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第一世界『密集都市 トーキョー[TOKYO]』 その1
×ケイ×
旅は道連れ世は情け、とはケリュケイオンの時代にまで受け継がれた言葉だったが、当のケリュケイオン――ケイは、その言葉の意味を実感として得ることが出来る日がくるとは、まさか思っていなかった。
ケイが作られたのは、2150年代の地球だった。ケイに本来自我というものはないはずだったが、博士の怨念か、魂か、あるいは機械的なエラーがあったのかはわからないが、気づけばいくばくかの記憶と情念と、そして明確な感情を抱いて存在していた。
感情。
ケイは機械に分類される何かだが、感情がある。
だからこそ、己と同じ世界をトリシャが共有できると分かった時、思ったのだ。
――共に行きたい。きっと、心強いから。
旅は道連れ世は情けという、その言葉の意味を、ケイは知ったのだ。




