表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/22

21.仲間とは

今回も読んでいただきありがとうございます!

書きたいことが多く長くなってしまって申し訳ないです!

 サイウスに案内してもらい、まずサイネリアの病室に向かう事にした。


 サイネリアは七階の特殊医務室にて、今は安静に寝てるという説明を受けた。


 「アレってもしかして…」

 「お面つけてあるいてるぅー!」

 「何よあいつ!」


 周りから明らかにサイウスを指した声が聞こえてくる。


 アツシは歩きながらずっと辺りを気にしている。


 “それにしてもサイウスめ!やっぱりめちゃめちゃ悪目立ちしてるじゃねぇか!来る人来る人皆んなこっちを見ているぞ!“


 「アツシ。そんなに辺りを気にしなくても大丈夫だよ。慣れっこなんだこういったのは。昔から大勢の前に立つ事が多くてね」


 「サイウスはそうかもしれないが、俺は元々皆んなの前に立つどころか誰かと話すのも苦手な《陰キャラ》なんだよ…。」


 アツシの発言に首を傾げるサイウス。


 「陰キャラ?とはなんだない?聞いた事ない言葉だが能力か何かなのかな?」


 痛いとこを天然に突かれてまた違う傷を負わされるアツシ。


 「まぁ簡単に言えばそう言う性格みたいなもんだ!ある種能力みたいな感じだよ。人に感知されにくかったり…」


 「何か嫌なことを言わさせたならすまなかった。詫びるよ」


 素直なサイウスの態度が余計に傷を抉る。


 友人の様なふざけた会話もしながらも、アツシの心の底の心配は消え切らない。


 「サイウスは王国の騎士長なんだろ?なら沢山戦ってきたのか?」


 「そりゃぁまぁ騎士長だからね。沢山の戦いと現場を経験してきたよ。」


 「ならサイウスはやっぱり強いのか?」


 何かを企んだアツシは質問をする。


 そんなアツシのどこか不可思議な顔を見て、ニヤっと笑い返して返すサイウス。


 「めぇっちゃくっちゃ強いはずだよ。」


 「ふざけた回答だな。」


 ――ハッハッハァ――


 二人は笑い合う。


 サイウスなりにアツシを元気付けようとしてくれている。


 「ならサイウスが居たら敵なんて怖くないな!」


 アツシはサイウスの肩を軽くグータッチで押す。


 「きっとね。それに王族に手を出すなんて、君はなかなかの肝っ玉だね。」


 王族と聞いてアツシは改めてサイウスの立場を考え直し、質問をする。


 「サイウスは改めてなんで会いにきてくれたんだ?」


 思い出しかの様に答えるサイウス。


 「友人と久々こうして話せれて、大事な所を忘れていたね。」


 「え?今なんて言ったサイウス。」


 アツシはその言葉を聞き逃さなかった。


 サイウスは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして答える。


 「友人と久々…」


 「友人?俺がサイウスの友人って言ってくれてるのか?」


 食い気味に興奮気味に聞くアツシ。


 「勿論。この状況で君以外誰がいるって言うんだい?」


 その言葉を聞いて“ポロポロ“と涙が溢れ出てくるアツシ。


 「え!えええ!!どうしたんだいアツシ。何か傷つける様なことを言ってしまったかい?」


 「いや、違うんだ。逆だよ逆!嬉しかったんだ俺は。俺もお前を友達と思ってるぜ!」


 涙を拭きながら話すアツシ。


 アツシにとって久々に面と向かって言われた『友人』と言う言葉は、例えそれが騎士長だからでもなく、強い男だからでもなく、出会ったばかりの者だからでもなく、アツシを真っ直ぐ見てくれて受け入れてくれてる気がして、救われた気がして、何よりその一言が嬉しくてしょうがなかっと。


