番外編 用語解説その1
第1章で登場した専門用語について、解説します。各話の末尾にコラムとして掲載したものも含まれます。
■ 魔法
高度なテクノロジーによって、まるで魔法の様な事ができるようになりました。
通称「魔導器」と呼ばれているディアデバイスという装置に、プロンプトという呪文を与えることで発動する数々の効果のことを、この世界では通称「魔法」と呼んでいます。
■ 魔法使い/プロンプター
魔法を自在に使いこなせる人のことを、通称「魔法使い」と呼んでいます。正確には、「プロンプター」という呼び名で、レベルに応じて10級から1級までのプロンプターの認定があります。1級が最も優れた魔法使いという事になります。
■ 防御魔法/バリア
圧縮した空気で「空気の壁」を作り、物理的な攻撃を防ぐ魔法です。比較的低レベルな魔法です。
■ サイボーグ
体の一部を機械化した人間の事を指します。この世界では、ほとんど登場しません。登場人物は、AIを搭載したアンドロイドか、生身の人間に二分されます。
■ AI
この世界では、すべてのコンピューターに高度なAIが搭載されているため、コンピューター全般をAIと呼んでいます。また、AIによって動作しているアンドロイドを、AIと呼ぶこともあります。
■ 女神様
旧式のAI (アンドロイド)ですが、実はテクノロジーの頂点は数百年前にあり、現在よりも優れた技術で作られています。
■ 魔導器/ディアデバイス/dia device
正式な呼び名は、ディアデバイス。エスペラント語と英語の混成で、「神の道具」という意味になります。
魔法のような能力は、すべてこの魔導器によって発動されます。魔導器は、物質を操作する能力の他に、探知探索、情報の投影、情報検索といった様々な機能があり、スマホの超進化版と考えると良いでしょう。
この時代の魔導器は、手首に埋め込む小さなチップの形ですが、100年前まではブレスレット型のデバイスだったようです。
いずれの魔導器も、人々がAIと呼んでいる巨大人工知能ネットワークに接続されていて、旧式と現行器では接続するネットワークに違いがあるようです。
■ 旧式魔導器/ブレスレット
旧時代(100年以上昔)の魔導器。ブレスレッド型ですが、自分の意思以外の方法では外せない仕組みになっています。
■ 破壊読出型/プロテクト
データを保護する手段として、複製をできなくする技術の一つです。量子コンピューターに置いて、量子ビットの状態を読み取ると、状態そのものが変化して情報が失われます。非破壊読み出しの方法もありますが、この非破壊読み出しをブロックすることで、破壊読出し型のプロテクトを実現しています。
なお、このプロテクトを解除することはもちろん可能ですが、一度でも解除に失敗すると情報が失われるので、堅牢なプロテクトと言えるでしょう。
■ ヘンタイクソオヤジ
虐待されると喜びを感じるという、変わった性癖のある教頭先生のことです。
■ テュル歴 (Tyr-Calendar)
ディアとは、北欧神話で破壊と秩序の神と言われています。AIが世界を支配した年を元年とした暦をテュル歴と名づけました。T.C.と略します。西暦にすると2400年ごろになります。つまり、この時代は西暦に換算すると2900年、30世紀ごろの話という事になります。
■ PSVR-HD (Physically Simulated Virtual Reality Hologram Deck)
ゴーグルなどのデバイスを使用せず、脳を直接コントロールして幻覚を見せるものでもない、完全に物体を物理的に再現して実現するVRデバイスです。全方向に動く床と重力制御、物質生成装置、3Dホログラムによって実現してきます。有名なSFテレビドラマに登場するものと同じと考えてよいでしょう。
■ ECM魔法
通信を妨害する電波を出す魔法です。人間に対しての攻撃ではないので、魔導器から妨害用の電磁波が圧せられます。