14.壮絶な戦い
確認はしましたが、初めてこんなか長く書いたので、指摘やミスがあったら、訂正しますので報告お願いします!
“ケホッケホッ“
砂煙の中、起き上がる。
先ほどの攻撃の際、サイネリアが起点を効かせて、俺を突き飛ばし、隣いた紗雪の手を引き、避けていてくれた。
「ファインプレーだサイネリア。」
辺りを一瞬見ると、さっきまで綺麗だった聖堂はもう無く、騎士が降った大剣の方向に大きな亀裂が地面に入っている。
「アツシ、紗雪。よく聞いてくれ。この敵はその辺の影とはレベルが違う。ボスクラスと言っても過言ではない。私ら三人で本気でやっても勝てる可能性は低いが、だからと言って逃げれる可能性も低い。」
「つまり、倒すしかないって事か…。」
先程の攻撃で俺は察した。ここで怖気付いても、死んでしまうだけだ。なら“やるしかない“そう心に決め、右手を強く握る。
昨日サイネリアと木を打った時の事を思い出す。
“あの時俺の右手が放った一撃は、とてつも無い威力だったが、二発も三発もすぐ打てるわけでは無い“
そう思い出し、確認してサイネリアに確認を取る。
「って事は、俺の一撃で決めるしか無いよな?」
「その通りだ。私の力では、ダメージや傷は負わせれても、決める切る事はできない。だから最後の一撃はアツシに任せるぞ!」
「紗雪!!動けるか!!」
確認を取る。
「は、は、は、、はい!!」
返事をする紗雪。
「二人共怖気付かないんだな。」
クスッと笑うサイネリア。
「もうここまで来て、皆さんの足手纏いになる訳には行きません!私だって覚悟を持ってニサヴリルに来たんです!皆さんと共に戦います!!」
「そうだ三人で手を合わせて…勝つぞ!!」
「はい!」
二人が返事をする。
その時、騎士が動き出し、こちらに歩いてくる。
「先手を打つぞ、紗雪!二手に分かれて、紗雪は離れる最大の距離から全力でサポートしてくれ!」
サイネリアが、紗雪に指揮をとる。
「はいっ!」
と返事をして、歩いてくる騎士に二手に別れて、走って近づくサイネリア。
「合図をしたら、あいつに能力を使って動きを止めてくれ!本気でやらないとすぐ振り切られるぞ!アツシは私と紗雪で最高のタイミングが来るまで、右手に力を流し続けることだけを考えてくれ!」
言われた通り俺は、昨日のことを思い出し、目を瞑り右手に力を流すイメージをすると、うっすら右手の紋章が光出す。
近づく二人に騎士が話し出す。
「サキホドノコウゲキデモマダイキテイテ、ワタシニタタカオウトスルカ。ヨイ。ヨイゾ。キシトシテウケテタトウ。」
そう呟いて、足を止め、大剣を両手で持ち、今度は横に振ろうとする。
「紗雪いまだ!奴を止めろ!」
「はい!」
紗雪は騎士に対して、両手を構える。
「地力の神よ、今一度私の思いに心を寄せて、力を与えたまえ!“グラビティスペース“!!」
騎士が地面に押し付けられるように、動きが止まる。
騎士は横に振ろうとしていた大剣を地面に突き刺し、支えとして、なんとか立った姿を保とうとしている。
そこにサイネリアが走っていき、騎士の右足に目掛けて攻撃を仕掛ける。
「神ノ光」
光の玉のようなものが、騎士の右膝に飛んでいき、騎士が右膝をつく。
続け様に打ち込むサイネリア。
「ホーリーライト、ホーリーライト、ホーリー…」
立て続けに打ち続ける、サイネリア。
どんどん崩れていく、騎士。大剣を支えにするように立膝のようにしてなんとか耐えている。
「すいません、サイネリアさん!相手の抵抗力がすごく、私がもう持ちません!」
能力の限界を迎え、苦しそうに悶えている紗雪。
「もう限界か……。アツシ!もう限界だ行けるか!」
二人が耐えている間、右手に溜め続けた気で、先程よりも強く紋章が光っている。
「ああ!準備万端だ!」
「よし!なるべく一発に集中して、一撃で全てをぶっ放せ!」
騎士に攻撃を仕掛けながら、話すサイネリア。
「ぜってぇ負けねぇ。折角この世界に来て、サイネリアと出会い、紗雪と言う仲間を得て、ようやく俺の人生は楽しくなって来たんだよ!お前如きにその邪魔はさせねぇよ!」
騎士の方に走りながら、独り言をつぶやく。
「ごめんなさい!もう無理です!!」
大きな声で伝える、紗雪。
「よくやった!紗雪!」
騎士にかかっていた、重力が解かれ、傷を負いながらも起きあがろうとしている騎士。
サイネリアは攻撃をやめて、倒れかかった紗雪のとこに全速力で走っていき、紗雪のことを抱き抱える。
起きあがろうとする騎士の前に右手を構えて、“ふぅーうぅ“と優しく息を吐き、目を閉じて最後の最後まで、気を溜めているアツシ。
「今だアツシ!ぶっ放してやれ!」
そっと目を開いて、起きあがろうとする騎士を見る。
「頼む…これで死んでくれ。」
右手を大きく振りかぶり屈んだ姿勢の騎士の胸の真ん中目掛けて、狙いを定める。
“うぅぉぉおおぉぉ“
久しぶりの腹からの本気の声が上がる。
アツシのパンチは狙い通り、騎士の胸の真ん中をとらえる。
“バァァゴォォンッ“
爆音が響き、聖堂は騎士の後ろから爆風で吹き飛ばされ、大量の砂煙りが舞い上がる。
“はぁぁ、はぁぁ“
アツシの荒れた息だけがあたりに響く。
アツシは本気の一撃をぶつけ、もう自分で動く体力は無く、立っているのがやっとだった。
右手は傷が酷く血まるけで、“ビリビリ“と音を立て、電気が帯びている。
「やったのか…。」
砂煙りが晴れ出す。
サイネリアと紗雪にはアツシの後ろ姿が見えてくると、同時にアツシの前ににもっと大きな影が見えてくる。
「え…」
サイネリアと紗雪は絶望する。
「やるじゃ無いか貴様ら。ただその程度では私は倒せん。」
“俺たちは敵わなかった…“
鎧は先程の攻撃で崩れ落ちたが、中には傷一つ無い、大男が立っていた。
「なんだよお前。いきなり出て来た割に、めっちゃ強いじゃねぇかよ。」
この後のことを察して最後の強がりを見せるアツシ。
「やっぱ俺はダメなのか…。」
小声でつぶやくアツシ。
「よくやった。」
そう呟いて、騎士が大剣を構える。
「アツシ!逃げるんだ!」
サイネリアの大きな声がうっすら聞こえた時。
騎士の大剣がアツシの腹を貫く。
大剣にアツシを刺したまま、大剣を上に突き上げる。
「討ち取ったり。」
騎士が大きな声で言う。
俺たちは本気で全力をぶつけたが、敵うわけがなかった。
視界が暗くなっていくアツシ。
“俺は死んだ“
今回も見ていただきありがとうございます!
切る位置が決められなく、長くなってしまいましたが、楽しめていただけてたら幸いです!
コメントや評価、指摘等等お待ちしております!




