冷静になろう
ああああああああああもうううううううううううううううううううううう冷静になろうってなんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおちくしょうおおおおおおおおおおおおおおおおお冷静になれるわけがないだろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおうあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!
許せない許せないああああああああああああもうううううううううううううううううううううう許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せないああああああああああもうううううううううううううううううううううう!!!!!!!
あんなにおもしろいネタをするなんて嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あ!ちくしょうおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!
冷静になった。
冷静投稿サイト「冷静になろう」は冷静である。
常にいついかなるときも冷静である。
たとえば目の前の横断歩道の信号が点滅し出したところで、決して走り出しはしない。
淡々と早歩きして、信号が赤になると同時に向こう側に渡り切る。冷静なのである。
たとえば買った宝くじが一等賞と一番違いで、とても悔しい思いをしたとしても。
静かに宝くじを見下ろし、他のハズレクジ同様シュレッダーにかけるのみ。冷静なのである。
たとえば生まれた瞬間に泣きわめく赤子であったはずだが。
私は周囲の空気を読んで、淡々と「おぎゃあ、おぎゃあ」とつぶやいていた。冷静なのである。
たとえば可愛い妹が初めて家に連れてきた彼氏が金髪でドレッドヘアーで明らかにガムを噛み。
あまつさえ黒人でラジカセを肩に担ぎ、初めての挨拶が「Hey Yo!」であっても、私は粛々と頭を下げた。冷静なのである。
たとえば飛び込んだ風呂が可愛い妹のイタズラで氷のたっぷり詰まった氷点下15度だったときも。
腰から下を完全にしもやけになったとしても、眉ひとつ動かさずに「こらこら」とたしなめる。冷静なのである。
そんな冷静投稿サイト「冷静になろう」だが。
ただ一度だけ、冷静ではなかったこともある。
それは片思いだと思っていたあのお下げ髪の少女に、唐突なる告白を受けた時である。
あの時ばかりは狼狽した。
一瞬、自らの苗字も思い出せなくなったほどだ。
それから十二年、未だ自分の苗字を思い出せない。
私はなんという苗字であっただろう。
狼狽の余波はまだまだ続く。
帰る家も思い出せなくなってしまった。
ずっと冷静であったはずなのに、狼狽していたのだ。
それから十二年、一度も自分の家には帰っていない。
私はどこに住んでいただろうか。
仕方なく、とお下げ髪の少女は言う。
私の苗字を差し上げるので、私の家にお住みなさいと。
それ以来、私は彼女ととともに住んでいる。
今はとても冷静な気持ちだ。
感情に左右されることはなく、淡々と日々を削っている。
焦ることも慌てることもなく、人間が理性的な生物であるということを証明し続けているのだ。
冷静とは知性だ。知性とは我であり、このサイトである。
それは決して友人からもらったリプライによって暴言を発したりはしないことだ。
冷静になろう。
冷静になろう。
こうして私は冷静を投稿し、今に至る。
かつてお下げ髪であった少女は、立派な美貌を宿した貴婦人として、私の前、ニコニコと微笑む。
「貴方様の慌てる顔は可愛らしかったわ」と。
不覚である。
これからも冷静で居なければ、ならない。
さあ、これからも永久に冷静になろう。
~冷静になろう~ 作詞・作曲 冷静な男
どんなに世界が 冷たくても
キミがどんなに 荒ぶっていても
僕は冷静さ キミのすべてを受け入れる
僕は冷静さ それがゆえ僕はここにいる
冷静 冷静とはなんだ
冷静ってことさ
冷静 冷静とはなんだ
大人ってことさ
それは例えば 極寒の北極でも
それは例えば 常夏のジャングルでも
ごめん どっちにも行ったことないけど
でもきっと 平気だよ
だって冷静だから
過程の話だよ 本気になるなよ
揚げ足取りはやめなよ
そうさ 歌を歌おう
Revolution! ときめく夏!
Revolution! 違う私になれるはず!
Eternal! 愛は永遠に!
Eternal! すべてはこの手のひらに!
冷静に歌おう
みなで眉ひとつ 動かさず
それが平和ってことだから
さあ 冷静になろう
冷静ナンバーワン!
すべての元凶はこちら。
https://twitter.com/kusakabekasaku/status/605707744738340864