表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
才能ルーレットゲーム  作者: 灰狐
3/12

ある少年の末路 2

翌日


「はあ?誰からだこれ?」

葬式の時の少年、氷上稲葉(ひがみいなは)は自分のベットの上で目を丸くする。

今日から独りの生活、叔母が引き取ってくれたが、叔母は今年一年家に居ない。

なので早起きの為に携帯のタイマーで目覚めたのだが・・・。

「メール?誰から?」

朝起きると、新着メールが一件。知らないアドレスである。

「何だこの内容・・・、ニュースのアプリとかじゃないよな?」


氷上流奈(ひがみるな)の隠している秘密

 世間体の為に氷上稲葉を引き取った。自分が世話するつもりは無い。

 昨日、九月十日、友人と協力し現金一千万を騙し取ることに成功。】

そこには、叔母のやったことが書かれていた。

「な、何なんだよ。」


『力、だよ。』

その瞬間、目の前が真っ暗になる。あるのは携帯と目の前にいる見飽きた自分の姿をした少年。

「ち、から?」実感が湧かず、片言になる。


『そう。君だけの、神が与えた力。』


「神?」


『そう、願いを叶えるカミサマ。』


「カミサマ・・・。」


『さあ、その力で見るんだ。真実である、君の真の敵である、憎むべき殺人犯を』


「・・・。」

口の中の唾液を飲み込み、携帯を見る。

ブブッ、と携帯が振動しメールが届く。真実の預言が。

『さあ、使え!力を実感しろ!君の望みは何だ!』


「オレの望みは・・・。」

思い出す、弟の最後の言葉を。

本当はこの力で自分の心の虚無感を、穴を、埋めるためと知りながら。

その理解が、曲解だと知りながら。

「オレが敵を取ってやる・・・!」


『良く言った。』目の前の自分が手を叩く。

自分を無視してメールを開く。

【氷上稲葉の欲している真実

 弟殺しの犯人。坂間田健。】

「坂間田、健!!」

画面に表示される名前を憤怒の眼で睨みつける。


『さあ、裁け。その男を。』

目の前の自分が嘲笑しながら言う。その嘲笑の意味はもう解りやしない・・・。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