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才能ルーレットゲーム  作者: 灰狐
9/12

対なる者達の対決

どうも、灰狐です。

最近小説の事忘れてて、結構久々に書きました。

長いこと書いてないと設定忘れてる物ですね…。

危うく書いた物が全ボツになる所だった…。

ところで全く関係無いのですが、この灰狐っていう名前、どこぞのコンマイの某潜入ゲームのグレイ・フォックスからきています。


「矢車元仁・・・やっと来たね。」

「カイン!!」

「おっと、勘違いしないでくれ。別に君と争いたい訳じゃないんだ。」

「嘘をつけ!!お前は・・・お前はニセを殺そうとした!!」

「ああ、だから来たんだね。やっぱり予想通りだ。」

「・・・?どういうことだ?」

すると、カインは矢車が持つ携帯に目を向け、言った。

「久しぶりだね、氷上稲葉。」

『・・・よう、カイン。』

それを聞いて、矢車は少し驚きながらもカインに言った。

「お前・・・カミサマを知ってるのか?!」

「知ってるよ、昔からの知り合いなんだ。」

『お前と知り合いであること自体が恥だな。そんなことより、矢車。』

「何だよ?カミサマ。」

『とっとと殺すぞ、こいつら。』

「!!こ、殺すって・・・。」

『何を迷っている?』

それを聞いたカインが言った。

「邪魔者を殺す事に何のためらいを感じないその不思議な精神構造は相変わらずだね。」

『黙れ。お前だって赤城ニセを殺しかけただろ。』

「それは君らをおびき出すためさ。何でもわかるんだろ?夢破れし大預言者(氷上稲葉)さん。それに・・・」

カインが何かを言いかけた時に、突然、

「長い!!」

「は?ちょっと、リリスちゃん、何言って・・・」

突然、赤城ニセのエラーが喋り出した。

「カインさん長いよ!!要はこいつらをぶっ殺せばいいんでしょ!!」

「はい?・いやそうじゃなくてね・・・。」

『どうやら赤城ニセの偽者の方が理解が早いらしいな。』

「偽者・・・?あんた、今、偽者って・・・?」

『何か間違ってるか?偽者。』

後ろの方でカインと壁に縛られた赤城ニセが「しまった!!」という顔をした。

「・・・殺すっ!!!ぶっ殺す!!」

『来るなら来いよ、クソ野郎。』

「ハッ!幽霊に何ができるのよ!!カインさんに殺されたくせに!!」

『・・・』

今度は後ろの方で音ヶ崎が「しまった!!」という顔をした。

『お前・・・死にたいか?』

そういうと、突然携帯の電源が落ちた。

「え?カミサマ?」

「・・・まずい・・・。」

「へ?何がまずいんですか?音ヶ崎さん。」

「アイツは幽霊だ、色々な物に憑りついて操れる。それは人間も例外じゃない・・。」

「・・・まさか・・・」

すると突然、縛られている赤城ニセが、ガクガクと震え出した。

そして、

『偽者!!お前だけは絶対に殺す!!』

赤城ニセから別の人間の声が聞こえてきた。

多少ノイズのようなものが混ざっているが、まぎれもなくその声は氷上稲葉のものだった。

「はっ!!わざわざ縛られている人間に憑りつくなんて!!的になりたいの?」

『縛られている?そいつはどうかな?!』

そういうと、赤城ニセ改め氷上稲葉は、

『クソッタレエエエエエエエエエエエエエエエ!!才能名無限の肉体(The body)!!』

腕の力だけで、縄を引きちぎった。

「「はあ?!」」

『本人が引き出せていないだけでこの才能は肉体強化もできるんだよ!!』

「なるほど・・・なら私も本気でいかなきゃね・・・。才能名夜の魔女(Lilit)!!」

そう赤城ニセのエラー、通称リリスが言うと、

「死ねぇぇぇぇぇ!身の程知らずが!」

彼女の背後から漆黒の影が這い出てきた。

