群は埋め尽されたプロフィールの山を掻き分けて進むと石の上に座っている人物がいた。

(八玉)『お主は何者だ』

(遅群)「俺の名は遅群 暁だ」

(八玉)『我の名は曲瓊坂 八玉【わぬさか かずきよ】八坂瓊曲玉の最初の所有者で今は八坂瓊曲玉を守る者だ』

(遅群)「俺はこの世界…死夢現間から出なきゃならない…だから、お前が所有している八坂瓊曲玉を貸して頂けないでしょうか?」

(八玉)『ホラ!』

 八玉は持っていた八坂瓊曲玉を遅群の方に放り投げた。遅群は八坂瓊曲玉をキャッチした。

(遅群)「…!」

(八玉)『お主は早く戻った方が良い』

(遅群)「どうしてですか?」

(八玉)『嫌な予感がするだけだよ』

 遅群はそれを聴くと直ぐに最後の三種の神器の名を持つ者が居る場所へ向った。

(八玉)『…何かが現実の世界で起きている』

 一方現実の世界では――

 【臨時速報です。倒れて行く人々は国内の十分の九程が倒れています。謎の生物は現在、調布の近くまで来ています。数分前に軍が謎の生物に全ての武器を使って総攻撃しましたが一体も傷一つ付いて居なかった。…ですので近隣住民は直ちに避難して下さい】

 遅群家の周りには既に謎の生物によって囲まれていた。謎の生物が東側から入いろうとした謎の生物は急に謎の生物が上半身と下半身に切断された。

(男性)「たくっ! 墓道の依頼が無かったら逃げていたよ」

 謎の生物を切断した人物は墓道の知り合いで剣術の達人の青村 竜【あおむら とおる】だった。

(青村)「俺の攻撃を避けられるのは昔の達人達のみだ。てめぇらには手加減無しで行くぞ!」

 青村は五十体を超える謎の生物達を目にも止まらぬ速さで斬りまくった。

 一方、南では――

 こっちでは謎の生物達が地面に倒れていた。

(女性)「かっちゃんは何時も私との約束を忘れる…今回はそのストレス解消の為にあんた等にぶつけてやる!」

 南の方を守っているのは桂の昔の恋人でありボクシングの強豪の一角の一人である朱亥 雀【あかい すずめ】だった。

 朱亥は強烈な右ストレートを当てた。すると、謎の生物が吹っ飛び、後ろにいる他の謎の生物達も吹っ飛んだ。

 一方、西では――

 こっちは謎の生物達が大量に殺されていた。

(男性)「桂の依頼で俺はこっちの方面を守っているが…お前らを残虐にグロデスクにやってやる!」

 この男は桂の悪友で元殺し屋の白川 虎【しらかわ とら】だった。

 白川は腕に虎の爪に似せた武器を装着して謎の生物達を斬り刻んでいった。

 一方、北では――

 謎の生物達がたった一発の銃撃で倒れて行っている。

(男性)「俺の射撃の腕を甘く見るなよ!」

 北の方を守っていたのは墓道とはゲーマー仲間でシューティングゲームの神業の持ち主であり非公式の射撃大会で何十回も優勝をした玄蛇 武亀【くろだ たけひさ】だった。

 玄蛇の攻撃全てが人に当たる心臓・脳の部分を正確に当て続けている。

 一方、多磨霊園では――

(玄蛇)「くそっ! こいつらは一体何者だ!?」

 多磨霊園の近くでは木公 太卭が謎の生物達を避けながら倒れた人々を安全な場所に移動させていた。

(木公)「しかし、携帯から連絡が来た瞬間に周りの人々が急に倒れ始めて携帯で救急車を呼ぼうとしたけど携帯が繋がらなくなった!」

 太卭の携帯は使えない状態だが太卭が他の携帯の画面を見ると使える状態だった。

(木公)「どういうことだ!?」

 太卭が考えながらも倒れた人々を安全な場所に移動させていた。

 一方調布駅の近くでは――

 謎の生物達が殴り倒されていた。

(男性)「野耶深! 倒れた人々は後何人だ!」

(野耶深)「後、二十人程度です。志餌歌さん!」

 謎の生物達と交戦していたのは痕刃 野耶深と獣馬 志餌歌だった。

 一方調布近くの図書館では――

 謎の生物達は微動にせず倒れていた。

(男性)「たくっ! 完素の奴、急に何所かに行きやがって……取り敢えず、俺はこいつらを止めねぇと!」

 謎の生物に突っ込んで行ったのは濃怒 淡堕だった。

 淡堕は出現させた剣で相手を斬りまくった。淡堕の斬りかかる時の顔が狂鬼の顔となっていた。

 一方、野川公園では――

 謎の生物達がお互いに攻撃をする者達が居た。他には尖った物で刺されて倒れている謎の生物もいた。

(男性)「こいつ等は一体何だ!」

(男性2)「知るかよ! 今は俺達の能力で足止めする以外ねぇだろ! 丹波次が来るぞ!」

(丹波)「分かっている!」

 そこに居たのは哀世 界男と水楽 丹波の二人だった。

 丹波は両腕と両足を鳥の嘴に変えて謎の生物達に攻撃を仕掛けていた。界男は相手の視界に隣に居る奴が敵だと認識させる幻覚を見せていた。

 一方深大寺霊園付近では――

 謎の生物達が蹴り飛ばしていた人物がいた。

(男性)「…それにしても、こいつ等は一体?」

(男性2)「分からないが確かなのは俺達を狙っている」

(怨霊の集合体)『日太! 時間を止めろ!』

(日太)(どうしてだ!?)

