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間章 科学者の手記 1
人が神を目指すのは過ちだったのかもしれない。
人を愛したから、私は人の領分を越えた力にやどる罪を見つけた。
多くの人間が神を目指した結果、獣になったのがその証左だろう。
罪は人を獣に落とした。あるいは、最初から人間は獣だったのかもしれない。
神の力が、人に宿るものを暴き出したのかもしれない。
人間は神になれない。なれる方法が確立できたとして、なれるのは元々神というものに片足を踏み込んでいるものだけなのだ。
人が神の領域に踏み込むのは、その罪を暴く……否、罪を重ねるだけの所業……
いずれにしても、人間は神の力を求めるべきではなかった。
私は愛する人を守るためだけに、罪を除く術を探す。
いつか必ずみつけよう。夜明けの日が来る前に。




