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才能ルーレットゲーム  作者: 灰狐
5/12

ある少年の末路 4

「それで、どうしたんだ?」

【まだまだながいぞ?ほんとにきくのか?

ただのむかしばなしだぞ?】

「良いんだよ。続けて。」

【まあいい。つづけるぜ。】





教室で待ち伏せていた俺の最初の獲物は2人組の奴ら、中島と磯波だった。

「犯人見つけ出したらぶっ殺す!」

「ああ。舐めやがって!」

残念。裁かれるのはお前らの方だ。

俺はじっとロッカーの中で息を潜めていた。

俺の能力“知識欲を満たす才能”は過去から未来のあらゆる真実を教えてくれる。

奴らの移動経路なんぞ手に取るように分かる。

「クソッ!此処には居ないな。」

磯波がロッカーの前で呟く。

コレを待っていたんだよ。

素早くロッカーの扉を開け、磯波の喉に包丁を突き立てる。

「いっ、磯波!」

中島が叫ぶ。それも預言の想定内だ。

もう一つのポケットからリボルバーを取り出し、中島を撃つ。

「グァッ!」

中島が変な悲鳴をあげて倒れる。

だが、今ので銃声を聞かれてしまった。

まあ、想定内だが。


「誰だ?何があった?!」

四人位が一気に教室になだれ込む。

たが、そこに俺は居ない。

「何があった?」

裁きが行われたんだよ。

俺が隠れている場所、死角となる教卓の中から飛び出て、一気に四人に鉛玉をぶち込む。

ドサドサッ、と四人の身体が崩れ落ちる。

あと一人、それで残りが坂間田だけだ。

そして、その一人の位置も判っている。


「お前ら!おい!返事しろ!・・・くそっ!」

坂間田が電話を悪態をつきながら投げ捨てる。

いい顔だ、もっとお前の屈辱に歪む顔を見せてほしいな。

「よう、坂間田。」

「!!お、お前は・・・!氷上!」

「そうだよ。おひさー。」

「な、何でテメエが・・・!?」

「なんでかってそれは~。」

血みどろの服と包丁を見せびらかす。

「俺があいつらを殺したからで~す。」

「ッ!?」

「解ってくれた?リーダー気取りの馬面ちゃん。」

「この・・・っっ!」

「イヤ~その顔!!その顔だよ!!」

「?!」

「そんな顔が見たかったよ!いや~!気分爽快だ!」

「このっ、クソ野郎がああああ!」

(来た!)

この瞬間を待っていた!アイツが無防備に襲いかかってくるのを!

ポケットから、銃弾を一発出し、装填する。

「死ね!坂間田!」

「へえ~。殺せるのかい?この僕を?」

「??!!」

声が変わっただと!一体誰だ?

「な・・・!」

自分の目の前にいる、坂間田でなければいけないはずの人影は、坂間田ではなかった

「バ・・バカな!」

「バカ?酷いな、君は。」

「お、お前は・・・。」

そこには、あの例の『二人目の自分』がいた。

「何で・・・?」

「そろそろネタばらしといこうか。」

「??」

「僕は君じゃない、まあ、ある意味君だけどね。」

「そして僕は坂間田でもない、幻覚だよ。」

「じゃあ・・・お、お前は?」

目の前の俺は自分の顔を手で隠し、

「『the person who kill breath《息を殺す者》それが僕の才能の名前さ。』

手をどけた時、彼の顔は全くの別人だった。

「くそっ!」

俺は急いで、未来に起こる出来事を才能で予知しようとした。が、

「"我が闘争"!"才能の使用を禁止する"!」

「!!」

才能が・・・使えない!

「最初に言っただろう、『汝神を騙りし時、汝、骸と成り果てる』君は神を騙った。」

「?」

「折角能力を与えたのに・・・。がっかりだよ。」

そう言うと、彼は吐き捨てるように言った。

「才能"殺人曲芸師(カーニバル)"解除。」

その瞬間、今までの景色が消し飛び、坂間田がいた景色に戻る。

「?!」

幻影かよ!?これもヤツの才能?ヤツの才能は一体何個なんだ・・・!

「じゃあね、坂間田君に殺されな。」

「なっ!・・・」

その時、既に坂間田は俺の懐に潜り込んでいた。

「死ねえええ!!」

腹部に痛みと共に熱い液体が流れる。

「・・・なっ・・」

死ぬ直前、坂間田の後ろにヤツの姿が見えた。

「じゃあね、夢破れた大預言者さん。」

そして、俺の意識は途絶えた。





「成る程、そいつが今回の『才能開花者急増』に関わっている可能性が高いって訳か。」

【ああ、げんにおれもあいつにさいのうをあたえられた。】

「しかも、複数の才能を操る、か。」

【かなりきょうてきだぞ】

「解ってる、それでも、もうこれ以上俺みたいな望んでなかった才能開花者を増やしたくない。」

密かに決心を固めた。

全ては苦しむ才能開花者のいない世界のために。





「ところで、だからお前の才能名が“夢破れし大預言者”なんだな。」

【そうだぜ。きにいってんだよ。わるいかよ】

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