(怨霊の集合体)『明日はお前らの同窓会だ! 同窓会の日までこの件が続くのは我も気が進まん! だからこの件が解決するまで我等の力で宇宙全体の時間だけを止めるのが賢明かと…』

(日太)(刻苦怒の意見に賛成だ)

 すると、謎の人物は宇宙全体の時間だけを止めた。

(男性)「時間を止めたか?」

(日太)「まぁな」

(男性)「俺達はあいつ等をやるぞ!」

(日太)「おう!」

 そこに居たのは鮫熊 山海と林寸 日太だった。

 日太と山海は蹴りのみで謎の生物達と相対していた。

 一方ある場所では――

 ユニコーンに乗った人物が二人…

(男性)「こいつらは一体? …フェニックス何か知らないか?」

(フェニックス)『我の記憶にはこいつ等と一致する生物はおらん!』

(男性)「匠! 被害者達はどうだ?」

 謎の人物が匠と名乗る人物に声を掛けた。

(匠)「襲われた人々の損傷の修復は既に終えている。後はこの場所から被害者達を安全な場所に移送するだけだ!」

 その時……謎の生物達が二人に襲いかかって来た。

(男性)「ユニコーン!」

 その時ユニコーンの全身が棘で覆われた。ユニコーンはそのまま謎の生物達に突っ込んだ。

(男性)「…今の内に…」

 謎の人物は目を瞑った。

(男性)(身長は五千cm・被害者達百人程度が入る嚢が付き・強靭な脚力を持つ龍よ、出現せよ!)

 目を開けると上空から龍が現れた。

(男性)「龍よ、被害者達を東京湾沿いの安全地帯まで運んでくれ!」

 龍は強力な翼で被害者達を上空に飛ばしそのまま被害者達を龍の袋に入れて東京湾の方角に飛んで行った。

(男性)「…さてと、俺達の本領発揮と行きますか」

(匠)「淨櫳【せいろう】…無茶するなよ」

 淨櫳と匠は謎の生物達に突っ込んで行った。

 匠は謎の生物達に罰を与えて行った。匠が与えて行った謎の生物達は動けない者やもがき苦しむ者などまるで体の中で何かが起こっていた。

 淨櫳はユニコーンの体の棘の一個を抜くと槍となった。淨櫳は槍とユニコーンを使い謎の生物達を倒して行った。

 数分後――

 そこには謎の生物達が全て倒れていた。

(匠)「これで全部か……」

(淨櫳)「次に行くぞ! 早く乗れ!」

 淨櫳と匠はユニコーンに乗り他の場所へ向った。

 一方、死夢現間では――

 遅群は最後の三種の神器の名を持つ者の居る場所に辿り着いた。

(遅群)「後少しで現実の世界に戻れる」

 遅群が居る場所は図書館の様に本棚がずらりと並んでいる。暁は本棚の間を歩いて行くと巨大な空間に出た。

(八)『お主は?』

(遅群)「俺は遅群 暁…お前が三種の神器の名を持つ者で間違いないな」

(八)『如何にも我が八咫鏡を守る咫鏡 八【あたかね わかつ】だ』

(遅群)「俺は現実の世界に戻りたい。ですから、貴方が持っている八咫鏡を頂く事は出来ませんか?」

(八)『…そうか、ではテストをしよう』

(遅群)「テスト?」

(八)『そう、八咫鏡を託しても良い人物かを試すテストだ…挑戦するか?』

 八は遅群に挑戦を受けるか訊いた。

(遅群)「受けるに決まっているだろ!」

 遅群はテストを受ける事を承諾した。

(八)『では、こちらの椅子に座って下さい』

 八は巨大な空間に存在する椅子と机があった。遅群は八の言う通りに椅子に座った。

(八)『こちらを』

 八が机に置いたのはテスト用紙だった。

(八)『テストの問題はお前が誕生してから今までの出来事です。以外に簡単ですが問題数は一億問です。気張って下さい。…ではスタート!』

 遅群と三種の神器の名を持つ者達との最後の闘いが始まった。

(遅群)(……いや、難し過ぎるぞ! 一枚目の用紙はアニメって…これって女の子向けも書かれている…)

遅群は意気消沈していたが気張って答えを書き続けた。

 数十時間後――

(八)『…お疲れ様です!』

 遅群は全問題の答えを書き終えた。

(八)『次にこちらをご覧ください!』

 八が取り出したのは鏡だった。

(遅群)「これって」

 遅群は鏡を見た。

(八)『そうです。八咫鏡です。次のテストは適応力です。…実は八咫鏡は自分の分身体を創りだす事が出来るのですが分身体は本体を攻撃する傾向があります』

 すると、鏡の中から遅群の分身体が現れた。分身体は遅群目掛けて攻撃をしてきた。

(八)『勝つ方法は唯一つ分身体が負けたと悟るまでは戦い続けます』

(遅群)(まじかよ!)

