8.食卓を囲もう!
今日は急遽仕事が休みので一日で二話あげれる様頑張ります!
紗雪に付いてしばらく歩いて行った先、店に着く。
「私がなけなしのお金でこの街に来た時に、ここの大家さんがいろいろ親切にしてくれて、二階の部屋まで宿として貸していただいてるんです!」
誇らしげに、アホな事を言う紗雪に対して
「いい迷惑者だな。」
ニヤニヤして、いじめるサイネリア。
店内に入っていく。
「いらっしゃいませ〜!」
メイドの格好をした、小さめの猫耳に、小さい体、小さい尻尾、猫っぽい獣人の女の子がやってくる。
「あれ紗雪じゃ!お友達を連れてきたんだ!」
「そうなの!お友達であり、パーティーも組んでもらった、私の大切な人たちなの。」
嬉しそうに話す二人。
女の子がこっちに来て話し出す。
「私の名前は《アクレラ》です!よろしくお願いします!」
可愛らしい声で、律儀に頭を下げて挨拶してくれる、アクレラちゃん。
元気一杯の可愛らしい女の子だ。
「俺はアツシ、この子はサイネリア。」
「よろしくだ。」
少し先輩風を吹かして、返すサイネリア。
「おいぃっ!アクレラッ!次のお客様も来るんだ。早く案内しろ!」
店の奥の方から大きな声が聞こえてくる。
広めの厨房を、あっち行ったりこっち行ったりして、駆け回りながら、厨房を回している女性店主、ここの店長であり、大家の人なのだろう。
「あの人が大家さんの《プレリア》さんです。」
「なんだい、紗雪じゃないか。今日はやけに早いもんだね、もう帰ってきたのかい!」
「プレリアさん!私ようやくパーティーになってくれる人が出来たんです!」
嬉しそうに返す紗雪。
「なんだってぇ!!遂に紗雪。あんたみたいな、ポンコツにもパーティーを組んでくれる変わり者が、現れたのかい。こりゃたまげたねぇ。よし今日はいくらでも好きなだけ食いな!クエストの報酬の付けにしといてやるよ!」
「あ、ありがとうございます!!プレリアさん大好き!」
そう嬉しそうに返している紗雪。所々口が悪いがすごく優しいのが伝わる、プレリアさんだ。
そうして奥の個室に案内される。
「ごゆっくりどうぞ〜」
そう言って、水を置いて出て行くアクレラちゃん。
「まぁ取り敢えずだ、飯を頼もう。」
メニューを取ろうとすると、もう既にない。
辺りを見ると俺の事をそっちのけで、サイネリアが既にメニューを見ていた。
「よし!私は決めた。因みに紗雪、オススメなどはあるのか?」
「私のオススメは圧倒的にこの【ペロンペロンチーノ】ですね。とってもニンニクが効いてて美味しいんですよ!」
あっちの世界とは少し名前が違う。下品だ。
「ならそれも頼もう……か!」
キメ顔をしている、サイネリア。
「いいかサイネリア。いくらプレリアさんが親切にしてくれてるからって、遠慮もいるし、食えない量を頼むなんてもってのほかだからな。」
少し注意をし、メニューを貰う。
「アツシは知らんと思うが、私はこの二日間、丸々ご飯も食べずにいたんだ。腹が減りすぎてこのままじゃ死にそうなぐらいなんだ。黙れ!」
ふざけている…
まぁ女の子あるあるであろう、残してあとは食べて作戦には絶対乗らないと心に決める。
「なら俺は【ペロンペロンチーノ】と【ベーコンのベーコンによるベーコンピザ】を頼む。」
「分かりました。なら私伝えて来ますね!」
そう言って、駆け足で注文しに行く紗雪。
紗雪が帰って来て、ご飯が来るまでの少しの時間がある。
「改めてお二人とも、本当にありがとうございます!」
「こちらこそ。街の案内やら、ご飯まで色々ありがとう。」
そう返すと、サイネリアも続ける。
「ありがとう。」
「お返しにもなってないですから…気にしないでください。改めて私は隣の国から訳あってこの街に、1月ほど前に来ました。年齢は十八歳です。」
「俺は二十三歳だ。訳あって詳しく言えないが、前の町を追い出されて、この街に来たかったとこだったんだ。」
「私もまた、アツシと共にこの街を目指して来ていた。年齢は…」
“俺達は訳あり集団かよ“
アツシがそう思って聞いていたら、サイネリアが最後の方を濁している。
「ん?」
年齢の辺りをやけに濁して話す、サイネリア。
「よく聞こえなかったぞ、サイネリア。何歳なんだ?」
サイネリアは言いたくなさそうだ。
「驚かないでくれよ。私は数えてないから覚えてもないが…五百歳は超えているんだ…」
アツシと紗雪に電撃が走る。
『ご、五百歳!?!?』
二人の大きな声が店内に響き渡る。
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