決断と行動
第五話「決断と行動」
まっさきに幸子が反対した。「埋めるなんて!ノン子何言ってるのよ」「そうだよ、さちゃんの言う通り駄目に決まってるよ」「私は・・・・私はノン子の意見に賛成するわ」「英子・・・・」のり子はちらっと横目で倒れてる少女を見た。「私は、こんな事で人生棒に振りたくない。推薦で大学が決まってやっと成功への道が見えてきたのに・・・今まで苦労してきたのよ、いまさら諦めるなんて絶対に嫌よ!」「私はノン子みたいに目標や夢があるわけでもないし、進路も特に決めてないけど、ノン子が言ったように過失が私達にあるとすれば一番罪に問われるのは運転してた私じゃない?そんなの嫌よ、刑務所なんか絶対に入りたくない!親や兄弟に何て言ったらいいのか・・・」「だからって埋めたのがばれたらそれこそ確実に刑務所行きなんだよ!」「ちぃも刑務所は嫌・・ゆう君にあえなくなるし・・・だからやっぱりノン子に賛成」「皆何言ってるの?彼女まだ生きてるのよ!埋める埋めるって簡単に言うけど殺すって事なんだよ!殺人だよ!いいよ、私が電話する。貸して!」いつもの温厚な幸子とは違っていた。のり子から携帯を取った。「ちぃの無邪気な表情が消えた。「さっちゃん、こんな時に言うのなんだけど、さっちゃんが一番刑務所困るんじゃないの?」「どうゆう意味?」幸子の手が止まった。「私知ってるんだよ、妊娠してる事。お腹の赤ちゃんの為にもしないほうがいいと思うよ」「!!どうしてそれを・・・」「それは言えないよ。ねっ?赤ちゃんの将来を考えなよ」幸子はお腹に手をあてたまま無き崩れてしまった。のり子はちぃの方を憎らしげに見ていた。「とにかく、これで皆の意見はそろった分けね」英子が言った。のり子は少女を見た。苦しそうに息をする彼女を見ると決心が鈍りそうになったが、心を鬼にし、袋で彼女を包み、英子と二人で彼女を車のトランクに乗せた。車に乗り込む瞬間、のり子は視線を感じた。振り向いたが闇しかなかった・・・・。