 遅群はギリギリで分身体の攻撃をかわした。遅群は反撃に出るも分身体は全てを容易くかわした。分身体は何時の間にか遅群の背後に立っていた。遅群は分身体の攻撃を剣で受け止めるも攻撃の重さで後ろに吹っ飛んだ。

(遅群)「ぐはっ!」

 分身体は更に攻撃を続けたが遅群は瞬きすると眼球全体が黒くなり攻撃を素早くかわした。

(八)『…成程、あの目は幽霊の目か、それで霊の如く移動速度を上げたか』

 八は遅群の行動を分析していた。

 遅群は攻撃をしようとするも分身体はまたも容易くかわした。分身体は真正面から突っ込んで来た。

(遅群)「まさか! 俺と同じ方法で…」

 遅群は何かに気付いた。

 遅群は分身体の攻撃をギリギリでかわした。遅群は再度瞬きすると両目が違う目になっていた。右目は龍の目、左目は鮫の目に変わっていた。遅群は分身体の攻撃を片手で受け止めた。

(八)『…今度は両目を違う者の目にする事で力を十二分に発揮している訳か。…右目の龍の目は受け止める力を通常の数倍にも強くする力が具わっている。左目の鮫の目には己の性格を獰猛に変えて分身体をグチャグチャにする気だな…ありゃぁ』

 八は分析を続けていた。

 遅群は受け止めた剣を口に銜えると分身体から奪い、噛み砕いた。遅群は右目を虎の目に変えると一瞬で分身体の背後に回ると行き成り攻撃をするが分身体は遅群の攻撃に対して距離を取る方法でかわすが既に分身体の背後に回っていた。遅群の攻撃は当った。

(八)『分身体に攻撃を与えるとは……一四九五年振りだな』

 八は感心していた。

 遅群は既に倒れている分身体に攻撃は続いていた。遅群の左目の鮫の目は殺気で充ちていた。分身体の体は既にボロボロで戦闘不能で消え掛けているが遅群は攻撃の手を止めなかった。分身体は消えた。遅群は左目を攻撃して元に戻した。

(遅群)「…ハァ…ハァ…」

(八)『良くやった! 後はお前のテストの採点で結果が出るしばし待っていてくれ』

 数時間後――

(八)『結果が出た。…点数は……五一八〇点です。ギリギリ合格ですね』

 遅群は三種の神器の名を持つ者達との全ての戦いが終わった。

(八)『これが八咫鏡です。受け取って下さい』

(遅群)「はい!」

 遅群は八から八咫鏡を受け取った。

(八)『次に貴方が行くのは我々がいた場所を線で結んだその中心点です。そこに大きな扉がある。扉に大きな窪みがある。そこに我々から受け取った三種の神器を窪みに嵌め込むと扉が開く。わかったな?』

(遅群)「はい!」

 八は遅群に現実の世界に戻る為の扉の場所を教えた。遅群は扉の元へ向った。

(八)『……出て来い! お前は外で起きている事を知っているな』

 八の声で出て来たのは八玉だった。

(八玉)『まぁな、こいつが数十時間前に現実の世界に現れた』

 八玉はプロフィールを八に見せた。

(八)『……何かの因果かね』

(八玉)『運命とは面白い物だよ』

(八)『同感だ』

 八が持っているプロフィールの一文に「遅群」と書かれていた。

 数時間後――

 遅群は三種の神器の名を持つ者達がいた場所の中心点に着いていた。

(遅群)「これって……」

 目の前には天まで届く螺旋階段あった。

(遅群)「これを上れば扉に辿り着くのか……疲労困憊だよ」

 遅群は螺旋階段を上り始めた。

 一方現間では――

 遅群家の方では――

 東西南北を守っている者達は無傷だが必死に守り続けていた。

 一方で遅群家の中では――

(墓道)「久しぶりだな」

 墓道は誰かと電話をしていた。

(男性)(今回の件は俺の一族が関わっている。俺がけりをつける!)

(墓道)「お前じゃ無理だ!」

(男性)(どうしてだ?)

(墓道)「…俺の知り合いが早朝に車に轢かれた。俺は今、起こっている現状と知り合いが車に轢かれた件が関係をしている。だから知り合いが目を覚ますまで行くのを止まってくれ! 頼む!」

(男性)(…分かったがそいつは何時目を覚ます?)

(墓道)「分からない…だが必ず目を覚ますそれまで待ってくれ」

(男性)(…猶予は三時間だ。それ以上は待てないからな)

(墓道)「有り難う…完素」

 墓道は電話を切ると墓道は遅群の眠っている部屋に戻った。

 一方、死夢現間では――

 遅群は既に螺旋階段の十分の三程度しか登っていなかった。

(遅群)「…もう駄目…少し休憩」

 遅群は途中で休憩を取った。

(遅群)「取り敢えずこのままじゃ時間が掛かり過ぎる時間を短縮する方法を考えないと…」

 遅群は螺旋階段の頂上に辿り着く為に時間短縮をする方法を考えていた。

(遅群)「……! 一番早く短縮できる方法があった」

 遅群は良い方法を思い付くと螺旋階段の手すりに足を置くと遅群は勢いよくジャンプして十分の六まで行けた。これを後二回繰り返して頂上に着いた。

(遅群)「あれか!」

 遅群は扉の所に行って三種の神器の名を持つ者達から受け取った三種の神器を扉の窪み嵌め込んだ。すると、扉がゆっくりと開いた。

(遅群)「これで戻れる!」

 扉が開くと目の前に二人の人物がいた。

(黒い翼)『まさかこの扉を開ける者がいるとは驚いた』

(白い翼)『我も驚いた』

 二人は扉を開けた者が現れた事に驚愕していた。

(遅群)「貴方達は?」

 遅群が二人に何者か尋ねた。

(白い翼)『我の名はミカエル』

(黒い翼)『我の名はルシファー』

 遅群の目の前に居たのは天使の頂点と言えるミカエルと悪魔の頂点と言えるルシファーだった。

(遅群)「貴方達は何故一緒に?」

 遅群が訊くとミカエルが答えた。

(ミカエル)『実は現実の世界で大量の人間達が倒れて行っている。だがそれだけではない! 我々の天と地に居た人間達が一斉に消えた。そこで我々天使と悪魔は緊急集会を開いた。悪魔側は既に重要な事に気付いていた』