「食らってくたばれぇぇぇ!」

「カミサマ、危ない!!」

矢車が叫ぶ、が、

「遅い!こいつはもう終わりだ!」

氷上は既に、影に飲み込まれていた。

「カミサマ!!」

「矢車元仁、折角だからわたしの才能教えてあげるよ〜。」

ニタニタと笑いながら、リリスが言う。

「わたしの才能は・・・」

その時、

『“影に囚われた物を別の空間に封印する”才能。ふんっ、悪魔の娼婦のリリスにはお似合いな吐き気を催す才能だな。』

「お、お前は!!」

『忘れたのか?俺の才能を。俺が知らない事なんて無いんだぜ。』

氷上稲葉が倉庫の奥の影から出てきた。

「な・・どうやって・・・?!」

『俺は今、赤城ニセの体を乗っ取った事で二つの才能が使える。肉体を操る“無限の肉体”、そして知識欲を満たす“夢破れし大予言者”。“夢破れし大予言者”であらかじめお前の才能、攻撃をしり・・・』

「“無限の肉体”でダミーの体を作った・・・?」

『大正解だぜ、リリスさんよ。さて、それじゃあ・・・』

そう言うと、彼は自分の右目を手で隠して言った。

『悪魔のお前は“カミサマ”である俺が倒さなきゃな。』

彼はそっと、自分の手をどかした。

『さあ、 行動(しょけい)の開始だ。』

そこにあった筈の目は無く、空洞から漆黒よりも暗い闇が覗いていた。







リリスと氷上の戦いが本格化した時、矢車達は・・・

「うちのリリスちゃんが迷惑かけたね・・・何しろ喧嘩っ早い子なもんでね・・」

「そんな事はどうでもいい!!」

「・・・音ヶ崎君、だよね。やあ、初めまして。僕と対となる・・・“アベルの才能”を持つ才能開花者さん。」

「どうして俺達を呼び出した?」

するとカインは少し困った、という感じのジェスチャーをしながら言った。

「君達、僕の事勘違いしてない?」

「・・・どいうことだ?」

「君・・・氷上に聞いたんだろ?僕の事。才能をばらまいてるって。」

「・・それがどうした?」

「そして僕の邪魔をしようと・・・だよね?」

「間違ってろのはお前の方だ!!才能のせいで人生を狂わされた人間がどれだけ・・」

「知ってるよ。」

「?!」

「君は、自らの才能の悪用をもくろむ別の才能開花者達に家族を襲われそうになった。その時助けたのが氷上・・・けど君達の健闘むなしく・・・」

「黙れ!!」

「・・・家族は殺された・・・。」

「・・・音ヶ崎さん、そんな過去が・・・。」

「・・・今まで黙ってて悪かったな、矢車。」

再びカインが喋り出す。

「そしてその才能を与えたのが僕だと思っている、でしょ?」

「・・・お前さえいなければ・・・。」

「ちょっと待ってくれるかい?」

「・・・何だ?」

「君の才能は僕が与えたものじゃない。」

「なに?!」

「見せてあげるよ。僕の才能を・・・才能名“The person who kill breath《息を殺す者》”!!」

そう言うと、カインは左手を前に出した。

「僕の才能は過去の怨念を具現化する才能!!具現化する才能は・・・」

一呼吸おいて、カインは叫んだ。

「才能名、Lucifer’s roulette《堕天使のルーレット》!!」

そう言うと、

「な、なんじゃこりゃ!!」

彼の後ろに巨大なルーレットのようなものが現れた。

「説明しようじゃないか。」

そう言ってカインは喋り出した。

「この才能、《堕天使のルーレット》は素質のある者に才能を与える才能だ。けれどね・・・」

彼はわからない、というジェスチャーをしなが言った。

「君達のは少し“特別”らしいんだ。音ヶ崎君、矢車元仁、赤城ニセ、氷上、リリスちゃん、この五人は僕が与えたものじゃない。氷上とリリスちゃんと矢車君の才能は元からあったのを僕が教えてあげただけ。他の才能に関しては何もしてないんだよ。」

