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bakebaketei itati      引きこもり幽霊

暑くなれば

昔と違って

今はクーラーなんて

いいもんがありますが


あんときと言えば

扇風機

スイカにプール


その代表格が怪談に肝試しと言うのは

いつの時代でも同じことで




どこかの田舎で

小学生のお子さん達が

空き家に夜中に忍び込もうというのはみなさんにも心当たりがあるとは思いますが


無いというのであればこの話を不法侵入なんて野暮ったい言葉で訴えないでいただくと、ありがたいわけでございますが


さて

時間は深夜12時と言うのはどこのドイツが決めたのか

そう言えば最近ドイツ車を買った奴が居まして又こいつが、、、、

とこの話は長いのでやめにしまして


昔と違い鐘がなくとも時計一つ見れば分かる

チラチラと皆が頃合いを見ましてぞろぞろと子供たちが集まってくる


場所は村のはずれの一軒家

近所でも噂の幽霊屋敷とくれば、噂の一つや二つでは収まりきらず


つきましてはそういう事は大人よりは子供の方がいくぶん詳しい

親のうわさは俺の者 子供のうわさも俺の者

と、とある青い狸が言うほどでございますから事実なんでしょう

なんたって、お子様の見るおテレビで流すこと

天下の地上波でございますからに


かくして自転車なんかで5,6人の子供が集まる


道々で集まりながら最初こそなんやかんや言いましても

近づくにつれて口数が減るのは

子供に限らず


ついた頃には暗ーい森の一本道に

突如現れる半倒壊したその家に皆々息を飲むのでありまして


「おい入るのかよ」一番図体の大きいくせに弱気の少年


「あんたなさけないわね」と美人だがきの強いせいであまり対象視されないと言いながらひそかに思われる姉貴分的少女が言う


「はははそんなわけないだろ」と棒読み口調の男を前に


「情けねーな兄ちゃん」と妹に言われた兄貴の威厳はどこえやら


「違う違うんだ―」と言う男に笑う取り巻きの少年少女


「よっし、いくぞ」そう無理やり言いまして半分壊れて鍵のかからない扉に向かいます




かくして一人ずつ減っていく仲間はたして逃げ切れられるのか‐~~~~~


みたいなら、なかなか流行(ハヤリ)で面白いもので、こちらも見たいのではございますが


しかしこれは落語風

どこか抜けているのはご愛嬌

脱字、誤字は日常茶飯事

はたして落ちがあるかさえ分からない

終わりのないジェットコースター

と長々言いまして始まるわけでございます







「それじゃあ入るわよ」そういって、編成された子供の並びにそつはなく

これはグリーンベレーもお手上げと言うのは言葉のあやで

皆一列に中に入るわけでございます


何本かの懐中電灯が埃っぽい部屋の中を照らす

それにつづいてそろそろと中に入るが

腐った床が予想以上に辺に響いた


「キャア」小さい子が悲鳴を上げ

近くの年上が、手を握ってやって、さっきより叫けばれることもなく

いよいよ歩きにくいぐらいに寄り添ってくる


その家に入ったころから

いつの間にかうるさいくらいに鳴いていた蝉の声が

ピッタリ

と やみ、辺りを不気味な静けさが支配する


あれだけ熱い空気がなぜだかひんやりとして

鳥肌の立った腕をさするものもいる


「おっおい今の見たか」体格のがっちりしたやつが懐中電灯を向けて叫ぶが

壊れた棚に人形が一つあるだけで他に怪しいものもない


「あんた本当にビビリね」と威勢のいい少女が言うが


「ちっ違うんだ、今人が」


「だから人形と見間違えたんじゃ」


「そうかな」と首を傾げるが、確かに今白い服を着た女を見た気がしてならない

そんな男を一瞥してさらに奥に進む



「ねーーおねえちゃん寒くない」低学年の女の子が手を握りながら聞くと


「家の中にいるからよ」と言う安心させる上等文句を遮り