(遅群)「重要な事?」

 これにはルシファーが答えた。

(ルシファー)『生き残っている人間達を調べると悪魔や魔獣と言った負の感情を強く持っている者に関係している人間達だけは生き残っている事が判明した』

(遅群)「でも、俺には特にそういう関係は有りません」

(ミカエル)『大丈夫です。我々の仲間である聖獣と魔獣全ての分身体を貴方に憑かせます。それで、貴方は現実の世界で起きている現象を阻止して下さい』

 ミカエルとルシファーは頭を下げて頼んだ。

(遅群)「…分かりました」

 遅群は渋々承諾した。

(ミカエル)『では、先に戻って下さい。聖獣と魔獣の分身体は後から送ります』

(遅群)「分かりました」

(ルシファー)『あれが現実の世界にあるお前の肉体への入口だ。見ての通り穴だから、当然の如く落下して行くから止まる事は不可能だ。戻ったら長い戦闘が続く十分に気をつけろよ』

 ルシファーは肉体への戻り方を説明した。

(遅群)「俺は行きます」

 遅群は二人と別れて自分の肉体へ戻る穴へ向った。

(遅群)「……そう言えば天使と悪魔って仲が悪いのでは?」

 遅群は振り向き二人に訊くとミカエルとルシファーが答えた。

(ミカエル)『天使と悪魔はお互い仲は良いぞ!』

(ルシファー)『元々我々悪魔が何故地獄に行ったのかを考えてみろ!』

(遅群)「……! そうか」

 遅群はそのまま自分の肉体へ戻る穴へ落ちた。落ちて行くと途中で謎の生物達が現れた。

(遅群)「あいつ等が言っていたのはこいつらか!」

 遅群は腕を刀に変えて謎の生物達を斬りまくった。

(遅群)「…急がないと!」

 肉体の近付くにつれ謎の生物達が多くなって行くが全て斬りまくった。すると、肉体が見えた。

(遅群)「後少し!」

 遅群は肉体の近くにいた謎の生物達を瞬殺した。そして、遅群は肉体に戻った。

 現実の世界へ――

 遅群が目を覚ますと桂がいた。

(墓道)「暁! 良かった」

 墓道は泣いて喜んだ。

(遅群)「桂…外の現状は?」

 遅群は墓道に外の現状を訊いた。

(墓道)「ああ、謎の生物達が高尾山から現れて本州全域を現在も進攻中だ」

 墓道によると謎の生物達は未だに進攻し続けていた。

(遅群)「…俺も参戦する!」

 遅群は立ち上がると部屋を出てある場所へ向った。

(墓道)「…然し! お前の体は車に轢かれてボロボロじゃねぇか!」

 墓道は遅群の体がボロボロで心配していた。

(遅群)「…体の方を既に全快だから」

 遅群は墓道にそう言いながら振り向くと眼球全体の色が緑色に変わっていた。すると、庭に面するガラス戸が割れる音がした。遅群と墓道は音がした方向を向くとそこには謎の生物がいた。

(墓道)「どうして…」

 墓道は外にいる四人に無線で訊いた。

(墓道)「お前ら謎の生物が一体入り込んでるぞ!」

(青村)(すまない! こっちも疲労困憊で何体かそっちに行っちまった!)

 墓道の連絡に出たのは青村だった。

 謎の生物は遅群と墓道に襲いかかって来た。

(遅群)(横の部屋は確か…)

 遅群は墓道を横の部屋に飛ばして自分も部屋に入る事で謎の生物の攻撃をかわした。

(墓道)「いってぇ!」

(遅群)「…」

 謎の生物は遅群と墓道が入った部屋に入って来た。その瞬間に謎の生物は遅群と墓道の二人に攻撃を仕掛けて来たが一瞬で謎の生物は真二つに斬られた。

(墓道)「暁……」

 謎の生物を斬ったのは遅群だった。遅群の両目は鷹の目に変わっていた。

(遅群)「玩具の剣でも斬れるのな」

 謎の生物を斬ったのは玩具の剣だった。

(遅群)「急いで倉庫に……」

 遅群は目を元に戻して倉庫へ駆け出した。

倉庫――

(遅群)「これだ!」

 遅群は遅群家に代々受け継がれている宝刀【悪封】を手に取った。その時、謎の生物が倉庫に入って来た。

(遅群)「俺の実力見せてやる!」

 そう言うと刀を抜いて右目が虎の目で左目が鷹の目に変わった。遅群は謎の生物の背後に一瞬で移動して謎の生物を上半身・下半身に真二つに斬った。斬った瞬間に風圧が吹き荒れた。

(遅群)「俺は行くぞ!」

 そう言うと遅群は家を飛び出した。家から出ると体に何かが入った。

(遅群)(この感じ……)