「・・・だからどうした?」

「はい?」

「だからどうしたと言っているんだ!!」

「・・・。」

「俺じゃなくともお前が他人の才能開花に干渉したのは事実!!彼らが才能のせいでどれだけ苦しんでいるか!」

「・・・誤解だよ。」

「なんだと?!」

そして再び、カインは喋り出した

「君には十五年後の事が予想できるかい?」

「なんだって?」

「今から十五年後、僕が何もしなくとも才能が自発的に発現する人間が急増する。君達みたいな人間がね。

君達はまだいいよ。けれど仮に悪人に才能が渡ったら?」

「・・・」

「結果はわかるだろう?世界は無法地帯となるだろう。才能を持たない人間は下位種族と見なされ、才能を持った人間が、いや、その中でも力を持った者が世界を制する、文字どおり、世界が崩壊するだろう。そんな世界を望むのかい?」

「・・・そんな事、何で分かる?」

「君達にもいるじゃないか、未来を“知れる”人間が。」

「・・・」

「僕の仲間にそんな感じの奴がいるのさ。さて・・・」

「つまりは僕がやっているのは才能をゆっくりと増やし、世界に浸透させることさ。君達は急増と言うが、世界規模で増えるよりましだろ?とにかく、これ以上僕の邪魔は・・・」

その時、

「うおっと!!危ないじゃないか。何するんだい?矢車元仁。」

矢車が殴りかかった。

「・・・知るかよ。」

「へ、なんだって?」

「知るかってんだよ、そんな事!!才能名、《無限の精神》!!」

彼の右手が白く光る。

「何だい?・・・まさか、僕と戦うのかい?」

「もし本当にそんな世界になるとしても、もし本当にお前が音ヶ崎さんに才能を与えていなくても・・・音ヶ崎さんの家族はお前が生み出した才能開花者に殺されたんだ!!」

「・・・」

「矢車・・・お前・・・。」

「もし才能を増やすことが必要だったとしても、音ヶ崎さんの家族を何で守らなかった!!」

「・・・必要だったのさ。」

「なに?」

「才能を世界に認知させる一番簡単な方法は何だと思う?・・・“才能による犠牲者”を出すことさ。」

「っ!!・・貴様っ・・・!!」

「自らに危険があると知ったら、人々は必ず才能を・・・」

その言葉はかき消された。

「俺は認めない!!犠牲の上に成り立つ世界なんて!!」

「ほう・・・それで?」

「今ここで、お前を倒す。」

「・・・ならやってみな。」

「?!」

「僕はここから一歩も動かない。その状態で僕に一発でも当ててみなよ。」

「なめやがって・・・《無限の精神》!!」

そう言うと、矢車はカインに向かって殴りかかった、が、

「な?!」

そこにカインはいなかった。

「君、どこを攻撃しているんだい?僕はこっちだよ。」

「おい、矢車!!何やってるんだ?!」

(ど、どういうことだ?!!俺は確かにカインを・・・)

