5.力の代償とやって来た女の子
昨日上げれず、すいませんでした。
ページビュー数200越え、初ブックマーク、初いいね、と嬉しい事ばかりでモチベも爆上がりしてます!
今回の話も、誤字脱字や、指摘、コメント等、お待ちしております!
「やはりそうだったのか...」
サイネリアは何かに納得したかのように深く頷き答えた。
辺りに爆風の音が消えるまでの沈黙を待つ。
「今のは……一体何だったんだ?」
あまりの能力の強さに、驚きを隠せれないアツシはどこか自分の能力に期待の眼差しを送る。
右腕を見ようと動かそうとしたその時。
ボキッ!!
「イッッッテェェ!!!」
「うわっ!?びっくりした」
鈍い音と共にアツシの腕は反対方向に曲がり血がダラダラと流れ、不思議なことに微かな電気が纏っている。
そんなアツシの突然の叫び声にびっくりして声を上げるサイネリア。
「ん?何で電気が流れてんだ?それにしても、、痛すぎ、、る」
「大丈夫か!?」
「見ての通り…」
「取り敢えず治してやるからよく話を聞けよ」
サイネリアは駆け寄る。
「アツシよく聞け!お前の能力は…」
下を向くサイネリア。
「ん?いいから早く治して…」
なんだ?と首を傾げるアツシ。
「ドゥルルルルゥゥ」
「セルフドラムロールかい!」
「めっちゃめちゃ強いぞ!」
「んなもん見てわかるわ!」
思わずツッコミが漏れる。
「とりあえずメチャクチャ強そうなのは理解したが、それにしても腕が痛すぎて早くそのよくある飲み薬なのかなんなのかこんな能力がある世界なんだ便利に治せる方があるんだろう治してくれ!」
先程とは打って変わってボロボロに傷を受けた右手を改めて見て慌てるサイネリア。
「それはすまなかったな!すぐ治してやるから手を貸してみろ!」
手を差し出す様求めるサイネリア。
アツシの右手の掌を両手で握るサイネリア。
「うぉっ?」
喜んだのは束の間、強く握られる事でふただび激痛が走る。
「い、いってぇ〜」
「すぐ治る、今に見ておれ」
アツシの手を握るサイネリアは薄く光だし、握っている右腕は段々と暖かくなっていき、痛みはその光が強くなるのに比例して弱くなっていく。
「すごい、何だこれ」
「だから言っただろ」
腕の痛みはあっという間に消えていった。
そんな時アツシはもう一個大事なことに気づいた。
“初めてこんな可愛い子に手を握られてる”
「それにしても治りが悪いな、普段これぐらいの傷ならもう治るのに、やはりまだ痛むか?」
質問に対してニヤニヤと満足そうな顔で頷くアツシ。
「あー痛い痛い!!寧ろさっきより痛いぐらいだぁ!!」
「何だか嘘くさいなお前、、、」
アツシのニヤニヤ満足そうな顔を見て察したサイネリア。
「おい!さてはもう痛くないのにただ手を握ってるなこのクソ童貞男め!手を握られたごときでニヤニヤするな!」
なぜか少し恥ずかしそうなサイネリアが返す。
「ちゃんと強く握ってくれ!!俺の右手はまだ痛いんだ!」
「何の要求をしとるのだお前は」
「とか言って!サイネリアも顔が赤くなってるんじゃないのか?」
少し隙を見せたサイネリアに追い打ちをかける。
「あぁぁもう!!うるさい!集中できないじゃないか、それ以上意地悪するならこの腕もう一度私の力でへし折るからな!!」
天使の様な可愛い顔から悪魔の様な怖い言葉が飛び出す。
「はいはい、とまぁそんな事は置いておいて、この能力?てのは一体何なんだ?」
「能力と言っても、この世界には数えきれない程の能力があるんだ。」
「なるほどなるほど」
「その能力を応用して武器にエンチャントしたり、熟練度を上げて威力を上げたりさまざまな形があったりもする。」
「その能力って言うのは何個も持ってたりする物なのか?」
食い気味に聞く。