(魔獣)『遅れて済まないな』

(聖獣)『我々も微力ながら協力する!』

 遅群の中に入って来たのは聖獣十一体、魔獣七体が暁の体内に入った。

(遅群)「行くぞ!」

(魔獣&聖獣)『おう!』

 遅群は高尾山へ向った。

(墓道)「気を付けろよ…」

 墓道は遅群を見送った。

(墓道)「皆! 俺達の役目は終わったがこいつ等を一体でも多く倒せ!」

(全員)《了解!》

 墓道は無線で青村達に遅群の補佐をする為に謎の生物達を一体でも多く倒す事を伝えた。

 一方、ある場所では――

(男性)「…そうか目を覚ましたか…お前に其の場所への行き方をメールで教える! それからお前がそいつにメールで行き方を教えてやれ! …俺は少し遅れそうだ!」

(男性2)(分かった! 気をつけろよ)

(男性)「お前も!」

 電話をしていた人物は用意していたメールを直ぐに送信した。

(男性)「櫳巣、行くぞ!」

(櫳巣)『ああ!』

 謎の生物達は檻の中で倒れていた。

 そこに居たのは喜未 完素だった。

 完素は檻を消しては出現させを繰り返しながら高尾山に向った。

 一方暁は――

遅群の両目はスレイプニルの目になり物凄い速度で甲州街道を走っていた。謎の生物達は遅群の剣技で全て倒されていた。すると、日野署の辺りで遅群の攻撃を受け取る者がいた。遅群は一度距離を取った。

(遅群)「こいつ…」

 遅群は左目だけをオルトロスの目に変えると物凄い速度で受け止めた謎の生物の懐に潜り込むと一瞬で斬りつけた。謎の生物は倒れたが遅群は目も眩む速さで高尾山へ進んだ。その時、遅群の携帯が鳴った。遅群は携帯を開くと墓道からメールが来ていた。