 「ごめんごめん。気にしないでさっきの話の続きをしてくれ。」


 このタイミングで二人はサイネリアの部屋の前に着く。


 「ここがサイネリアちゃんの部屋だ。」


 部屋は他のとことは全く違い、部屋自体も大きく、その部屋だけ特殊な素材で作られた重苦しい空気が漂う変わった部屋だった。


 「さっきの質問は後でさせてもらうよ。」


 「わかった。」


 部屋の前に来ると楽しかった空気はガラッと入れ替わる。


 アツシは改めて起きた出来事を思い出し、分かっていてもサイネリアの事が心配で胸が苦しくなり、体が小刻みに震える。


 「相当な出来事があったんだね。でも大丈夫。サイネリアちゃんは中で何事も無く寝ている。」


 そう聞いて一度深呼吸をしたアツシと、サイウスは部屋に入る。


 スゥー スゥー


 中に入ると大きな布団の中心にサイネリアは寝ていた。


 透き通るような肌、美しく切なく光どこか妖艶な金髪、

微かに香るやさしく心地のいい匂い、そして何より天使の様な綺麗で優しい顔で寝ているサイネリア。


 「よかった。本当に。」


 心の声がそっと出るアツシ。


 そんなアツシを見て、


 「そうだね。」


 優しく返すサイウス。


 「彼女は相当な無理をして能力を使って意識を失ってたらしい。正しく能力とは精神力のような特徴を持っている以上一気に使い切ればその者は…」


 続きを言わなくても言いたい事はわかるアツシ。


 「俺は相当無理をさせたんだなサイネリアに。」


 「確かにそう取る事もできるが、サイネリアちゃんは逆に命を賭す可能性があってでも君らを守ろうとしたとも考えれる。その行為に感謝をまずはしよう。自分を責めるのはその後だ。」


 「そうだな……ありがとうサイネリア。」


 そっと感謝を伝えるアツシ。


 「それに今サイネリアちゃんはこうして無事寝ていられるのも君がここまで彼女を連れてきてくれたおかげなんだ。もしあそこで君の対応が遅れていたら彼女の命はなかったかもしれないんだ。」


 「そうなのかな?」


 「間違いなくそうだ。良くやったよアツシ。」


 「ありがとうサイウス。」


 二人に少しの沈黙が走り、部屋の中には優しいサイネリアの寝息と窓から入る風の微かな音が響く。


 ドタァッドタァッドタァッ!


 その時この部屋を目掛けて猛ダッシュで近づく足音が聞こえる。


 「なんだこの音は!?」


 サイウスが身構えたその時


 ガチャン!!


 とてつもない勢いで部屋に飛び込んできた。


 「ここにいたぁ!!アツシさぁぁん!部屋にいないから心配したんですよぉ〜」


 そう涙ながらに飛び込んできたのは紗雪だった。


 紗雪は部屋に入るや否やアツシに飛びかかる。


 ゴチンッ!


 「イテテッ!!まだ俺も完治したわけじゃないんだ、それにサイネリアも寝てるんだ!もっと静かに入ってこい!!」


 ポンコツな紗雪の頭をアツシが殴る鈍い音が響く。


 「そうでしたね、サイネリアちゃんも無事でよかったぁぁ〜」


 泣きながらに嬉しそうに話す紗雪。


 “ポンコツながら紗雪も紗雪で泣くほど俺の事もサイネリアの事も心配してくれてたんだな“


 そう思うと笑顔がこぼれるアツシ。


 「この方はアツシのご友人か何かなのかな?」

 

 サイウスが質問する。


 サイウスの質問に頭を抑えていた紗雪が顔を上げて見上げる。


 「ぎゃぁぁ!!化物ぉぉ!!」 


 サイウスのお面を見てまた声を上げる紗雪。


 「だから静かにしろ!!」


 ゴツンッ!


 アツシの二回目の制裁が下る。


 「ハッハッハ、仲が良さそうだね。これは失敬。お面を付けているのを忘れていたよ。」


 お面を取るサイウス。


 その顔を見て紗雪はまた声を荒げそうになる。


 そんな紗雪が大きく口を開いた瞬間にアツシは手をかぶせる。

 

 「ごなあやぁあのさいやあやすさまぁ!!」


 「落ち着けって言ってるだろ紗雪。」


 「すいませんでした。でもなんで王国騎士長のサイウス様がこんな所にいるんですか!?それにアツシさんもすごく慣れ親しいですが…」


 「サイウスは俺の友達だ!」


 「えぇー!!サイウス様と友達!?アツシさんは一体何者なんですかぁ。なんだか私頭が混乱してきちゃいましたぁ。」


 驚く紗雪を見てサイウスを見るアツシ。


 「やっぱサイウスって人気者なんだな?」


 「まぁ一様王国の騎士長ではあるからね。所でこの紗雪と言う方は?」


 「俺のパーティーメンバーだ!ポンコツだがな!」


 なるほどと言った顔のサイウス。


 「ならちょうどいい。君たちに大事な話があるんだ。」


 「改まってなんだよ?」


 二人を見てサイウスが言う。


 『君たちのクエストに今度僕を連れて行ってくれないか?』



 


読んでくださり、改めてありがとうございました!

面白かったりしたら

⭐︎の評価、感想、ブックマーク等是非お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 ここまで読ませていただきました。  この感想が不快な場合は削除してくれて構いません。  まず、全体的に描写が少ないように感じ、すみませんが私には合いませんでした。(こういうのが最近の流行りなのでし…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