すると、

「・・・矢車、君には失望したよ。」

「?!!何言ってるんですか?!音ヶ崎さん。」

「やはり君を選んだのはミスだったようだ。」

「ど、どういうことです?!」

「君はもう用済みさ、ここで始末する。才能名、《息を受け継ぐ者》!!」

「や、やめてくれ!!」

その時、

「しっかりしろ!!矢車!!」

「ハッ!!」

気がつけば、自分を襲おうとする音ヶ崎の姿はなく、自分の事を心配そうに見つめる音ヶ崎がいた。

「あ・・・あれ、なんで・・・?」

「お前、急に倒れたりしてどうしたんだ?大丈夫か?」

「だから、言ったんだ。僕と戦うなとね。」

「!!カイン!あれはどういうことだ!!」

「君には一時的な幻覚を見てもらったよ。これに懲りたら、もう僕と戦おうなんて考えない事だね。」

「・・・。」

「矢車、今は退くしかない。」

「・・・分かりました。」

その時、唐突に、若い女の悲鳴が響いた。

「?!今のはリリスちゃん?!」

カインが言う。

彼らはとっくに工場を飛び出していた。悲鳴は外から聞こえてきたようだ。

「あっちで一体何が・・?」





「や、やめろ・・・来るなっ!!」

リリスが叫ぶ。

彼女の足は見るも無残な姿になっていた。

「なんなんだよ、この化け物!!」

彼女の目の前には、右目が空洞となった赤城ニセの体の氷上がいた。

「ははは、人を殺すのは十五年ぶりだな。お前はどんな悲鳴かな?」

彼の手には包丁があった。

最初、リリスはすぐに勝負は終わるだろうと思っていた。

相手は自分に攻撃を何回も当てねばならないが、自分は一回当てるだけで倒せるのだ。

しかも相手は武器を持っていない。

だが、しかし、

彼女の攻撃はことごとく避けられた。

全方位から攻めても、いつの間にか後ろにいた。

まるで(・・・)攻撃が消えた(・・・・・・)かのように。

更には、どこからともなく出した包丁で自分の足をめった刺しにした。

彼女はもう、才能を使う精神力も残されていなかった。

逃げ切れる程の体力もなかった。

そして、相手は見逃しそうになかった。

サイコパスという言葉がある。

だがこいつはそれ以上だ。

まるで精神がない(・・・・・・・・)かのような。

「Have a nice pain♪」

(殺される!!)

そう思った瞬間、

ドサッ、と言う音と共に、

包丁が、地面に落ちた。

「・・・な?」

驚いて目を上げると、そこには片目の化け物はおらず、

「ごめんね・・・ごめんね。」

泣きじゃくる赤城ニセがいた。

「・・・え?」

「・・・今治してあげるからね・・・」

涙で言葉がつっかえながらも、赤城はリリスの足に手を伸ばした。

すると、

「なんで・・・?傷が治っていく・・・。」

「元々はあなたは私の一部。私の才能、《無限の肉体》は私の体ならいくらでも治せる・・・。」

「ちょ、ちょっと待てよ、なんでお前がそんなこと知ってんだよ?ついさっきまで才能のさの字も知らなかったろ。」

「乗っ取られてるとき、あの人の頭の中と繋がったの・・・その時に・・・。」

「あ~あ。まあ《知識欲を満たす才能》だしな、あの化け物。で、でも何であたしを?あたしはアンタを殺そうとしたんだぞ?」

「・・・死んでほしくなかったから。だって、あなたも私の一部なんだもん・・・。」

「・・・。」

その時、

「やあ、リリスちゃん。」

「?!カインさん?!す、すいません、私・・・」

「君、当分赤城ニセと共にいなさい。」

「?!」

「君達は同じ存在なんだ、だから敵同士になるのは酷だろう?」

「・・・。」

すると、カインは叫んだ。

「音ヶ崎君、矢車元仁!!今後君達が僕の邪魔をするようなら、その時は・・・」

「殺す、だろ。安心しろ、俺もそのつもりだ。」

「・・・なら良かった。それじゃあ、また会う時まで。まあ、君達とは会いたくないがね・・・」

そう言ってカインは夜の闇の中に消えた。

「・・・あれ?カミサマは?」

「・・・ここだよ。」

「ん?」

矢車が後ろを振り向くと、

「えーと、誰?」

見知らぬ少年がいた。

「いや俺だよ、カミサマ!氷上稲葉!!」

「え?!」

「いやさ、ホント驚いたぜ。今までの記憶がなんか曖昧だし、起きたら体が元に戻ってるしさ。」

「き、記憶がない?!」

「ん?ああ、バスジャック倒して、カフェ行って、家帰って・・・そっからの記憶がない。」

「自分の才能使えば?」

「それがさ、わからないんだよ。」

「え?」

「自分の才能を使っても分からない。こんなの初めてだぜ。」

(カミサマの体が戻った・・・それに記憶がない?いったいどういう・・・)

「あ、でも。」

「?」

「イヤーな夢なら見たぜ。」

「・・・どんな?」

「才能開花者と人類の戦争。しかも今よりちょっと未来なんじゃないかな?根拠はないがそんな気がするんだよな・・・。」

「カミサマ・・その戦争って結局・・・。」

「ん?ああ、最後才能開花者の圧勝で、世界が才能の強さでランクが決まる、持ってない奴は人としても扱われない、そんな感じだったかな?・・・いやー、嫌な夢だな・・・。」

矢車は思った。

それこそカミサマが暴走中に才能で見た世界の未来じゃないか、と。

もしかしたら、カインが言っていたことは正しいのかもしれない、と。

(なら、今の自分たちに何ができる?)