(墓道)「桂か…」

 遅群は走りながらメールを開いた。

(遅群)「……成程ね」

 遅群はメールの内容を読むと携帯を閉まった。

 一方駒込署では――

(知行)「…そうか暁が目覚めたか!」

 電話をしていたのは知行だった。

(知行)「…あぁ、こっちにはまだ来ていない……何!」

 知行は血相を変えて駒込署から覆面パトカ―で遅群家に向った。

 一方、府中では――

 謎の生物達がオートバイクに轢かれて行った。

(ライダー)「こいつ等限がないな」

 オートバイクに乗っている者は謎の生物達を倒して居た。

 一方遅群は――

 遅群は既に名も無き寺の鳥居の前まで着いていた。

(遅群)「確か寺の裏に隠し通路が…」

 遅群は鳥居を潜ろうとすると上空から何かが落ちて来た。

(遅群)「!」

 砂埃が消えるとそこには剣を持った謎の生物がいた。

(遅群)「こいつが門番って訳か…面白い!」

 遅群は謎の生物に攻撃するが謎の生物は遅群の攻撃を受け止めた。

(遅群)「こいつ……!」

 遅群は謎の生物が持っている剣に見覚えがあった。

(遅群)「それは兄貴が使っていた」

 謎の生物が持っていた剣は暁の兄である凱玄が死夢現間で使っていた剣だった。

(遅群)「…お前は凱玄兄さんなのか」

 謎の生物は何も言わずに暁に襲いかかるそれも死夢現間でやった一本と同じ行動を取っていた。暁は何とか謎の生物の攻撃を防ぎきった。

(遅群)「…くっ、…間違いないあれは凱玄兄さんだ! だとしたら今まで斬って来たあいつ等は人間だった者達なのか」

 暁は顔を下に向くが目は死んでいなかった。

(遅群)「俺は……」

 謎の生物が暁に攻撃するが暁は片手で受け止めた。

(遅群)「俺は…今猛烈に許せない!」

 暁の両目は龍の目に変わっていた。暁は一撃で謎の生物を倒して前に進んだ。

 一方黒幕は――

 ハイテク技術が並んでいる地下施設にいた。

(黒幕)「俺は妹の為に計画を必ず遂行して見せる!」

 後ろから刀を持った人物が現れた。

(侍)『我をこうやって蘇らせるとは』

(黒幕)「俺の護衛の為にお前だけは特別に違う体にしたのだ」

(侍)『お主は何を狙っている』

(黒幕)「俺はこの世界の王…いや、神になる!」

 黒幕の不気味な笑い声が施設中に響いた。

 一方遅群は――

 遅群は既に両目をスレイプニルの目に変えて物凄い速度で通路を疾走していた。

(遅群)「あそこか!」

 遅群は広い場所に出た。

(遅群)「後少し!」

 遅群は広い場所にある六つの階段の内一つを上った。上ると大きな門が六つあった。遅群はその中の一つ笑顔のマークが彫られている門を開けて中に入った。

(遅群)「この先の今回の黒幕がいる!」

 遅群は門の奥まで猛スピードで向った。

 ここは喜未村――

 遅群は村の奥にある大きな施設に入った。

(遅群)「ここに黒幕が」

 遅群は両目をフェンリルの目に変えて勢いよく拳を床に当てた。すると、床は崩れて地下に遅群は落ちて行った。遅群はこれを繰り返す事六回やって黒幕の所に辿り着いた。

(遅群)「お前が黒幕か!」

 遅群は怒りが頂点に達しようとしていた。

(黒幕)「お前…生きていたのか!」

 黒幕は驚いていた。

(侍)『…ここは我が引き受けましょう。御主人は我がこいつの相手をしている間にお逃げ下さい』

 剣を持った者は主を逃がすつもりだった。

(遅群)「! 逃がすか!」

 遅群は黒幕に突っ込んだ。だが剣を持った者が遅群の刀を止めた。

(遅群)「!」

 遅群は一度距離を取った。

 黒幕は隠し通路から逃げた。

(侍)『我を倒さなければ主をやる事は出来ん!』

 剣を持った者は黒幕をやるには自分を倒さなければ黒幕を追う事は出来ないと言った。

(遅群)「…仕方ない」

 遅群は刀を持った者に真正面から攻撃をするが受け止められた。

(侍)『…一つ訊くがお主の名は?』

(遅群)「俺は遅群 暁だ!」

 お互い距離を取った。

(侍)『…そうか、我の名は杜村 帝【もりむら みかど】だ』

(遅群)「杜村 帝だと! 歴史上から抹消された史上最強の剣士そして……ふっ、面白い!」

 遅群は帝の背後を取った。

(侍)『……』

 帝はそれを予期していたのか剣を振り回した。遅群は帝の攻撃を受け止めるが振り回しの衝撃で壁まで吹っ飛んだ。

(遅群)「グハッ!」

(杜村)『お主の攻撃は既に経験ずみだ!』

(遅群)「だったら!」

 遅群の右目はスレイプニルの目で左目はユニコーンの目に変わると帝の懐に入るが帝は剣を振り下ろした。遅群は受け止めるも床に罅が入る。

(遅群)「ぐっ!」

遅群は一度距離を取った。

(杜村)『次はこっちの番だ!』

 帝は遅群に攻撃を仕掛けて来た。

(遅群)(…速度が尋常じゃない!)

 遅群は帝の攻撃を当るギリギリでかわすのがやっとだった。

(杜村)『これで終りだ!』

 帝は剣を薙刀の様に振り回し始めた。

(遅群)(不味い!)

 遅群は即座に左目を龍に変えた。遅群は帝の剣を自分の刀で受け止めた。

(杜村)『ほぉ…龍の目か』

 遅群は帝と距離を取った。

(遅群)(…こうなったら!)

 遅群は目を瞑った。

(杜村)『!』

 帝は遅群に攻撃を仕掛けて来た。遅群は目を開けると右目が白虎の目で左目が朱雀の目に変わった。遅群は帝の攻撃をギリギリでかわした。

(杜村)『かわしただと!』

 遅群は一瞬で帝の前から消えた。すると、フロアの明かりが消えた。

(杜村)『!』

 暗闇の中で何か機械を壊す音が聞こえた。何度も機械を壊す音が聴こえた。

(杜村)『くそっ! この暗がりを利用して主を追う気か!』

 更に機械を壊す音が聴こえた。すると、暗がりの中に炎が現れた。

(遅群)「俺は逃げる気は微塵もねぇよ!」

 遅群は帝に刀を当てに行った。

(杜村)『真正面からか!』

 帝は遅群の攻撃を受け止めた。

(遅群)「ふっ」

 遅群は笑みを浮かべる帝の剣が溶けて行った。

(杜村)『!』

 遅群はそのまま帝の胴体を真二つにした。

(遅群)『…どうしてそこまで?』

 帝は遅群に訊いた。

(遅群)「お前は外に行っていないから分からないだろう…外では人間は既に数人しかいない。あいつの狙いが何かは知らねぇが俺の兄を弄び他の死者達も弄んだ報いは受けてもらわないと怒りが治まらない!」

 遅群はそう言うと黒幕の後を追った。

(杜村)『…俺の負けか』

 帝は笑って倒れた。

 一方完素は――

 完素は一五体の謎の生物達に前を塞がれていた。

(完素)「…こいつら」

 完素は檻を出すと中にいる謎の生物達が倒れて行った。

(完素)「急がないと…」

 完素も黒幕の場所へ向った。

 一方黒幕は――

 黒幕は森の中に逃げ込んでいた。

(黒幕)「はぁ…はぁ…一体あいつは」

 黒幕は森の中を走っていた。

(遅群)「逃がさねぇよ!」

 声が上から聞こえた為に黒幕が上を向くと黒き羽が生えた遅群がいた。

(遅群)「てめぇは俺の大事な者を壊そうとした。それだけじゃないこの国の平和を脅かした。俺はてめぇを許さない!」

 遅群は黒幕に刀を振るった。当った黒幕は倒れた。

(遅群)「峰打ちだ! 俺はお前を殺す気はないから」

 遅群は物凄い速度でその場から消えた。

(黒幕)「くそっ! まだ諦めてたまるか!」

 黒幕は動こうとした。

(完素)「てめぇは逃がさない!」

 その声とともに黒幕は檻に閉じ込められた。

(黒幕)「何だ、これは!?」

 森の奥から現れたのは――

(完素)「喜未 量多【きみ りょうた】お前は道を外れた」

 現れたのは完素だった。

(量多)「てめぇは!?」

 量多は完素に何者か訊いた。

(完素)「俺はお前と同じ一族の者だ」

 完素は量多に同じ一族だと言った。

(量多)「何故、俺が犯人だと分かった?」

 量多は完素に犯人が自分だと分かったか訊いた。

(完素)「…数日前に俺は村に訪れた。その時に施設の中で人影を見たが俺は無視をした。気になったから俺は俺特製の捜索機器を最近行方が分からない一族の者を探したらお前に当ったが俺は唯、村を捜索していた者だと思っていたが今回の件が起きたから俺はお前だと確信した」