「これは霊気ですね、霊のいるところに現れるという」とめがねで細い少年が指突き出して言う


「何それ」いよいよビビル子供をなだめながら、そいつを殴るのは、はたして、罪なのか



「大丈夫だからね、あんな怖い変人の事なんて聞かなくていいの」

などと吹き込むせいで、圧倒的に男子の株を下げる女子の方が怖いと思う男子なのである


「あっあれ」突然一人の少女が何かを指さすと

そこには一つの押入れがあり わずかに戸が開いている


いや違う ただ開いているのではない 


わずかであるが少しずつ開き続けているのだ


「きゃーーー」走り出そうとしている男子を押さえているのは

なんの力か金縛りが彼らを止める


しかしなぜか眼だけはその押入れをしっかり見据える


少しずつ開くと 見たくなくても目が動かない まぶたも意志では動かせないんだ

冷たい汗が背を伝う


「キャ―-―」不意に一人の女の子が口を開く


戸の隙間から長い髪の女が這い出てきた

しかし体は動かない皆一点をジーとみているしかない

こいつがやっているのかまた

ここには噂がある


借金で首をくくった家族のうわさ


深夜に見に行くと燃えている家を見たとか


窓から人形がのぞいていたとかきりがない


しかし今確実に何かが目の前にいた


「出して」


「えっ」

それは明らかに可憐な声だった


男子なら一度は夢見るような どこか気弱でかわいい声

男子の目つきが一瞬に変わり


それを横目に見る女子の冷ややかなこと


「私この家から出れないんです」


ふいに顔を上げたその色白にくりっとした男好きのする良い目

さすがに外出でないためか雪のように白いそれは

黒く健康的に焼いた女子を見てきた男子にはあこがれの美女を見ているようである


「はっはいわたしでよければ」メガネが少女の前に出たとたん

オレもオレもと詰め寄る男子 それを見る女子の般若のような冷ややかなこと






「つまりあなたはなぜここから出れないか分からないって事」


話を聞くことをせず あわあわ する男子をどけ女子が少女の幽霊に聞く


「ずりーぞ女子」


キッと女子たちににらまれ凄む男子


「つまりは何か心残りがあるってことですよね」

メガネがそれっぽいことを言う


「ううん」幽霊少女がコクンとめがねを見て頷く

気のせいかその淡いような白い頬がほんのり赤く染まっている気がした

それを見て男子たちに、ぼこられるメガネ


「あ――やめてください」


幽霊少女に言われやめる

皆 口々に言い訳をして、幽霊少女はニコリと笑うだけ


「ありがとうございます」


そのデレル男子を横に

女子たちは急いで会議を開く、今までの暴挙では表さなかった男子たちの態度に危機感を感じたのだ


「私おしとやかになろうかしら」女子の一人がぽつりと言う


「そうよねーあと色白だし」


「ねー幽霊さんあなたのテクニック教えて」と詰めかける女子

あわやあわやした結果分かったことは


彼女の名前が 木下 (キノシタレイ)と言う名前で

気ずいたら死んでいて家から出れないという


「うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーむ」

長い沈黙が幽霊屋敷に響く


無理やり押し出しても

見えないガラスがあるみたいで一向に出れない

その上、泣いてしまった礼ちゃんに

無理やりやった女子に対する男子のクレームの嵐


「ちっ違うんです、あんまり一生懸命に皆さんがやってくれるので、、グスン」


そのなみだに

ジー―ンとする男子、確か連れ出そうといったのは男子のはずでは、、と睨む女子を無視する男ども


どうしよう

二階からのジャンプもダメ


トイレから流されるのも無理 (これは男子たちが懸命にそんな事はカワイイ礼ちゃんにさせられないと拒否した結果、「いえ行きます」と飛び込んで結局弾き飛ばされて無理だった)


