最初の最初
ある少年の始まり
『お前は誰だ?』
「音ヶ崎 空。13歳」
とある学校の校門でそう名乗る少年がいた。
『13歳?才能開花者にしては若いな。』
「褒め言葉?」
『うん。で、何の用?死んだオレを生き返らせて何するの?』
「力を貸して。」
『何?好きな子の自分の評価知りたいとか?』
「いや、違う。」
少年は携帯を差し出す。
「ずっと僕について来い。これがお願い、いや命令だ。」
すると、少年の前にある黒い靄のようなものは笑い出した。
『あはははははは!!従うと思う?ガキが。』
「・・・。」
すると靄は言った。
『いいよ。従ってやるぜ。ご主人様。』
言い終えた後、靄は消え代わりに携帯がなった。メールが届いたのだ。
【はろー。みえてる?】
「平仮名のままだぞ。」
【まじ?むずかしいな。ま、いいや。んじゃ、さっそく『よげん』のおじかんだ】
「待ってたよ。」
すると再び携帯が鳴る。さっきとは違うアドレスのメールだ。
【音ヶ崎空の隠されている秘密
才能開花者を集め、ビジネスとして扱う輩が狙ってる
そのうちの一つが音ヶ崎家を狙っている。三日後に
一家を拉致する予定。】
「何だって?!」
携帯が鳴る。
【こらまたへびーな『よげん』だね。でもあんしん、おれがいる。】
そしてまた鳴る。
「これは・・・」
【らちけいかくのくわしいないようだ。うまくつかえ。】
そこには拉致部隊の侵入経路、時刻、装備などが書いてあった。
【がんばれ。】
「サンキュー。言われなくとも。」
少年は決意する。家出と、部隊の殲滅を。