 完素はあの日の事を話した。

(量多)「…そもそも、この計画は……」

 量多が話そうとすると完素が割って入って来た。

(完素)「あの計画は二百年程前に村の一族が計画した【日本生還暗示支配計画】を利用した。だが、これはある者達によって計画は破綻して裏の者達は村から永久追放となった。でも、お前は違った。お前は殺された妹の為にこの計画を使い妹の復讐をしようとした。だが、お前は負けた」

(量多)「俺は負けてなんかいない!」

 量多は完素に負けたと言われて怒った。

(完素)「…お前は復讐に取り憑かれている。お前の妹は今のお前をどう思うかな? と言うよりは妹の友達もお前は殺した。俺がお前の復讐を取る!」

 そう言うと完素は目を瞑った。

(完素)「お前の苦しみよ、己の中から離れろ!」

 そう言うと量多を閉じ込めている檻の種類が変わった。

(完素)「…さてと、如何したら皆は元に戻る?」

 完素は量多に謎の生物達になった者達をどうしたら元に戻るのか訊いた。

(黒幕)「実は――」

 一方、遅群は――

 遅群は謎の生物達と戦い続けていた。

(遅群)「数は減ってはいるが限が無い!」

 生還者一%

 遅群の右目はヤマタノオロチの目で左目はペガサスの目に変わった。

 ヤマタノオロチの様に腕が八つになりそれぞれの腕には剣を持っていた。ペガサスの様に背中には羽が生えて暁は空に急上昇して一定の高さからそのまま急降下した。その衝撃波で謎の生物達は数百体を撃破したが未だに沢山の謎の生物が暁の目の前にいた。

(遅群)「くそっ! 多すぎる!」

 遅群は更に両目を変えた。次は右目がリヴァイアサンの目で左目がグリフォンの目に変わった。リヴァイアサンの力で剣には水が渦巻いた。グリファンの力で背中には羽が生えて足の脚力がライオンと同等の力になった。遅群は刀を振るうと数百体を倒すが全く減ってはいなかった。

(遅群)「くっ! こうなったら」

 遅群は近くの南浅川の水を空中に浮かせて謎の生物達に当てた。遅群はグリファンの羽で空に浮いて己の攻撃を回避した。南浅川付近の謎の生物達を全て倒して次の場所に向った。

(遅群)(これじゃぁ、本気で限が無い!)

 生還者二%

 遅群が次の現場に行くとさっきの倍以上いた。

(遅群)「これは多すぎる!」

 遅群は目を変えた。右目は玄武の目で左目は青龍の目に変わった。玄武の力で謎の生物達から攻撃を生身の体で受け止めた。

(遅群)「効かないねぇ」

 遅群は青龍の力で地面を割り謎の生物達を落とした後に地面を元に戻した。倒れた人々は青龍の水の力で宙に浮かせていた。

(遅群)「はぁ…はぁ…流石に使いすぎた」

 謎の生物達は遅群に襲いかかるが玄武の目が起動している為に攻撃は通用しない。

(遅群)「くそっ! 腕が動かねぇ!」

 その瞬間、遅群の目が通常に戻ってしまった。

(遅群)「しまった!」

 謎の生物達が暁に止めを刺そうとした時、後方からオートバイクの音が聞こえた。

(遅群)「バイク?」

 疾走とバイクは遅群を乗せてその場から逃げた。

(ライダー)「危なかったな」

 ライダーは遅群を助けた。

 布田天神社へ――

 バイクは布田天神社に止まった。

(ライダー)「急いで中へ!」

 ライダーは遅群と共に社の中へと入った。そこには生存者五人が既にいた。

(遅群)「お前らどうして?」

 遅群は墓道達がここにいるのか訊いた。

(墓道)(あの後、寺院をあいつ等が襲っていない事に気付き、俺達五人はここで休憩をしていた」

 どうやら謎の生物達は寺院を狙う事が出来ないらしい。

(墓道)「暁! こっちも謎の生物達の情報が入った。彼等の名は黄泉刃よみは、人間の魂が入りその人物の身体能力が加算される。彼らには感情が無くただ御主人の命令通りに動く人形といった所だ」

 墓道は謎の生物達の情報を教えた。

(ライダー)「ふぅ、それにしても無茶をするねぇ暁は」

 ライダーはヘルメットを取った。

(遅群)「あっ! 栗沢!」

(栗沢)「久しぶり!」

 遅群を助けたのは遅群と墓道の知り合いの栗沢 茂【くりさわ しげる】だった。

(青村)「…で、これから如何したら良い?」

 青村は桂にこれからの事を訊いた。

(墓道)「取り敢えず、休憩が終わり次第再度奴らともう一度戦わないと」

 墓道が言うには休憩が終われば奴らと戦う事になると言った。

(遅群)(数が多すぎる! 戦い続ければ必ず死者が出てくる。どうしたら)

 遅群は死者が出ない様にする為の方法を考えていた。

(遅群)(…そうか! その手があったか! でもそれをすれば俺には…)