いつの間にか、夜は明けていた。





彼らがいる廃工場の横の、未解体の廃墟ビルの屋上から一人の少年が彼らを見つめていた。

『・・・全てはハッピーエンドの為に・・』

「やっぱりいたんだな、“オーダー”。」

『・・・よう、カイン。』

カインに“オーダー”と呼ばれた少年の顔は逆光で見えず、声はまるで壊れたラジオの様なノイズが走っていた。

「氷上の暴走、そして体の復活、記憶喪失、それにあいつに未来を見せたのも全部お前の仕業だろ。」

『だからどうしたの?』

するとカインは少し呆れながら、言った。

「“現実改変の才能”・・・そいつでお前は何をするつもりなんだ?」

『言っただろ?“全てはハッピーエンド”の為さ。』

「お前の目指すそのハッピーエンドとは何なんだよ?それにあの氷上は何だったんだ?!あいつに何をした?!」

カインは氷上の目の空洞を思い出しながら言った。

『あれが彼の本来の姿さ・・・』

「何だって?」

『よく考えてみろ。“どんな事でも知れる才能”にしては、あいつは少し不用心過ぎないか?本当に何でも分かるなら、あいつは既に感情を無くしているだろう。』

「・・・どう言う事だ?」

『あいつは嫌がってるのさ。普段は決して未来を知ろうとはしない。本能的に才能が使えなくなってるのさ。言うならば、あいつの精神が壊れない為の“安全装置”さ。』

「・・・それを外したのか?“お前の才能”で?」

『そうさ。』

「それであいつの精神が壊れたら?」

『あの状態になれば彼は全知全能の存在になれる。素晴らしいだろ?』

「俺の質問に答えろ!!」

そう言って、カインは少年に殴りかかった、が、

「な?!」

彼の右腕が消えていた(・・・・・・・・)為、殴れなかった。

「グ、グゥァァァァァァァッッッ!!!」

人とも思えない様な叫び声を上げながら、カインはのたうち回った。

君が僕に勝てるとでも(・・・・・・・・・・)?』

カインは、自分の傷口を押さえようとした。

彼の腕は治っていた。

「な、何だと?!」

彼はふと上を見た。

太陽が月になっていた(・・・・・・・・・・)

カインは最早声も出なかった。

『・・・解ったかい?僕と君との差が。』

少年は気付いたら後ろにいた。

「い、一体どうなっているんだ?!」

彼は周りを見渡した。

屋上からは街が見渡せた。

街中を歩く人、朝起きて玄関の新聞を取る人、朝帰りの若者達。

誰一人として動いていなかった(・・・・・・・・)

まるで、時が止まってしまったかの様な。

『これに懲りたら、もう僕に歯向かわない事だね。』

そう言って、少年は指を鳴らした。

まるで時が動き出したかの様に、人々が、物が、一斉に動き出した。

気が付くと、太陽も元に戻っていた。

「・・・」

『それに、幾ら彼の精神が壊れようとも僕の才能があれば幾らでも直せるんだしね。』

「・・・お前は一体何者なんだ・・・とても同じ人間とは思えない・・・。」

『僕は僕さ。ただハッピーエンドが見たいだけの哀れな人間さ・・・』

次第に声は遠くなって行き、気が付くと少年は消えていた。

「・・・ハッピーエンド、ね。一体 あいつは何を見たいんだろうな・・・。」

そう言うと、カインも建物の影に消えて行った。


才能解説コーナー

リリス

才能名:夜の魔女

“Lilit”

触れた物を別空間に封印する影を出す才能

説明:少しでも触れるだけで別空間に封印される。自力での脱出は不可。

また、使用者の任意で封印を解放する事が可能。作中使ってないが、自分自身を影にする事も可能、ただし持続時間はとても短い。余りに強力なので、長時間使うと精神力が切れて使えなくなる。



“オーダー”

才能名:不明

真実をを自由自在に改変する才能

説明:真実を変えるただ一つの才能。たとえ氷上稲葉の“夢破れし大予言者”で知った真実でも書き換える絶対の才能。

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