「“本来一人一個“なのだが、その域を超えて、能力を複数持つものや、能力を奪えるものなどそれぞれ多様なんだよ。ただし!その中でも一種だけ特殊な物が存在する!」
アツシの右手を見つめるサイネリア。
「それがまさしく、俺の能力という事か...」
右手を見ながら話すアツシ。
それに対して強く頷くサイネリア。
「そう。その特殊な能力と言うのが、“神ノ能力“達の事を指す。その能力は基本的な能力自体のパワーや威力も桁違いなのだが、その能力の特異性が高く、他とは比べにくい物ばかりなのだよ。」
「なら、この右手の痛みも能力に付いてくる、“代償“と言う事になるのか?」
「正しくそうだ。この神の能力は“生まれ持つ者もいれば、後から目覚める者、能力を極めて神の領域に達した者など、形は違えど、その能力を使える存在は世界を見ても数少ない。そして最大の特徴として、能力を使う事によって、“自身に多大な代償“を受けてしまう事なんだ。」
不思議に思うアツシ。
先ほどまで痛かった右腕の痛みは、消えていっている。
「でもサイネリアの使う能力で、俺の右手の痛みや、帯びていた電気は消えていってるぞ?」
と言うと、嬉しそうに答えるサイネリア
「そう!そこで私の能力!私の能力は、私が触れている物を治癒し癒す能力なんだ。だからアツシの能力は、一撃一発の強さはかなりの強さを誇るが、多用できないところを本来よりも早く次を打つことはできるんだ!」
なるほどな。
確かに痛みや激痛を伴うが、これをサイネリアが癒してくれて時間はかかれど何発でも打てるとなると、かなり強力な能力になる。
「なら俺は、サイネリアがいれば最強って事なんだな…」
「アホか!」
クスッと笑いながら手を握って治してくれているサイネリア。
そんな時後ろからプルプル震えた声が聞こえてくる。
「あ、あの〜」
「ひゃいぃ!」
どこかやらしいタイミングでの声を掛けられて驚いた声が出るサイネリア。
二人が声をかけた方を見ると、プルプル震えながら勇気を振り絞って喋りかけてきた子が立っていた。
「突然声を掛けてしまってすいません。今、パーティーメンバーを探していまして…」
声を掛けてきたのは、(黒髪ロングでポニーテール、華奢な体に、身長は160センチ程で、アツシと同い年ぐらい)の女の子だった。
するとサイネリアが表情を変えて話す。
「貴様いったい何者だ!」
「おいサイネリア!いきなりそんな強く話すものじゃないぞ。ルドガーじゃあるまい。」
と少し笑いながら話すアツシ。
「ご、ごめんなさいぃ!私は《宇治紗雪》と言うのですが、お金を稼ぐ為にこの街に来たのはいいのですが、パーティーに誰も入れてくれなくて…ずっとメンバーを探してたのですが見つからず、先ほどすごい音がしたので見に来た所、かなり強そうな方達なので、良ければ入れてほしいのです…」
そうモジモジ体を揺らしながら答える紗雪と名乗る女の子。
その様子を見て、肩の力を抜くサイネリア。
「とりあえず俺の名前はアツシ、こっちのちっこくて可愛らしい女の子は」
「私はサイネリア!」
と食い気味に答えるサイネリア。
「紗雪さんが言う、パーティーメンバーって言うのがよく分かっていないんだけど。」
驚いた様子で答える紗雪。
「もしかしてまだ、“クエスト“とかはされてないんですか?」
「クエストも何も、俺たちはまだパーティーでも何でも無い、ある意味出会ったばっかの二人だぞ。」
少し拗ねた顔をするサイネリア、気づかず話しているアツシ。
すると声を大にして紗雪が話す。
『なら是非、私と一緒にパーティーを組んでください!』
最近よりこの界隈に入れるよう、Xにて色々な方に絡ませていただいてますが、みなさん優しい方ばかりで感謝感激です!
皆様のようになれるよう頑張ります!