 遅群は方法を思い付いたがそれをすれば遅群にとって大事な物を失う様な表情をしていた。

(墓道)「…? 暁どうした?」

 墓道は遅群の様子が可笑しい事に気付いた。

(遅群)「…大丈夫だよ、唯、疲れただけだから」

 遅群は心配をさせない様に嘘を吐いた。

(墓道)「…そうか」

(遅群)「済まないけど俺は少し休むから」

(墓道)「あ、ああ」

 遅群は横になった。

 数時間後――

 五人は既に黄泉刃を倒す為に出ていた。すると、茂が暁の為に食糧を取って来た。

(栗沢)「暁…食糧取って来たぞ……」

 茂が社の中に入ると遅群の姿が無かった。

 一方、遅群は――

 遅群は右目をフェニックスの目で左目はオルトロスの目に変えてある場所に向っていた。

(遅群)「こうなったらやるしかない! ……!」

 遅群の目の前に黄泉刃が進むのを邪魔していた。

(遅群)「邪魔だ!」

 遅群は猛スピードで黄泉刃に突っ込みフェニックスの炎を纏った剣を振って黄泉刃達を薙ぎ倒して行った。

 数分後――

 遅群は目的の場所に着いていた。

(遅群)「ここを破壊すれば奴が蘇るが…それは」

 遅群は目を閉じた。

 黄泉刃は遅群を狙えなかった。それは、フェニックスの炎を纏った剣で自分の周りに巨大な炎のサークルを作り黄泉刃達の襲撃を防いでいた。

 遅群は思い出に浸っていた。父親との大事な思い出・祖父母との思い出・友人達との思い出を振り返りながら目を開けると目が変わっていた。右目はガルーダの目で左目はファーブニルの目に変わっていた。遅群はガルーダの様に上空に上昇すると高さ千mの高さから急降下してファーブニルの力でその建物をぶっ壊した。その衝撃波で近くの黄泉刃達は吹っ飛んだ。

(遅群)「これで奴が蘇る」

 すると、地面が光だすと地面から誰かが現れた。

(男性)『我を蘇らすとは』

(遅群)「始めまして」

 謎の人物が遅群を見ると刀に目が行った。

(男性)『お主…我の子孫か?』

 謎の人物は遅群が子孫か訊いた。

(遅群)「はい! 私の名は遅群 暁と言います。お願いがあっての所存で御座います」

(男性)『姓が変わっておったとは驚いた。お主は我の名を言ってみろ』

(遅群)「はい! 貴方の名は双澤 龍忍【ふたさわ りゅうじん】です」

(龍忍)『うむ! 間違いなく我の子孫の様だな。…なにようで我を蘇らせた』

 龍忍は遅群に蘇らせた理由を訊いた。

(遅群)「実は――」

 遅群は御先祖である龍忍に今回の件を説明した。

(遅群)「……そこで龍忍様のお力を…」

(龍忍)『…承知した!』

 龍忍は状況を理解した上で承知した。

 龍忍が手を合わせると背後から虹色に輝くオーラが見えるとそれは地球全体に広がった。

(龍忍)『封・剣・洗・暗・世・生・還・死・夢・現・間!』

 そう言うと黄泉刃達は消滅して行き、倒れた人々は意識が回復して行った。

 一方鮫熊&林寸組は――

(山海)「…こいつ等消えて行く」

 山海は黄泉刃が消えて行く所を見て驚いている。

(日太)「…ああ、分かった」

 日太は誰かと電話をしていた。

(山海)「日太…どうかしたか?」

 山海は日太に何かあったのか訊いた。

(日太)「完素が言うには事件は解決して倒れた人々は意識を取り戻して行っていると」

 日太は完素と連絡をして事件は解決して倒れた人々も意識をと戻していると言った。

(刻苦怒)『…時間を動かすぞ!』

 刻苦怒は日太に時間を動かせと伝えた。

(日太)「ああ!」

 日太は手の全ての指の第一関節を鳴らすと時間が動きだした。

(日太)「明日は同窓会だな」

(山海)「ああ」

 日太と山海は笑顔で上空を見ていた。

 一方墓道組は――

(青村)「黄泉刃共が消えて行く」

 青村達は驚いていた。

(朱亥)「…! かっちゃんあそこ!」

 朱亥は墓道にある場所を指差した。

(墓道)「!」

 朱亥が指差した方向には巨大な砂煙が上がっていた。

(墓道)(暁…それをすればお前は居場所を失う覚悟をもってやったのか)

 墓道は遅群の心配をしていた。

 一方遅群は――

(龍忍)『これで全て解決した』

(遅群)「有り難う御座います」

 遅群は龍忍にお礼をした。

(龍忍)『…それにしても、お主はこれから如何する気だ? 我を復活させる為とは言え家を粉々にして』

 遅群が壊したのは自分の家、つまり遅群家を粉々に壊したのだった。

(遅群)「そうですね……国内の旅に出ようかと」

 遅群は旅に出ようと思っていた。

(龍忍)『…わしはそろそろあの世に逝く!』

 龍忍は消えて行った。

 翌日――

 遅群は遅群家跡地に花とお酒を供えた。

(遅群)「龍忍様有難う御座います」

 遅群は自宅跡地を去った。

 

 死夢現間~三種の神器と遥昔な宿命~ 完


 死夢現間

~夢界に閉じ籠る少年と百獣の眼~

続く――


遅群 暁は家を無くして放浪者となった。中心の物語は始まったばかりです!

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