電話線からと、とんでもないことを言い出したメガネを全員で無視

唯一、木下が話だけが話を聞くが、、、

メガネも理屈からして考えていず

何とかコードに入ろうとするも、失笑とともに断念 スイマセンと謝る幽霊に

気合が足りないと言い

メガネぼこられる


「うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」

「っあ」

ふいに小さい男の子が声を上げるが


「低学年か」とまた悩みだすものをよそに


「礼さんは何で死んだんですか」

と聞いた


首を傾げて悩む礼

どうやら自分でもわからないらしい


「礼ちゃん無理することはないよ、川井君そんなこと言っちゃいけないよ」

と言うが彼女は首を振り

考えると


「あっ」と叫ぶ


どうしたの

みんなの視線がいっせいに彼女を見た


「わっわたし」

そう言うと彼女は足取りのふわふわした白い足で部屋を出た

実体のぼやけるそれはとある部屋の戸を開けると

中にある床を棒を使って持ち上げると下に隠し扉があった


こっこれは


彼女は振り返らずただひたすら先に進んだ


光さえないはずなのに彼女だけがぼんやりと暗闇に浮かぶ


そしてついにその埃臭い地下室の真ん中に一つだけ置かれた箱を見つけた

それは明らかにに西洋の棺桶に見えた

不意にふり向いた礼は

今にも消えそうで

泣きそうな顔を無理やり笑みに変えて

みんなを見ると


「実はあたし、火葬されることなくここにいたんだ」

と言った。




彼女の家族は幼くして亡くなった彼女と別れたくなくて

ひそかに地下室をつくり、そこにミイラ化させた彼女を置いていた。

いつか決心がついたら燃やす気でいた

しかし今日こそ今日こそ

そう思っても別れたくない思いが鈍らせる

そしてついに彼女の両親は旅先で交通事故により死亡

そのまま彼女だけ家の地下室で燃やされるのを待ちながら閉じ込められたと」言った。


彼女はそういうと、彼らにあるお願いをして棺桶を自ら開けた

彼女は嫌がったが、体の大きい男が、最後を見せてくれと言うと

否定はしず  


「お願いします。あと ありがとう」そうにっこり笑うと

棺桶を開けてその中に消えて言った


みんなが覗き込んだそれは予想していたものとは違いまるで生きているような張りのある礼ちゃんであった

みなは、棺桶にいる礼ちゃんに挨拶をして家を出ると


その家に火をつけた





あっというまだった

ほんの1時間程度で燃えた家を後に子供たちは家に帰った

次の日その家が全焼したことが地元の新聞に小さく載った

もちろんその体にこびりついた何かの燃えた匂いに親が気ずかないわけがない

夏休み返上した上に、毎日田んぼ仕事を共有させられた


しかし彼らには唯一見方がいた

その話を唯一信じた人物であり

われらが高山村小学校の校長その人であり

最初の3日仕事をやらせた後は

適当に授業を逃がしてくれた




夏休みも終わろうとしていた日

校長と共に供養しに行く事になった


そこで燃えカスさえほとんどない焼跡にふと小さい少女が目を向けると

なぜかあの家にあった人形だけが燃え残って落ちていた

そのあとその人形を持ち帰る事にした


あの時急いでいて忘れたのだが

礼ちゃんに言われたことに家を燃やしえ欲しいということのほかにもう一つ

人形をもらってくれないかと頼まれたのだが

なぜかそのあと探してもあの壊れかけた箪笥の上になかったのだ



今でもこの小学校にある人形は

礼ちゃんを忘れないために

私たちが持ってきたもの


今のところ動いたりした という噂はないけど

もし動いてもきっとその時は礼ちゃんが私たちを助けに来てくれたんだ

と私は思う  



お後がよろしいようでカナカナカナ  蝉の物マネ








     

クレーム、評価なんかいただければありがたいです 

                    化けばけ亭 イタチ

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